お前殺しただろう
本作をお読みいただきありがとうございます!
深夜の台所で繰り広げられる、真面目なのか不真面目なのかわからない探偵のドタバタ本格(?)ミステリーです。深夜の空腹時のお供に、肩の力を抜いてお楽しみください。
探偵の華麗な(!?)推理が迷走を極める前日譚として、深夜のキッチンで事件が勃発した瞬間を描いた序文から。
深夜2時、静まり返った台所に響き渡る重苦しい沈黙。リビングのソファで力尽きた被害者の手元には、虚しく空になったスプーンだけが転がっていた。そこへ颯爽と現れた探偵は、現場に残されたかすかな甘い香りと冷気を感じ取り、ゆっくりと冷蔵庫の扉へ手を伸ばした――。「事件だ。しかも極めて残忍な……」
「証拠は完全に挙がっているんだ!犯人は……この冷蔵庫の中にいる君だ!」探偵の指差した先には、ラベルに『絶対食べるな』と書かれたカラメル垂れる容疑者プリンが、すまし顔で鎮座していた。探偵は「貴様が被害者のダイエットを阻み、深夜に甘美な胃もたれを引き起こして脂肪死亡させた殺意は明白だ」と畳みかけ、名推理に酔いしれながらその場でプリンを完食した。
「犯人はお前だ!」と叫んだ探偵の腹が鳴るや否や、隣のレンジが「真犯人は僕だ、解凍(解答)はすべて僕の中にある!」とカミングアウトしたのも束の間、実は被害者自身が「自分が全部食べたかっただけ」と生還してプリンの奪い合いが始まりました。
目まぐるしく容疑者が入れ替わった末、結局は「夜食欲」という目に見えない概念こそが黒幕だったということで、全員で仲良く真夜中のピザパーティーを始めて事件解決(?)です。
「思ったら」で始まる、この物語の続きです。
…と、思ったら、チャイムが鳴って届いた宅配ピザの箱を開けた瞬間、探偵が「待て!このピザソースの赤い赤は……ケチャップではなく血だ!」と再びトッピング相手に言いがかりをつけ始め、空腹の全員から一斉にピザ生地を口に詰め込まれて強制的に黙らせられました。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
深夜の空腹が生んだ、ただただ食べ物と家電が暴れるだけのドタバタ劇でした。作中に出てくるプリンやピザの誘惑に負けず、皆様が健やかな睡眠を迎えられることを願っております(笑)。
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