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またまた魔術なんてご冗談を・・・

放課後、美浜夏帆と会った高橋優太、そして、ひょんな事から彼女の秘密を知ってしまう。その秘密とは・・・魔術?!

放課後、優太は教室で部活の一覧表を眺めていた。

(やっぱどの部活も途中からじゃやりずれぇな)

部活には入りたかったのだが中二の秋から新しい部活を始めても、置いていかれるだけだろうと思い優太は悩んでいた。

すると、隣でガタンと音がした。

「?」

何気なく優太は隣を見た。

「・・何よ」

そこには美浜がいた。

「何しに来たんだ?」

優太は目線を一覧表から離し美浜を見る。

「忘れ物取りに来ただけよ」

そう言って美浜は机から一冊の本を出した。

「オカルト・・魔術研究・・本?」

優太がそうつぶやくと美浜は慌てて本を背中に隠す。

「美浜ってそっちの人だったのか?」

優太が思わず口走ると美浜はこれ以上なく慌てた。

「違うから!絶対違う!あの、違く無いけど違う!あの、オカルト信じてる気持ち悪い奴じゃ無いから!誤解しないで!」

「じゃあ何なんだよ!そのオカルトたっぷりな題名の本は!本当はオカルト信じてる気持ち悪い奴なんだろ?」

これは弱みを握ったなと優太はそう思った。

「ち、違うわよ!あっ…あ、あたしは…」

「何だよ」

妙に動揺している美浜を優太はせかした。

「あたしは…」

「誤解されたく無いから言うけど!あたしは魔術師だから!」

「・・・・・」

美浜は優太の目を真っ直ぐにみている

「・・・・お前、俺がそんな嘘信じると思ってんのか?」

「本当だから、大体あたしがこんな大胆な告白したっていうのに、嘘とは何よ!」

なぜだろうか、美浜は涙目だった。

「当たり前だろ!魔術何て夢たっぷりな物がこの世にあるわけねぇだろ!」

「あるわよ!ちゃんと、魔術師が少なすぎてみんなが知らないだけ!」

「だったら証拠を見せろ!今この場で魔術が使えたら認めてやる」

優太は自分でもこんなに熱くなっているのか分からなかった。

「いいわよやってやるわよ」

「え?やんの?」

そう言って美浜は指をならした。

優太は本当にやるとは思わず、唖然としていた。

「え?」

すると、本当に美浜の手から火がでたのだ。

嘘ではない、本当だった。

「これで分かった?あたしが魔術師だってこと」

(いや、考えろ高橋優太、どうせ何かのマジックだ)

優太はそう考えたが、美浜がさっきから嘘をついているように見えなかったこともあり、

混乱していた。

数十秒間、優太は何も言えなかった。目の前で何が起こったかを整理できなかった。

『魔術』と言われても優太には何も理解出来なかった。

「み、美浜、お前何の部活入ってんだ?こんな力持ってて何の部活をやるんだ?」

俺は何を聞いているんだと優太は自分で思った。

「・・・魔術部よ」

美浜の声は小さく、良く聞こえなかった。

「・・美術?」

「魔術部よ!魔術部!もう隠す事なんてないわ」

「魔術部?!そんなの一覧表のどこにも書いてねぇぞ」

「当たり前よ部員が三人しかいないんだから、学校に認められてやってるんじゃないわ」

「非公式部活ってこと?」

「まぁそうね、あとアンタは強制入部よ!拒否権はないわ!」

「そ、そんな、てかお前俺のこと嫌いなんじゃねぇのかよ!」

「いいのよ、どうせアンタもどの部活入ったらいいか困ってたんでしょ?」

まぁ、それは正論だった。優太は半ば無理やり入部届けに『魔術部』と書かせられた。

「でもさ、非公式なんだろ?入部届けなんか意味あんのかよ」

「大丈夫よ、アンタで四人目だから、申請が認められれば正式に部活動になるわ」

それで強制入部なのかと優太は納得する事ができた。

「じゃあ他の奴らとも顔合わせなきゃね、この後裏の旧プレハブにきて」

旧プレハブとは使われなくなったが片づける予算も無くそのままになっているらしい場所である。

美浜はスキップしながら教室を出ていった、

(なんか、突然いろんな事起こり過ぎてねぇか、結局魔術って何なんだよ、美浜はもういねぇしとりあえず、旧プレハブ行ってみるか)



********************



優太は校舎裏の旧プレハブに来ていた。

「で、どこに行きゃいいんだよ」

「ああ、いた、こっちよこっち」

美浜がプレハブの窓から身を乗り出して優太を呼んだ。

旧2年1組の教室が部室になっているらしい、ボロボロになっているドアをくぐり抜けると部屋全体を見渡せた。意外と部屋は広く、きれいに掃除されているようだった。そして、魔術部の他の二人と顔を合わせる。

「えっと・・」

優太が何を言うか迷っているとあちらのほうから話しかけてくれた。

「話は聞きましたよ、高橋優太さんですよね」

その男の口調は馬鹿に丁寧だった。

「あっ、ああ、あんたは・・」

杉内すぎうち 涼太りょうたです、よろしくお願いします。」

細い目に無表情、何を考えてるのか分からないような顔だ、きっとこいつとにらめっこをやっても勝てないだろう、ほとんど笑いそうにない。

「あっ、ああ、こちらこそ」

(こいつ相手だと話しずれぇな)

「フフッ、ごめんなさいね」

「!!」

いきなりだったのでびっくりした。今のは明らかに優太に向かって言ったようだった。

(さっきの事もあったしな、こいつも魔術師か?」

「フフッ、見かけによらず勘がいいですね、仏教六神通のひとつ『他心通』ってやつです」

「他心通?仏教??」

優太には全く意味が分からなかった、当然ではあるのだが。

「まぁ、分かりやすくいえば『テレパシー』です。人の考えていることなら全部分かります。そう、全部、ね」

杉内はそう言って何故か美浜を見た。

美浜は目を合わせない、仲が悪いのだろうか。

険悪な雰囲気をかき消すように優太は言う。

「で、そっちの人は」

そう言って優太はもう一人のほうを見る。

「僕は尾高おだか 健人けんとです、よろしく」

背は小さく、白髪の混じった髪の毛に、くまの付いた目は明らかに『僕は不健康です』と言っている。

「ああ、よろしくな」

(何だこの変人集団)

優太は思ったが杉内が居るのを思い出し心の中で言わないでもらうよう必死で頼んだ。

「顔合わせは終わったわね、じゃあまず生徒会長に申請しに行くわよ」

「いきなり?!俺にはまだ何も分かっていないのですが、魔術とか、こんな普通に使ってるもんなのか?」

「まぁ、そのうち説明するわ、あと30分で下校時刻だし、早く行くわよ」

「そうか、生徒会長はどこにいるんだ?」

「こちらです」

四人は生徒会室へと向かった。

生徒会室につき、優太はドアを開ける。

「「「「失礼します」」」」

「どうぞ、何か用ですか?」

優しく包み込むような高い声に優太は顔を上げた。

「!!」

「どうしました?」

「え・・そんな・・ことが・・」

優太は言葉を失っていた。心配した杉内の言葉も耳に入っていなかったようだ。

そこに美浜のパンチが勢いよく入る。

「どうしたのよ!」

(驚いた、この生徒会長俺の好みにぴったりだ)

しかし、そんなパンチも意に介していなかったようだ。

「無視してんじゃ無いわよ」

美浜怒りボルテージアップ。

そしてそのセリフも無視され、さらにボルテージアップ。

「そういうことでしたか、フフッ」

優太の心を読んだ杉内が事情を察する。

「何よ、何なのよ」

まっすぐに伸びた黒い髪に優しそうな目、大人びた顔立ちは美浜とはある意味対局の正に『美人』だった。

「新しい部活動の申請をしたくて来たんです」

杉内が本題を切り出した。

「どんな部活ですか?」

優しそうな顔から真剣な顔になって生徒会長は応える。

「あ、あの、お名前は・・」

まったく話を聞いていない優太はこんな事を言った。そしてボルテージアップ。

小関おぜき 清花さやかです」

少し戸惑っているようだが顔に出さず小関は笑顔で応えた、さすが生徒会長と言うべきだろう。

「さやかさん、いいなぁさやか……」

優太は下を向いてボソボソと『さやか』と言い続けていた、そして美浜の怒りは限界に達した

「帰って来い!」

再び美浜のパンチが入った。ただ、威力は先ほどの十倍はあっただろう。このパンチのせいで優太は帰ってくるどころかまた、別の世界へ逝ってしまった。

「ありゃ、さすがにやりすぎたわね」

面倒くさいのが消えたところで杉内は再び本題を切り出す。

「部員はここにいる四名です、部活名は『魔術部』です、主に魔術や霊能力などが本当にあるかどうかを調査、研究して行きたいと思っています」

かなり淡々と、一定のリズムで杉内は話した。

「・・・」

「だめですか?」

「いや、わたくしはそういうの好きなのでいいと思うんですけど、学校に認めてもらえるかどうか・・・」

「やっぱりですか」

美浜は大きなため息をついて、『何とかならないんですか?』的な顔で小関を見る。

「まぁ、わたくしがどうにかしてみましょう、結果は後日連絡します」

美浜は大興奮だった。

「ありがとうございます」

「あ、あと部長は誰なんですか?」

全員の動きが止まる。

単純に考えれば美浜か杉内だろうが、どちらもやりたくないようだ。

「じゃあ、こいつにしといて下さい」

美浜は優太を指さしてこう言った。

「あ、名前は・・・」

「分かってるから大丈夫ですよ」

話によるとこの学校の生徒会長は生徒全員の名前を覚えさせられるらしい。ある意味この生徒会長も魔術師と言える。

「高橋優太、と、これで大丈夫、ではまた後

日」

「ありがとうございました」

杉内がお礼を言い、美浜が優太を引きずりながら生徒会室を出る。

深夜2時、優太は旧プレハブで目を覚ました・・・








思ったより書くのが大変、テストまで、1週間きったのに勉強して無いです。

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