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連続神隠し事件

始めての部活動にやる気満々?で向かった優太であったが・・・何もしていない?

そこに現れた謎の少女御守未保の話によると

近頃『神隠し』が頻発しているらしい・・・



橋本の説教が終わり、優太は旧プレハブへと向かう。

「30分も遅れちまった、このままだと美浜のヤローがうるせぇなたぶん、何か信じてくれそうないい訳は・・・」

一生懸命考えたのだが、まったくいい訳が思いつかなかった優太は美浜に素直に謝る事にして旧2年1組の教室に入る。

「ごめんなさい、遅れました!もう、好きにしてください」

ビクビクと震えながら優太は勢いよく言った。

「別に謝らなくてもいいわよ、特に何もしてないしね」

美浜は漫画雑誌を読みながらこう返したが、あまりに素直な反応に思わず優太は失言をする。

「えっ、もっと『遅いわよ、バカ』的なセリフはねぇの?」

「アンタ、あたしを何だと思ってんのよ!」

「ぶへっ!」

厚さが10?はあるだろう、漫画雑誌が優太の鼻を直撃する。

後悔をしたがもう遅かった。

「でも本当に何もやってねぇな」

杉内は数字の参考書を開いて勉強をしているし、尾高はブツブツと何か言いながらオカルト本を読んでいた。

「まぁ、全員揃ったし何か始めましょうか」

美浜が切り出すと尾高が小さく手を挙げながら言った。

「あの、具体的には何を…」

(何するか決まってねぇのか?)

「そんなの決まってるじゃない!」

(何だ?何をするんだ?)

「部長!アンタ何するか決めなさいよ!」

「えぇぇ!俺が決めんの?!」

あまりにも当然という顔をして美浜がこう言ったので、優太の声は裏返っていた。

「何で俺が決めんだよ!前と同じことやりゃあいいじゃねぇか!」

「前からほとんど何もしてないわよ!だから部長のアンタが決めなさい!」

「朝からずっと言いたかったけど俺は部長になるなんて一言も言った憶えはねぇよ!」

「朝も言ったでしょ!気絶してたアンタが悪いのよ!」

「あ、あの」

「「?!」」

ケンカを始めた二人の間に割って入るように声がした。

何かと思い二人が入り口に目を向けると、そこには一人の少女が立っていた。

小さな目にメガネをかけている、色白な肌に細身で小柄な体格、さらにその声の小ささから彼女はいかにも大人しそうだった。

さっきまで無関心だった他の二人も顔を上げる。

「え〜と、どちら様ですか」

美浜が戸惑いながら聞く。

「入部希望者か?!」

「いえ、こんなバカみたいな部活やろうと思う人はいませんよ」

かなり落ち着いた口調で彼女は言った。

(バカみたいって、まぁそうだけど)

優太はこんな感じだったが美浜は隣で何も言わずに拳を強く握りしめている。

「いきなり失礼ですね、では何でここに来たんですか?」

杉内が核心をつく。

「ここは、いろいろな超常現象を調べていると聞いたもので」

「確かにそうだけど何で?」

「近頃話題になっているんですけど、『連続神隠し事件』をご存知ですか?」

「俺は知らねぇけど、誰か知ってるか?」

優太は顔をしかめながら周りに聞いた。

「僕は知ってますよ、この辺の住人が忽然と姿を消している失踪事件ですよね」

尾高がこう応えたが優太には初耳だった。

「な、そんなのが起きてんのかよ!大変じゃねぇか!俺たちなんかじゃなくて警察に…」

「ええ、それなんですが、あまりにも忽然と姿を消し過ぎて証拠も不十分で、警察はたちの悪い噂話としか思ってないんです」

「なるほど、で、あたしたちにどうしろっていうの?」

「まぁどうせどうにもできないとは思うんですが、一応話しておこうと思いまして」

さっきのセリフといい、彼女は見た目と違い超毒舌みたいだ。

「何か情報とかは?俺には全く分からねぇんだけど」

優太は少女に聞いたつもりだったが、その質問に答えたのは尾高だった。

「さっきも言ってましたけど、本当に忽然と姿を消すんです。まぁ、数時間後に隣町で発見されたり、被害は少ないんですが」

「その通りです、しかし、被害が出ているのに変わりは無いので」

「まぁ、暇なんだし、調べてみるのもいいんじゃねぇの?」

「そうしてくれると助かります」

「おお、何か分かったら言いに来いよな」

「はい、まぁせいぜい頑張って下さい」

「さっきから何なのよ!バカにしてんの?犯人はすぐ捕まえるから!大人しく待ってなさい!あと名前!教えなさいよ」

(何だ?)

優太には美浜がこう言った瞬間彼女が少し笑ったように見えた。

(気のせいか)

御守みかみ 未保みほですけど、何でお怒りになっているんですか?」

「憶えとくわ!怒ってる理由は自分で考えなさい!」

美浜の我慢は限界だったようだ、ピシャンと勢いよくドアを閉めて完璧に彼女を追い返す

「ま、やる事は出来たな、どうする?」

優太がそう言った瞬間だった、杉内が優太の横を通り、ものすごい勢いで外に出て行った。

「お、おい、杉内」

「いいのよ、放っておきなさい」

「何でだよ、まずこの後どうするか話し合わねぇと」

「あたしたちも外に出るわよ、理由は後で話すから、アンタもついて来なさい」

「ど、どうしたんだよ、何か変だぞお前ら」

「だからそれは後で話すから、早く準備して!」

何が何だか分からないまま優太は身支度をして、美浜と共に外へ出る。

尾高はノートパソコンを取り出して何かを始めた。

少し様子はおかしいが、とりあえず魔術部は連続神隠し事件について調べ始める。


やっとストーリーっぽくなってきました、大変ですね。

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