第十三話 国立魔術図書館3
次の日、いつもより一本早い電車に乗って学校に行くと、すでにリムジンは来ていたが今日行くメンバーはまだ誰も来ていなかった。しばらく待っていると高橋生徒会長がやってきた、純夏も一緒だ。靜流もしばらく待ったがやってきた。
「これでそろったなじゃ出発しようか」
と三神さんがショーファーに合図を出すとドアを開けてくれた。そしてリムジンにみんなで乗り込むとすぐに出発だ。みんなどんな本があるのかどういうアレンジがあるのかと聞きたがったが図書館に着いてから話すと言ってなだめた。
「じゃあまた入館証をもらってくるよ」
三神さんが入っていくのを見送りその間ボディーチェックを受けていた。
「はいこれ入館証、入れる場所が限られているから気をつけて」
と純夏と靜流には緑色のカードを高橋には青色のカードを、そして俺にはまた黒いカードを渡してきた。セキュリティーゲートをくぐる、午前中は純夏、靜流についていってレベル1のアレンジ書を紹介して、さっさっと自分の調べ物を始めた。高橋は即レベル2の図書室にむかった一昨日は使えそうな呪文ばかり探していたが、今日は応用編の呪文を探していた。いろいろあり過ぎて絞り込むのに時間は掛かったが、まあ満足のいく結果だ。
昼食の時にお互い情報交換をして、
特に高橋に読むべきレベル1の本を教え本人は。
「レベル2だけでも手一杯だ」
とか言っていたが。午後も勉強だ、文字どおり読む本は山積みだ。中に一冊おもしろい本があった。あらゆる魔術のレベルのキワードと呪文の効果だけと言うシンプルな内容だ。必死に覚えるその一冊を読み終えると時間が来たようだ。みんなで正面玄関に集まるとまた文部科学大臣が。
「はいみなさんこちらにあつまって『ギアス』(ここで聞いたことみたことは記録したり口外してはならない)」
を掛けた。また俺には掛からなかったようだ。そのまま食事に行くこととなり今度は料亭の和食だ。
「本日はご招待ありがとうございました」
生徒会長の高橋が言うと。俺たちもそれぞれお礼を言った。
「それでまた招待してくれるんでしょうか」
おそるおそる聞いてみた。
「んー、君たちが来るときは貸し切りだから、もうすぐって言うのは無理だろうね」
そういえば前回も今回もほかに誰も居なかったな、貸し切りだったのか。
「私たちそんな特別待遇だったの?」
純夏がびっくりしていると。
「普通の魔術師でも滅多に立ち入れない所なんだ。学生なんか許可が下りるわけないよ」
高橋会長がうんうんと頷きながら言う。
「じゃあ﨑山さんと﨑山先輩渡辺先輩と田島先輩と井上先輩には悪いことしちゃったなぁ」
靜流が言うと純夏が。
「でも高校戦に向けて戦力アップにはなったから良いんじゃない」