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マジックマスター(仮)  作者: 自爆志願者
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第十五話 テロ屋に狙われていた





 初老な人物がイライラと靴音を鳴らしながら部屋に入ってきた、。

「何か動きがあったのか」

 すると黒服の男が報告を始める。


「三神明人が動いています。大和台高校の生徒を国立魔術書図書館に招待しました」

ふむふむ、と頷いて。


「では、その者のことを奴らに情報提供(リーク)しろ」


「え、宜しいのですか、足がつく可能性もありますが・・・」


「構いません、いざとなったら上から切り崩します」


「は、了解しました」


 相も変わらず登下校時(とうげこうじ)には『プロテクト』が欠かせない日々が続いていた、土曜日の早朝、三神さんからスマホに電話が架かってきた。


「明日の日曜は暇かね」

三神さんは唐突にに切り出した。


「暇ですが何かあるんですか?」


「明日あたり誰かを誘ってデートでもしてくれないかな」


「…例のテロの話ですか?居場所が分かったんですか」


「居場所はわからないが次の標的(ターゲツト)が分かった…君だよ」

 ついに来たか、(おとり)を引き受けはした物の、自分が狙われているという事に実感はまだない。


「わかりました、妹未亜でも誘って明日出かけます」

「いや、妹さんはやめておいたほうがいいレベルの高い子がいたら警戒されるかもしれない」


「はあ、それじゃ(ともえ)純夏(すみか)にでも頼みますか」


「それがいいだろうな、それとくれぐれも君が狙われていることを知らせないように」


「どうしてですか、もしかしたら標的を変えて狙われるかもしれないのに」


「知らせたら警戒するだろう?それはよくない」


「それじゃあんまりじゃないですか!何の心構えもなしで戦場に放り込むようなまねをするんですか」

「仕方ないだろう、君たちはちゃんと守るよ、それが我々の仕事だ」


 朝学校で浮かない顔をしながら純夏を特別教室の渡り廊下に呼び出すと。

「なあ純夏明日の日曜暇あるか?」


「え、デートのお誘い?」

 笑いながら聞いてくると。


「まあ、その通りなんけど、突然ですまん、明日つきあってくれ」


 顔を真っ赤にして。

「は、はいよろしくお願いします」


 との返事。純夏ってもしかしたらおれに気があるんじゃ…

「ちゃうねん最近はテロのこともあって日曜日は家にこもっててん、久しぶりに外へお出かけすんのが楽しみやってん」


 あー、素の純夏さん初めて見るけど関西弁になるんだ。

「わかった、じゃあ明日の午前10時に駅前で待ち合わせな」


「うんわかった」

(うわーどうしょうデートに誘われちゃった明日何を着ていこうかな、まだ夏には早いからタンクトップはだめだし春らしいワンピースも遅すぎだよね。うーん着ていく服がないよ、後で買いに行こう、そうしよう)


 その日一日中純夏はぼーとしていた。


 次の日9時30分に駅に着いたらすでに純夏が着いていた服装にも力が入っている。淡い色のAラインワンピースにベルト付きパンプスだ


「おはよう早いね、待った?」

「う、ううん今着いた所」

(本当は30分前に着いていたけどね)


「じゃあ隣町のショッピングモールにでも行こうか

 三神さんの要請で襟元に無線のマイクとスピーカーを仕込んだまま電車に乗る。


 ショッピングモールに着くとあちこち二人で回った、軍資金も三神さんからの援助による物だ大盤振る舞いで純夏にいろいろおごる、どうせ俺の金じゃないし。

 その後、映画を見たりまたショッピングしたりして過ごした、そして。


『そろそろ公園にでも行ってくれるかね』、

 と無線が入った。


やはり相手も魔術師だとしたらプロテクトに気づかないはずはないなと考え俺はプロテクトを解除した。


 公園でボーと話をしながら『センスマジック』に意識を集中させると300メートルくらい南の鉄塔に魔術の反応が生まれた。最初は三神さんかと思ったがどうも動きが怪しい、

魔法の種類は『エンチャントウエポン』だ。どうやら囮の役は果たせそうだ。

『プロテクト』と唱えると同時に衝撃が来た。

 発砲音はそのあとだ。


「きゃ、何今の」

 純夏が驚いていると、距離は遠いが魔術の倍がけで何とかなりそうだ。


「『スリープクラウド×6』純夏はここで待ってて」

 上手く行ったかはわからないが、とりあえず純夏と荷物を置き去りにして『レビテーション』で駆けつけると三神さんが先に到着していた。


「よう、お手柄だな今日のヒーロー」

 つり目でえらの張った男を取り押さえつつ三神さんは言った。男のそばには旧粗ソ連製のドラグノフスナイパーライフルが転がっている。


「守るって言っても発砲されていたじゃないですか、もう少し『プロテクト』の呪文が遅かったら頭ぶち抜かれて死んでいましたよ、俺」


 試しに、「『ギアス』(逃げるなおとなしくしろ)」

を掛けると上手くいったようだ。

「『センスマジック』で見つけたのはいいが一階下で狙ってきたんだ、『テレポート』は一度きた場所にしか飛べないからね、一瞬焦ったよでも君にはサラ様が付いているからね何とかなる。何とかなったじゃないか!」


 何時になく(じよう)(ぜつ)にしゃべりまくる三神さん、テレポートと言うことはレベル7以上か。

よっぽど焦っていたんだろうな。今なら聞けるかも、前々から聞こうとしてはその視線にたじろいで聞けなかったことを。


「三神さん、宮内庁内閣情報調査室の人でしょ」

「よく分かったな、あ」

 言ってしまったと言う顔で。


「ほかの物には内密にな、

君にはギアスも効かんことだしな、それに彼女を待たせてはいかんのじゃないかね」

 と話ている最中にも内調の人たちが集まってきた。

「今度のことは初めから最後まで聞かせてもらえますか?」


「うむ、君には大変世話(たいへんせわ)になったことだしな、特別に後日話してあげよう」


「じゃあ純夏を待たせているんで行きますね」

 再びレビテーション公園の噴水の横で純夏はうろうろとしていた。そこにレビテーションで帰って行く俺。


「いやー悪かったちょっと暴漢を見つけた物だからつい…」

「ちょっと何で海斗がレビテーションが使えるのよ?海斗レベル1のはずじゃないのそれともレベルさば読んでいたわけ」

 あー、しまったレベルのことを忘れていた。失敗したなーもう。なんて言い訳をしようか、相当頭に来ているみたいだし。


「いやーすまん。実は俺レベル3なんだ図書館で違うとこに行ったろ、つまりそういうわけだから、うん」

「確かに図書館では、はあ…か……いたたた。頭が痛い」

「具体的なことを言おうとすると頭が痛くなるよギアスは」

「わかった、もう言わない。でも何で隠していたのか教えて」


 さて困った。国家秘密のことだしな、これはギアスにでも架かっていることにしようか。


「それは言えない俺もギアスに架かっているからしゃべりたくてもしゃべられないんだ」


 ふーと、ため息をついて

「海斗君嘘付くのが下手だね、あんまり嘘付かない方がいいよ、すぐ顔に出るんだから」


 え、顔に出てた。と言うかどこら辺が嘘って思っているんだろう。さらに君付けに戻っているし。あわあわしていると。


「嘘だよ、私海斗のこと信じてる」

 にっこりと花のような笑顔で言った。その後は気が抜けてショッピングモールに戻りいろんな物を買いあさった。帰り際に食事をおごりその日はお開きとなった。


「じゃあねまた明日、今日はいろいろ買ってくれてありがとう」

「また明日」






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