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モフモフの魔導師  作者: 鶴源
659/715

659 触りたがる白猫と4姉妹

 フクーベの街。


 サマラが声をかけて集まり、緊急4姉妹会議が行われることになった。持ち寄ったり仲良く作った料理を並べてグラスを交わす4人。



「皆、集まってくれてありがと」

「緊急召集は久しぶりですね」

「楽しく話して飲みましょ~!」

「兄ちゃんがまたなにかやらかしましたか」


 とりあえず乾杯してグッと一杯飲み干す。


「飛ばしすぎじゃないですか?」


 ウイカが心配してくれる。


「大丈夫!このくらいしないと酔いそうにないから!」

「早速ですけど、ウォルトさんとなにかありましたか?」

「うん。皆に聞いてほしくて」


 ウォルトとのやりとりを説明する。添い寝騒動が勃発してしまった。


「…ってことがあってね。別人みたいに堂々としてるもんだから驚いちゃってさ」


 まさか堂々と触る宣言されると思ってなかった。そして、いざってときに怖じ気づいた自分に腹が立ってる。


 ……ん?皆の顔が赤いけど…?


「…あっ!もしかして、皆も言われたの?!」


 私達は大体似たような反応をするから、考えてることはほぼバレる。


「実は…言われました」

「私もです!びっくりしました!」

「サマラさんと同じで断ったんですよ」


 まさか全員に同じことを言ってるなんてね…。困った白猫だ。


「私が最後ってことか」

「単に会った順だと思います。私は1週間前です」

「私も同じ日です!でもお姉ちゃんとは別々に言われました!」

「私は筋肉女性の集いがあった日だから…4日前ですね」


 チャチャのおかしな発言は一旦スルーするとして…。


「そうなると、言い出した可能性は1つしかないかなぁ」

「なんですか?」

「私達の覚悟を試そうとしてたりして。恋人になってくれるかの確認」

「その割にはいつも通りすぎる気がしました。緊張感がなかったです」

「「触るよ」って言ったときの顔は、普通中の普通でしたね!なにか裏がありそうです!」

「そう思ったから一旦断りました。兄ちゃんがいやらしい顔してなかったので」


 チャチャはエッチな意味ならオッケーしたってことだ。手強い!


「ウォルトが急にムラムラした可能性は?」

「「「ないですね」」」

「ベッドで愛を囁くつもりだったとか?」

「「「ないですね」」」

「だよね~!」


 全員わかってる~。


「じゃあ、考えてみよう」

「サマラさんでもわからないんですか?」

「訊こうと思ってました!」

「久々に兄ちゃんの謎行動です」


 少しずつ紐解いてみる。


「まず、ウォルトは口説いたりしない。好きだと思ったら、まどろっこしい真似をせずにズバッと言うはず。ムードとか一切気にしない」

「触ることだけハッキリ言いましたね。断っても平然としてて、表情では心が読めなかったです」

「そこも気になる。好意があるなら落ち込んでる。繊細で打たれ弱いから」

「実は器用な指使いを見せつけたかったとか!」

「器用なのは間違いないけど、自慢はしない。それがウォルト」

「妙に堂々としてたんですけど、『頑固』の効果じゃないと思います。添い寝に完全に耐性が着いた可能性も」

「慣れてきてる。でも、自分から言い出すほどじゃないかな。なにか他の理由があるとみたよ」


 いつものごとく、ああじゃないこうじゃないと盛り上がる。4姉妹の飲み会が1番楽しいなぁ。

 

「私は触ってもらえばよかったと後悔してます!こんなにモヤモヤせず、理由も1発でわかったはずだし!」


 アニカの言う通り。


「今思うと、胸とかお尻を触るなんて言ってないから勘違いの可能性大なんだよね」

「そうなんです!『いろんなところ』を触るって言っただけで、そこが鍵になってる気がして!」


 いろんなところってどこだろ?しかも添い寝までして…。


「やっぱり本人に訊くしかないかぁ~」

「今から行ってみます?」

「いや、ウイカ。今から行ったら「酔ってるのに危ないだろう」って言われるよ」

「確かに。久しぶりに叱られるのもありですけど」

「ウイカって、自ら叱られにいくタイプ?」

「兄ちゃんには叱られても嫌な気持ちになりませんよね」

「うん。まさにチャチャが言うお兄ちゃんって感じだもん」

「そうかなぁ~?私は言い返したくなるけどね~。とりあえず明日の夜とかどう?予定空いてる?」

「「「空けます」」」


 ということで、明日の夜……突撃じゃ!




 

 次の日の夜。


「「「「ただいま!」」」」

「おかえり」

「ニャ~」

 

 4人で突撃したらウォルトと子猫達が出迎えてくれた。代わる代わるウォルトとハグして4人でそれぞれ子猫を愛でる。


「シャノは?」

「居間で寝てるよ。子育てで疲れてるね」


 シャノは床で丸まって寝てた。頑張る母猫の休息だ。事前に連絡してたから、もう食卓に料理が並んでる。早速頂こう!


「ウォルトは食べないの?」

「いろいろ試作して、味見でお腹いっぱいになったんだ。お茶だけ飲むよ」


 久々に『お茶うみゃ~』とか言いそうな顔してる。ご機嫌なのか丸顔に見えるね。


「ねぇ、ウォルト。今日は皆で泊まるつもりなんだけど、こないだ断った添い寝する?」

「いいの?」


 やっぱり平然としてるなぁ。


「いいよ。ちなみに、なにか目的があるよね?皆にも言ったんでしょ?」

「目的は内緒なんだけど、触らせてもらいたい」


 めっちゃ変態っぽいぞ…。


「それってさ、添い寝する必要ある?」

「寝てもらった方がわかりやすいから」


 ん~?どゆこと?


「ウォルトさん。4人一緒でもいいんですか?」

「別に構わないよ」

「私とお姉ちゃんが別々に頼まれたのはなんでですか?」

「可能なら1人ずつの方がいいんだ。でも、ウイカとアニカは一緒でいいかもしれない」


 ウイカとアニカは一緒でもいい…?姉妹はよくて、私やチャチャはダメってこと?いまいちピンとこないけど、やっぱりいやらしい理由じゃなさそう。


「兄ちゃんの言ういろいろなところって、どこを触るの?」

「身体中だよ。上から下まで」


 聞けば聞くほどいやらしく感じる…。誤解を招く言い方なんだろうけど。…えぇい!ハッキリさせようか!


「じゃあ、すぐ添い寝しよう!」

「えぇ?!まだお風呂にも入ってないけど、いいの?」

「入る必要ある感じ?」

「ないけど、さっぱりしなくて大丈夫?ボクは気にしないからいいけどね」


 む~…。『いいのかニャ?』って顔してる。臭いと思われたくないけど、早く理由を知りたくもある。どうするべきか迷うね。


「サマラさん。私は入りたいです」

「いつも通りでいきましょう!」

「ベッドも汚れますし」

「そうだね。そうしようか」


 きっと大した理由じゃないってわかってる。ただ、ウォルトの思考が読めないことが嫌なんだ。

 


 お腹を落ち着けてからそれぞれ湯浴みして、揃って寝間着に着替えた。貫頭衣から太腿を覗かせたり、胸元もチラ見せする。よろけたフリして胸を押しつけたりもしちゃうよね。お風呂上がりの匂い攻撃も食らわせよう。


「ちょっと!皆、近すぎないかっ?!」

「そんなことないでしょ」

「いつもの距離感ですよ」

「もっと胸を見ていいです!」

「このくらいでなに言ってんだか」


 軽く全員でドキドキ作戦を決行したら、赤くなってめっちゃ動揺してる。いつも通りの反応。


「今から触ろうっていうのにおかしくない?」

「話が別だよ」

「同じだと思うけど」

「いやらしい意味で触ってしまいそうだ」

「私達は別にいいけどね。とにかく寝ようか!」


 いつものようにベッドをくっつけて準備完了。


「どんな並びで寝ればいい?」

「とりあえず、4人並んで横になってくれないか?」


 言われた通り横になる。


「コレでいい?」

「いいよ。じゃあ、おやすみ」

「え?」


 ウォルトはニャッ!と可愛く笑った。



 



 目を覚ますと、窓の外はすっかり朝。いつの間にか寝ちゃってた…。横ではウイカとアニカ、チャチャも寝息を立ててる。ウォルトの姿は…ないね。

 皆を起こさないよう静かに部屋を出てウォルトを探す。いい匂いが漂ってるから台所…と思ったけどいない。魔導コンロに載せた鍋でスープを煮込んだままどこかへ行ってる。

 

 着替えて外に出ると、私には理解できない魔法の修練ってヤツをやってた。炎を出したり氷を出したり朝から忙しい。魔法を知らなくてもなんか凄いことだけわかる。


「ウォルト、おはよ~」

「おはよう。早起きだね」

「そう?でも、いつもよりぐっすり寝た感じがするよ。爽快な気分」

「そろそろ起こそうと思ってたんだ。ご飯にする?」

「食べたい。皆を起こしてくるよ」


 部屋に戻って皆を起こす。


「うぅ~~ん!…ふぅ」

「よく寝たぁ~!身体が軽いです!」

「深く眠れた感じがしてます」


 スッキリ目覚めた3人も着替えて居間に移動。ウォルトを見つけて直ぐにおはようのハグしてる。


 ふむ………しまったぁ~!完全に忘れてたぁ~!悔しいぃ~!まぁ、済んだことは仕方ない…。気を取り直そう。


 朝ごはんは必ずウォルトも一緒に食べる。既に食べ終わってることも多い昼や夜と違って、朝はお互い食べてないから。1日の始まりに元気をくれるご飯は最高に美味しい。


「ねぇ、ウォルト。昨夜私達に触ったの?」

「寝てる間に触らせてもらったよ。でも、変なことはしてないから信じてほしい」

「疑ってないし。もしかしなくても魔法で眠らせたでしょ?」

「うん」


 気絶したみたいに眠ったからさすがに気付く。完全に油断してた。


「今さら理由は訊かないけど、なんか眠そうじゃん」

「わかる?」

「わかるよ」


 何年見てきたと思ってんの。


「ちょっと夜更かしして作ったんだ」

「なにを?」

「皆に使ってほしい寝具を」

「寝具ってなに?」

「薄いマットをベッドに敷いてたんだけど、気付かなかった?」

「気付かなかった」

「私は気付いてました」

「私もです!適度に柔らかい感じの!」

「ちょっとウニウニしてたヤツでしょ?」

「皆の身体に合わせて作ってみたんだ」

「なんで作ってくれたの?」


『いい質問だニャ』って顔してる。


「祝ってもらった誕生日のお返しがまだできてないから。とりあえず第一弾として快眠できる枕とマットを作った。住み家ではしっかり眠って疲れを癒してほしくて」


 そういえば、まとめてお返ししてって言っただけで、いつにするか決めてなかった。


「私達が寝てる間になにしたの?」

「寝てる姿を観察して、寝返りの癖とか体重がかかって負担になりそうな部分を確認して、魔法で調整したんだ。スライムを素材にした液体が入ってて、身体を柔らかく包んでくれる」

「触る必要なくない?」

「抱えたり、わざと態勢を変えたりした。手だけとか足だけとか。どう動くか、どんな体勢になるか知りたくて」

「なるほどねぇ~」


 わかってた。わかってたけど、やっぱり色気のない話だった!4人同時にエッチなことをしてくるとは思わなかったけどね。


「ボクがいつも先に寝る。だから新鮮だったし、皆の寝姿を見て興奮したよ」

「マジで?!」

「本当ですか?!」

「やっぱり♪」

「そうなの?!」


 いきなり意外なこと言う!


「何回も頬を叩いて気合を入れた。そうしないと欲望で触れてしまいそうだったから」


 お茶をすすりながら顔が丸くなってる。初めて見る顔。もうちょっと突っ込んで訊いてみよう。


「なんで寝姿に興奮するかわかる~?」

「わかってる。ボクは皆のことが好きなんだ」

 

 まぁた軽く言って……あれ?いつもと表情が違う…。


「友達としてってことでしょ?」

「違うよ。ボクは異性として皆が好きだ」


 突然の告白に4人揃って固まる。異性として…。ウォルトの口から初めてハッキリ聞いた。いきなりで、しかもさらっと言ったね…。


「この気持ちに気付いたのは、サマラのおかげでもあるんだ」

「私の?」

「ボクは小さい頃サマラが好きだった。いろいろあって…そんな感情を完全に忘れてしまってたけど、思い起こせば皆に対する感情はあの頃と同じ」


 堂々としてる割に、顔には『恥ずかしいニャ…』って書いてる。平静を装ってるね。


「皆が他の男といるのが嫌だったり、わがままな自分に気付いたのは最近なんだ。早く言わなきゃと思ってた」


 真っ直ぐに私達を見る。


「正直に伝えたけど、これからも普通に接してもらえるかな?感情をできるだけ表に出さないようにするし、嫌なときは教えてほしい」


 ……こんニャろ~。鈍いのも大概にしなさいよっ!


「おもいっきりズレてるよっ!」

「なに考えてるんですかっ?!」

「もっともっとください!足りてないんです!」

「兄ちゃん!いい加減にしなよ!」

「えぇっ?!」


 総攻撃開始。そりゃそうでしょうよ。この期に及んで嫌とか言うか!意味わかんない!


「『ニャ、ニャにが?!』じゃないよ、まったく!私達のこと女として好きなんだよね?!」

「う、うん」

「私達もウォルトのこと好きだよ!」

「ありがとう」


 『それは嬉しいニャ』って思ってるんだろうけど、この場面で顔が丸くなるのが腹立つ!


「ウォルトさん。勘違いしてますよ。いいですか?よ~く聞いて下さい」

「ちゃんと理解できるように優しく言ってあげますから!」

「兄ちゃん!耳立てて聞いてよ!」

「わかった」


 ピンと耳が立った。

 

「私達にはそれぞれ好きな人がいて、実は…同じ人なんです」

「えぇっ?!」

「だから仲良し4姉妹なんですよ!仲良くなったきっかけもその人だから!」

「そうだったんだね」

「ちなみに、兄ちゃんも知ってる人だよ」


 真面目に考えてる。


「ウォルト、誰か知りたい?」

「知りたいような、知りたくないような…」

「関係なく言っちゃうけどね。今さら言わないとか無理だし」

「そうか」

「私達4姉妹が好きな人はね………」


 ビシッと4人同時にウォルトを指差す。


「ウォルトだよ!」

「ウォルトさんです!」

「ウォルトさんなんでぇ~す!」

「…ウォルトだぁ!」

 

 チャチャは言い慣れてないもんね。よく頑張った。言われた本人はというと、キョトンとしてる。耳がクイクイ動いて忙しい。


「ボク…?」

「イエス!」

「皆は、ボクのことが好きってこと…?」

「そうですよ。間違いなく」

「男として…?」

「と~ぜんでっす!人としても男としても♪じゃなきゃ誘惑しませんって!」

「だって…ボクだよ?」

「兄ちゃんが好きだって言ってんの!しつこいなぁ!」


 …あっ。意識がどっかいっちゃった。


「しょうがない白猫だ。普通予想できるでしょうに」


 こうなったら帰ってくるまで長い。空想の世界に旅立った白猫はほっといて、4姉妹の会話を楽しもう。


「4人に告白するっていう荒技を繰り出すとは思ってなかったな~」

「でも、多才なウォルトさんらしいですね。好きなモノも人も1つに絞らない。正直な気持ちだと思います」

「予想できました!しかも、まだ恋人になりたいとかいう段階じゃないですね~!」

「むしろ勝負はココからだと思ってます」

「だよね~。今の口振りだと、やっと自分の気持ちに気付いたってとこでしょ。まだまだこれからだね」

「それでもかなり大きな前進です。…ふふっ。顔が緩んじゃいます」

「好きって言われたのは嬉しいよね!チャチャのウォルト呼び可愛かったぁ~!」

「茶化さないでください!相当恥ずかしいんですから!」


 さて、いつこっちの世界に帰ってくるのかな?さすがに仕事に行かなきゃなんだけど。


「お~い!ウォルト~!」


 ぺちぺちと頬を叩いてみる。


「……はっ!」

「おかえり。とりあえず帰らなきゃいけないから、コレだけ言っとくね」

「…なに?」

「これからは、それぞれがもっとアピールするからね!覚悟しといてよ!」

「ダメだ!やめてくれ!」

「なんでよ!?」

「気持ちを伝えたかっただけなんだ。皆と恋人にはなれないけど…」

「なんで…?」

「ボクは敵が多くて恨みも山ほどかってる。争いに巻き込んだりするかもしれないんだ」

「どうでもいい!とりあえず遠慮しないからね!」

「わかってくれって!危ない目に遭うかもしれないんだぞ!?」

「うるさいなぁっ!わかんないよっ!」


 声を張り上げると、ウォルトがビクッと引いた。


「今となにか違いある?!誰か襲ってきてら、友達でも恋人でも一緒じゃん!」

「それはそうだけど…」

「どれだけ待ってたと思ってんの?!ウイカもアニカもチャチャもそうだよっ!ウォルトは女が苦手だから、嫌われないように少しずつ距離を縮める努力して…やっと好きになってくれたんじゃん!もっと望んじゃ悪いのっ?!」

「うっ…」

「言っとくけど、そんな理由で私達は怯まないからね!い~だっ!」

「サマラさん。また今度ゆっくり話しましょう」


 ウイカに宥められて心を落ち着ける。ウォルトは黙って碧い目を向けてくるだけ。


「ウォルトさん!また来ますね!」

「一度、腹を割って皆で話そうよ。兄ちゃんもまだ言いたいことあるよね?」


 ウォルトはコクリと頷いた。

 


 

 フクーベへの帰り道でちょっと反省する。


「言いすぎたかなぁ…。私の勝手だよね」

「よかったと思います。ウォルトさんは思い込みが激しいところがあるから、ハッキリ言ったほうがわかってくれます」

「大体、敵が多いのもわかってるんですよ!だって、あの性格で世渡り上手だったら奇跡!」

「今さらですよね。きちんと説明してあげましょう。手間がかかる男だから」


 …ふふっ。


「あはははっ!」

「なにがおかしいんですか?サマラさん」

「いやね、ウォルトに好かれてるとわかった途端に私達強気だと思って!」

「確かに。心が軽くなった気がしてます」

「今までやっぱり不安もあったけど、これからはガンガンいきますよ~!蒔いた種を花開かせてみせるぞ~!」

「負けませんよ。やる気出まくってます」


 ウォルトは噓を吐かない。だから、私達を好きなのは本当で、争いに巻き込みたくないのも本当の気持ちだろうね。だからって関係ない。敵が多いのも想定内。ここまできて「それじゃ無理」なんて言わないっての!全部ひっくるめて好きなんだから。


 たとえ巻き込まれても後悔しないし、とんでもない魔法使いのウォルトと一緒にいて、平穏に生きていけるなんて思ってないんだよ。私達の覚悟を舐めてもらっちゃ困る!

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