~え、あの子の推し俺じゃん!~
人生は、いつどこで何が起きるかわからない。
よくテレビとか、学校の先生から聞くやつだ。
確かにそれはそうだ、人間誰も未来を見ることができない。
でも、毎日変わらない日々を過ごすやつだっている。と思ってた。
「すいませんっ!!」
(イタ...結構派手にぶつかったな)
「あの..大丈夫ですか? 立てますか?」
「はい! ありがとうございます! それでは!」
そう言って、少女は足早に走って行った。
(驚いた...)
ぶつかった女子がかわいかったから? ー違う(かわいかったけど)
実は昔あったことある幼馴染? ー違う(そもそも幼馴染はいない)
そうじゃない。ぶつかった時にたまたま見えたスマホのロック画面。
(あれ...おれだったよな。)
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「では!今日もありがとうございました!」
元気よくパソコンの画面に向かって話した。
「また明日も普段通り夜の22時から! 明日から夏休み終わって学校ですけどいつも通り配信しますね!」
(今日も楽しかったな)
そう思ってパソコンの電源を落として、今の時刻を確認する。
「そろそろ寝ないとな。」
時計の針は深夜1時を回っていた。
スマホで明日のタイマーを朝7時に設定して、少しだけエゴサする。
(うわぁ、、やっぱりファンもいるけどたまに見えるアンチ効くなあー。)
そんなことをして、気づけば深夜の2時に時計の針が近づきそうなことにきづいて画面を閉じて寝る。
こんなことを毎日繰り返してる。
俺ーー坂本 大翔 (さかもと ひろと) は普通の高校二年生だ。
結局遅刻しなかったな。よしよし。
始業式に向かって遅刻しなかったことに安堵する。
朝、目覚ましを無意識のうちに消して、起きた時には7時20分だったが人は本気を出せば何でもできるものだ。
無事。夏休み明けの始業式に間に合った。
「はい。じゃあお前ら久しぶりに朝のHR始めるぞー」
担任の先生がチャイムと同時に教室に入ってきて、学校が始まったなと実感する。
「じゃあ次は体育館で始業式だからなー。シューズ持っていけよー。」
担任の先生がそういうと、皆がぞろぞろと動き出す。
クラスの皆は友達たちと夏休みなにしてた? とか。
今日この後カラオケ行こうぜとか。
うわ!体育館シューズ忘れたわ! とか。
様々なことを友人たちと談笑して笑いながら体育館へ行く。
そんな人たちを横目に俺は体育館シューズをもって最後に教室を一人で出た。
俺は、クラスでは世間一般的に言うボッチであった。
別にいい。現実に居場所なんて求めてない。現実の人間関係にはもうこりごりだ。
(この花、もう俺しか世話してないな。)
俺と同じでもうクラスで誰からも触れられないような花に、親近感を覚えた。
最初はみんなきれいとか言ってたのに、どんなものでも3日たてばただの景色だな。
なんてことを思いながら、俺も体育館に向かったのだった。
3限目の始業式後の長めのLHRも終わって、みんなが帰る準備をしながらざわざわとしてるなか、俺はとある場所に向かっていた。
(うわ、、また本の場所めちゃくちゃだ。)
ここの図書委員はいつ仕事をしているのだろうか。
なんてことを考えながら、本の順番を直して、読みたい本を手に取り読書する。
俺は学校の図書館が好きでよく来ている。
俺は本が好きだ。
一人のかいた文字が沢山の人を感動させる。たまに、誰かの人生を動かすことだってできる。
(あ、、読みすぎた、、もうこんな時間か)
気が付けば時計の針はもうすでに夕方の18時頃を指していた。
読んでいた本をもとの場所に直して、帰る準備をする。
(あの子珍しくこの時間までいるな。)
ふと周りをみると、いつもこの時間にはすでに帰っている女の子がそこにいた。
(絵になるなあ。)
そんなことを夕日の射す図書館で、本を読んでる彼女にそんなことを思った。
彼女ーー白鳥 雪野 (しらとり ゆきの)は学校一の美少女で有名だ。
そんな彼女を横目に図書館を出た。
今日は帰って何をしようか、そんなことを考えながら校門の前に着いた時。
(あれ、スマホ...ない)
いつも左ポケットに入ってるスマホがなくて、少し焦ってはいたが、
図書館の机の上に置いたままのことを思い出し、すぐ取りに向かう。
今思えば、この時スマホを忘れてなかったら、俺の人生は何も変化がなかったのだろう。
急いで図書館の階にいくために階段の場所まで走った。
「「イタッ」」
もう校舎に人も少ないだろと思って、思いっきりダッシュしていたせいで派手にぶつかってしまった。
「すいませんっ!!」
「あの..大丈夫ですか? 立てますか?」
「はい! ありがとうございます! それでは!」
そう言って、すぐに去る白鳥を見て僕は驚いた。
(今のスマホロック画面...あれ、俺だったよな)
人間、驚きすぎたら、思考が停止するとは聞いたことはあるが、まさかの展開だ。
見間違いじゃないだろうか、そう何度も疑ってしまう。
でも、確実にあれは、俺の、正式には俺のもう一つの顔の
配信者 ひろさか の画像だった
帰り道、いつもなら寄ろうか迷うコンビニも、たまに会える猫がいないか探すこともなく。
気づけば、家に帰って、自室に入っていた。
別に人気がないわけじゃない、中学生の頃から毎日コツコツ配信をしてきて、それなりに人は集まっていた。
考えたことがないわけではない、もし俺の通ってる学校にファンがいたら、もし知り合いが俺のことを推していたら。
でも、現実で、実際にこの目で見ると、不思議な感じがしてしまう。
初めてのことに戸惑い、普段通りの配信ができるかどうかの不安に襲われ、僕ははじめて仮病で配信を休んだ。
「明日からは気持ち切り替えないとな...。」
そんなことを考えながら布団にうずくまった。
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私ー白鳥 雪野 にはたった一人の推しがいる。
「えー。今日配信休みなのか。ひろさかさんの配信生きがいなのに...。」
私の人生での唯一の趣味と言っても過言ではない、ひろさかさんの配信が休みらしい。
結構ショックだ。
彼は私が中学三年生の頃に出会った配信者だ。
それまで人の配信なんて覗いたことがないのに、なぜか見ようと思ってクリックしてのだ。
そしたらびっくり、私にドストレートな声でとってもたのしそうに配信している。
一発で虜になった。
後で知ったが、彼は私と同い年らしい。本当にすごい。
「彼と同じ学校だったらな...」
そんな叶わないもうそうをしてしまうくらい、私は彼という配信者に惚れこんでいる。
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じんせいではじめて自分の小説を投稿しました。
昔から小説家に少しあこがれていたので、いつか書いてみたいなという気持ちから書きはじめました。
これから定期的に出していくので、よかったら楽しみにまっていてください!