第十四話 魔術実習
次の日は魔術実習から始まった。オークゴーレム三体相手に戦闘訓練だ。純夏が『ファイヤーボルト×3』を掛けるとオークゴーレムは一斉にゴウゴウと燃え尽きた。
斉藤先生もこれには驚き。
「すごいな巴さん、これも図書館で勉強したのかね、どんなアレンジをしたらここまで上手くいくんだい?」
「先生も知っているでしょう?ギアスで喋れないんですよ、それにアレンジの内容を聞くのは失礼ですよ」
「それもそうだ、じゃ原井このオークゴーレムにエネルギーボルトを掛けてみろ」
と言って三体のオークゴーレムを作り出した。
「はいやってみます『エネルギーボルト×3』」
ピカと光ったと思ったら壁にやけこげを付けてゴーレム達は吹き飛んだ。
「これもすごいなどうやったらこれ程短期間に魔力を上げられるんだ?これも図書館効果か?」
それもちょっと違う、このところ毎晩サラと話し合っているからだ。何でも波長を合わせるのには話し合いが一番だそうで、毎晩サラに今日起こったことその時に何を思ったかを延々と説明させられている。その成果が魔術に現れているのだろう。先生には。
「まあ、そうでしょうね」
と答えておいた。
昼休みにはまた魔術師達の指定席(学食で一番眺めが良い)に集まり先輩達と井上に謝った。
「すいませんが図書館行きはすぐにっていうのは無理だそうです。すいません」
﨑山先輩が、そんなことだろうと思ったよ、と言いそうな顔でむっつりしていた。
ほかの先輩達もあきらめ顔だ。が井上だけは違った
「そんなのずるいぜ、何でお前達だけ特別扱いなんだよ」
それもそうだな大学院(それも国防の)でさえ入るのに面倒な手続きを踏まないと入れないのが国立魔術書図書館だ、一高校生がひょいひょい入れるはずがないのだ。原因はどう考えても俺だろう、すると未亜が。
「行ったもん勝ちじゃん」
とお気楽に言うと、純夏が。
「原因は海斗にあるにしても行ったもん勝ち…かな」
井上公佑は
「すっげー魔術が上達していたって聞いたぞどんなアレンジか聞かせてほしいくらいだぜ」
「だからギアスでそれもできないんだって、それにアレンジを人に聞くのはマナー違反よ」
「コクコクコクコク」
と清美先輩も同意してくれる。
「今度行くことになったら真っ先に俺を呼べよな」
崎山先輩。井上も田島先輩も渡辺先輩もうんうんと頷いている。