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黒の鳥

作者: 悲空龍

貴方が嫌いなものはなんですか?上司や先生、色々ありますが、毎朝みかける「あいつ」を好きな人がいますかね?

私は貴方を観ています、貴方の姿を観ています。朝のゴミ捨て夜のポイ捨て全部全部みています。私は生きる。だから貴方を観ています。気味悪がれようと、石を当てられようとも、私は生きなければなりません。貴方が捨てた賞味期限切れのパンや、食べ残された油の塊、食べたいはずがないでしょう。私の食べた残骸を、顔を顰めながら処理している貴方をみて、愉快なはずがないでしょう。けれど私は食べなければならない。貴方が豚を殺すように私もゴミを漁らなければならない。貴方は忘れてはならない。貴方は沢山の命を食べて生きている。それを自覚していないだろ?私が貴方のゴミを食べて生きる姿をみて、迷惑だと思うだろう。貴方は「食べたいから」という理由で生物を殺しているのに、食べたいものも食べれない私をみて、追い討ちをかけるなんて自分勝手だ。自分勝手な貴方にすがらなければ私は生きることができない。それがどれほどの屈辱か、貴方に想像できるだろうか?貴方のポイ捨てで命を繋ぐ屈辱が。私は貴方を観なければならない。生きるために。仕方なく観なければならない。これが黒い鳥の残酷な一生である。

カラスの気持ちを考えてみよう。

彼らは我々人間という下等で自分勝手な種に助けを求めながら生きている。平気で賞味期限を切らすし平気で食べ物をすてる。その捨てられたゴミを命綱として生きる。けれど人間はゴミが散らかるといいカラスに袋をつつかれない仕組みを数々考案し、彼らに食べ物を渡さないようにしている。カラスの目は人間の目より輝いていると思う。黒々としていて真珠のような光沢があり、美しくて声にならない。

彼らは人に害を与えるためにゴミを漁っているのではない「生きる」ために仕方なくしているだけだ。

読者は明日の朝ゴミステーションに集まっているカラスを温かい目で見守ってみたらどうだろうか。

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