第十八話 授業の合間に
初老の人物が広い部屋の中央で椅子に座って待っていた。
「何か妙な動きがあったと聞いたが?」
すると黒服の男が報告を始める。
「朝鮮開放戦線のことですがターゲットの少年に返り討ちにあったと聞いております三神明人がそばにいたそうですから本当は三神が取り押さえたというのが真相でしょう」
「私たちが関わったことはバレていないだろうな?」
「それは大丈夫でしょう我らは情報をリークしたに過ぎません、我らのことを知っている者も数少ないですから」
「では引き続きその少年を襲うように朝鮮開放戦線に情報提供しろたぶんそれがマジックマスター憑きだ、今のうち始末しないと厄介な敵になるぞ」
「は、了解しました」
今回もターゲットの名前を聞かずに命令を出している。捕まった時の保険のためだ。捕まっても標的の名前さえ知らないというための保険だ。
次の月曜日学校は騒然となっていた。
レベル0からいきなりレベル3になったと思われて(本当はレベルいくつなんだろう俺)話題の中心になっていた、
給料はいくらくらいなのかとかボーナスはいくらもらえるのかとかみんなに質問攻めにあった。
「あーもう、俺も知らないんだってば、そのへんは妹の未亜と同じくらいだろうけど未亜も幾らもらっているかも教えてくれないから知らないんだよ」
給料もらったら絶対におごれよといい、ホームルームの時間になり授業が始まる。
担任の藤井清先生が魔術実習室に行くように純夏と共に追い出された。
すると、斉藤魔術師主任が、手ぐすね引いて待っていた。
「さて、海斗君レベル3になったんだってね、まずはおめでとう、まあこっちに来なさい」
魔術実習室の裏へ連れて行かれた。そこは岩がごろごろ転がっている場所だった。
「それじゃあまずはレベル3に成った事だし、ストーンゴーレムでも作ってもらおうか」
と宣う。
「あのー、今日の授業はこれですか?」
「実習で使う的用のストーンゴーレム作りだ、今までは未亜君しか作れなかったからな私はレベル2だからウッドゴーレムまでしか作れないからね、原井君は魔術図書館でゴーレムの書なんか見たかい?」
「本は色々見ましたからゴーレムも何種類か作れますよ、どんなのがいいんですか?」
一応確認してみる。斉藤魔術師主任は。
「一般生徒用にマッドゴーレムかクレイゴーレムだな、あとは魔法実習の為の的用ストーンゴーレムだな」
「アレンジしてもいいですか?」
「おう、どんなアレンジが出来るかは知らんが、大歓迎だぞ、」
じゃあ遠慮なくやるか。
『マッドゴーレム』『クレイゴーレム』『ストーンゴーレム×3』(重装型)『ストーンゴーレム×3』(速度型)
マッドにクレイ、ストーンゴーレムは重装型、速度型それぞれ3体作ってみた
「こんな物でどうでしょう?」
「すごいねぇ海斗君こんな物も作れるんだ。お、こっちの奴は硬そうだな。もう一方は高速型か?国立魔術図書館にはこんなアレンジもあるのか」
「色々ありましたね、エネルギーボルトのアレンジだけでも軽く1000位あったんじゃないかな?」
「そんなにあるのか?私も国立魔術図書館に行ってみたいな」
「でも、出るときにギアスを掛けられますよ」
「それは嫌だなぁ、さて、純夏君、このゴーレム相手に模擬戦でもしたもらおうか」
「はい、海斗このゴーレムの弱点ってある」
「硬い方はエネルギーボルトで削るしかないな、早い方はスネアが効くよ」
「じゃあ、早いほうでお願いします」
「身構えると自動で敵認定されるからね、きおつけて、よし起動」
ゴロゴロドシャ、と起動して純夏に向かっていくストーンゴーレム。
「『スネア』『エネルギーボルト』」
立て続けに魔法を放つ純夏、しかし『スネア』の掛かりが悪くいまいち『エネルギーボルト』が効いていない。
「『ライトニングジャベリン』」
お、大技を使って短期決戦を狙うか。思考が単純なストーンゴーレムには効くだろう。その後、『ファイアーアロー』でとどめを刺した。魔力消費を考えたお手本のような戦い方だった。