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モフモフの魔導師  作者: 鶴源
383/706

383 遅れて渡す贈り物

 魔法の修練を終えると、いい時間になったので昼ご飯にすることにした。


 頑張って働いてくれたリスティアのために腕を振るおうと思っていたけど…。


「料理を教えてほしいの!」


 まさかの料理を作りたい宣言。断る理由はない。


「いいよ。なにか作りたい料理があるの?」

「ない!ウォルトが作ろうとしてた料理を一緒に作りたい!」

「じゃあ、そうしようか」 


 仲良く調理することに。


「料理を作るの生まれて初めて!」

「誰にでも初めてはあるよ」


 王女が調理する機会なんてないはず。教える方も『怪我でもされたら…』と気が気じゃないだろう。でも、ボクはリスティアの意思を尊重したい。


「ウォルトは何歳で料理を始めたの?」

「5歳だよ」

「はやっ!」

「料理を覚えないと命の危機があったんだ」

「言ってる意味がわからないけど凄いね!」

「そんなことないよ。とりあえず始めようか」


 リスティアは背が低いから、流し台の高さに合うように『強化盾』の足場を作って乗ってもらう。


「魔法は便利!」

「コレも修練になるしね」


 まずは食材を洗うところから。土をしっかり落としてもらう。


「洗い終わった!いよいよ…切るよ!」

「こんな感じで食材を切ってくれる?」


 一通りやってみせると、見ながら「ふんふん」と頷いてる。


「わかった!やってみる!」

「包丁の扱いには気を付けて」

「任せて!」


 慣れない手つきで、ゆっくり食材を切ったり刻んでいく。猫の手も教えたりして注意していても…。


「いたっ!」


 やっぱり野菜の皮むきは難しい。親指の腹を傷付けてしまった。小さく血が滲む。


『治癒』

「ありがと!もう痛くない!」

「どういたしまして」


 怯むことなくリスティアは料理を続ける。表情は真剣そのもの。野菜や肉を少しずつ切り分けていく。


「お、王女様…。大丈夫でございますか…?」

「ヒヒ~ン…」

「大丈夫だよ!ありがと!」


 ダナンさんとカリーは、リスティアを心配そうに見つめてる。気持ちはわかるけど…。


「ダナンさん、カリー。できれば、居間で待っていて下さい」

「なぜですかな?」

「ヒン!」

「単純に台所が狭いので」


 住み家の台所は狭い。余裕を持つには3人が限界だけど、カリーもいてぎゅうぎゅうだ。食材を取りに動くのも容易じゃない。

 それに、リスティアは少なからず緊張してる。あまり『見てるよ』感を出すとやりづらい。こちらの様子を伺いながら2人は居間へと向かった。心配な気持ちは理解できるけど、今はやらせてあげたい。


 火傷や切り傷の怪我を恐れて調理はできない。「殴られずに強くなれ」と言ってるようなモノ。リスティアも承知の上で調理してるから真剣なんだ。失敗は経験になる。

 ボクは黙ってフォローするだけ。怪我して覚えることもあるし、どんな傷でもボクが綺麗に治してみせる。


「食材を切るのって難しいねえ~」

「でも、こなすたびに上手くなってる。慣れてきた頃が危ないから慌てずに落ち着いてやろう」

「わかった!」


 見てて思ったけどリスティアは器用だ。コツを掴むのが早い。でも、刃物を使うときは気を抜くと高確率で怪我する。忠告だけはしておかないと。たっぷり30分かけて食材を切り終えた。


「どうかな?時間かかっちゃったけど」

「時間は気にしなくていい。いい感じに切れてるよ。次は炒めていこう」

「わかった!」


 ボクが調理するときは、加減が容易な『炎』の魔法を使って焼いたり炒めるけど、今日は一般的に使われる魔石コンロを使って調理しよう。単に『炎』の魔石を燃えない箱に入れているだけの単純な魔道具。

 

「鉄鍋、重いぃ~!」

「できるだけ手で振らずに、固定したままかき混ぜるて調理するといいよ。無理して振ると手首を痛めるからね」

「炒めるだけにね!」

「……」

「なんとか言ってよ!」

「面白いかもしれない」

「面白いに、かもとかないでしょ!」


 ジャッ!ジャッ!と万遍なく炒めていく。今日の昼ご飯は、大陸料理で野菜と肉の炒めモノ。餡をかけてとろみを付けると美味しい。それと、暇をみて作っている自家製のパンを合わせて出してみるつもり。


「料理も楽しいけど大変だなぁ。料理人にはいつも感謝してるけど、実際にやってみると余計に感謝しかないね。農作業も実際にやってみて苦労がわかった」

「料理人はプロだから、美味しそうに食べてもらう方が嬉しいかもしれない」

「ウォルトもそっち?」

「ボクは完全にそう。好きで作ってるから感謝は一切いらない。美味しそうに食べてもらえたら最高だね」


 炒めながら味付けしていく。基本的な調味料を加える順序だけ教えて、リスティアの好みで味付けしてみることに。


「う~ん…。少し足りないかなぁ?」

「かなりいい感じになったような…」

「夜明けは近いかも!」


 独り言のようにコメントしながら、少しずつ調味料を加えて味を整えてる。過程を見ているだけで味が予想できるけど美味しく仕上がってると思う。

 ずっと見ていなくても大丈夫と判断して、ボクは途中から甘味を作ることにした。タルトが美味しかったと言ってたから、旬の果物で作ろう。


「よぉし、できたぁ!完成!」

「お疲れ様。甘味もできたよ。皆で食べよう」

「うん!楽しみ!」


 居間に運んで皆で頂く。ダナンさんには酒を、カリーには美味しい湧き水を用意した。


「頂きます!……うん!ウォルト、どう?」

「美味しいよ。ボクが初めて作ったときより遙かに美味しい。リスティアは味覚がしっかりしてるね」


 ボクが作ったのはカーユだけど。


「やった!ウォルト、あ~んしてくれる?」

「いいよ。どうぞ」


 リスティアの口に、そっと料理を運ぶ。パクッと魚みたいに食いつく姿が可愛い。


「ん~!我ながらよくできた!」

「そうだね。味付けが抜群だと思う」

「初めての共同作業は楽しかったね!」

「ほぼリスティアが作ったけど」

「そうだけど!ウォルトの料理の弟子認定された?」

「リスティアは弟子じゃないよ。親友だから弟子にはなれない」

「なんか…子供扱いしてない?」

「してるよ。ボクからすれば子供だからね」


 どこからどう見ても子供だ。ただ、王女様であるというだけ。


「むきぃ~!なんか悔しい~!」

「でも、今のリスティアだから楽に接することができる気がする」

「どういう意味?」

「今でも片鱗があるけど、リスティアは大人になったらきっと美人になる。ドキドキして話せないかもしれない」

「むっふぅ~!そうだといいけど!」

「よくないよ。ほら。食べながら喋るから、ポロポロこぼしてるよ」

「むぅ…。しまらない…。けど今はよしとする!」


 タルトも美味しそうに食べてくれる。天真爛漫な表情もリスティアの魅力だ。


 まだそのままでいい。黙っていても大きくなるんだから。実際、出会った頃より成長してる。背も伸びてるし顔立ちも少しだけ大人びた。確実に…大人に近付いてる。


「どうしたの?寂しそうな顔して」

「いや…。リスティアが大人になって、カネルラからいなくなると寂しくなると思って」


 王族の女性は友好国に嫁いだりすることが多いのは知ってる。リスティアだって例外じゃないはず。


 もしかすると、会うのは今日が最後であってもおかしくない。…とはいえ、いい歳の獣人にこんなこと言われても困るよなぁ…。どっちが子供なんだか。


「むっふぅ~!そっか♪それならいい!」

「なにが?」

「たんと寂しがるといいよ!」

「親友は厳しいなぁ」


 食事を終えると、後片付けまで手伝ってくれる。ゆっくりしててよかったのに「やりたかったからね!」と笑った。


「普段やらせてもらえないことって、やりたくなるよね。後片付けもそう」

「まぁやらせてくれないだろうね」

「頼んでも、1回もやらせてくれたことないんだよ」

「使用人からすればとんでもない話だから、仕方ないんじゃないかな」

「言ってることはわかる。でもね、働く人達の苦労を経験しないと心から感謝できないよ!そういう輩が偉そうにふんぞり返るんだから!」

「それはそうかもしれない」

「だから、今やらせてもらってる。お父様達は過保護すぎるの。普通、頼んだらやらせるよね?」

「それはどうかな?」


 過保護とはちょっと違うような気もするけど、理由としては幾分かはありそう。


「ウォルトが私の夫になるとして、余りに常識知らずな妻は嫌でしょ?」

「そうだね」

「なんでも知識だけじゃなくてやってみなくちゃわからない。でも、城に居るとできないことばかり。できれば週に一度は城を出たいんだけど」

「さすがに無理だろうね」

「魔法でなんとかならないかな?」

「今のボクには無理かな」

「そっか。できるようになったらお願いね!」


 今でも『隠蔽』で連れ出すことはできるかもしれないけど、それは違う気がする。この先、修練を続けたらなんとかなるかな?


「その時は一緒に外出しようか」

「ホントに?!約束だよ!」

「約束するよ。魔法でできるようになればの話だけど。怒られる時は一緒に怒られよう」

「やったね!」


 ただ、ボクは牢屋行きの可能性大。端から見ると完全に王女誘拐だ。


「ウォルト」

「ん?」

「バレなきゃいいの!私とウォルトならできるよ!」


 心を見透かしてるなぁ。


「そうかな。難しそうだけど」

「幾多の困難を乗り越えて王女と獣人のお忍びデート…。いいね…」

「よくないよ。バレたらボクは島流しにされてもおかしくないんだ」

「その時は一緒に流されてあげるよ!」


 後片付けを終えて、次はなにがしたいかリスティアに訊いてみる。


「今日は元々なにするつもりだったの?」

「昼からは魔道具を作るつもりだったんだ」

「魔道具作り!見たい!」

「見ても面白くないよ。時間がもったいないから他のことをやったほうが…」

「いいの!今日はウォルトの日常生活が見たいの!」


 リスティアは嘘を吐いてない。だったら、そうしてあげたいけど……よし。


「じゃあ、リスティアにあげるモノを今から作ろうか。遅くなったけど誕生日プレゼントに」

「えぇ!?いいの?!」

「もちろん。でも、職人じゃないから大したモノは作れないよ。ガッカリするかも」

「なんでも嬉しい!できれば身に着けられるモノがいいな♪」

「わかった」


 調合室に3人を案内して、作業机の上に材料を揃える。最近は修練を兼ねてダンジョンで素材を集めたり、森で採れる素材をコツコツ収集してる。ドワーフの師匠達からも端材を分けてもらってる。

 メリルさんも何度か訪ねてくれていて、いつも助言してくれる。ボクの作る激辛料理が癖になっているらしくて嬉しいやら心配やら。


「初めて入ったけど、この部屋…凄いね…。薬と素材の山だ。綺麗な生地も沢山ある」

「あれ?前に来たとき調合室には入らなかったっけ?」

「入ってないよ。薬を作ってるのはアイリスから聞いてたけど。ウォルトってホントになんでもできるんだね」

「モノづくりが趣味なだけだよ。欲しいモノがあったら遠慮せず持って帰っていいよ……そうだ。忘れる前にダナンさんに渡したいモノがあります」

「なんですかな?」


 作ったばかりのまだ試作品だけど…。


「闘気の回復薬を作ってみました」

「な、な、なんですとっ!?」

「ヒ、ヒヒン?!」


 飲み薬の瓶を手渡す。


「まだ試作品なんですが、魔法闘気では回復効果が確認できました。テラさんの修行に役立てばと思って」


 なぜかリスティアも目を丸くしてる。


「ダナン…。コレって凄いことだよね…?」

「はい…。にわかに信じられません…。過去にあらゆる薬師に依頼して、誰1人成功しなかったのです…。現代でも変わりないと聞いております」

「まだ成功とは言い切れません。ただ、飲んでも絶対に害はないので安心して下さい。効果が確認できたら改良していきたいと思います」

「一体、どうやって…」

「詳しくは言えないんですが、少し特別な育て方をした素材を回復効果が得られるよう調合しています」


 大まかな作り方は暗部の秘薬と同様で、『成長促進』のように闘気を与えながら栽培した素材を元に調合する。だから、ダナンさんといえど教えるのは気が引ける。秘薬についてどこまで教えていいのかボクには線引きができない。

 特に『闘気』と相性のいい植物を選定するのが難しかった。『気』と同じで吸収率が高い植物でないと充分な効果を得られない。

 そこでハピー達に相談したら、蟲人全員が快く協力してくれて議論しながら闘気の吸収に最適な素材を幾つも割り出してくれた。

 植物に関して凄い知識と感覚を持つ友人の協力を得て素材の栽培に成功した。彼らがいなかったら絶対完成してない。


 あとは、付与の方法を変えたり理想の配合で調合するのがボクの仕事で凄く楽しかった。もちろん、腕を振るってお礼の宴会を開いたのは言うまでもない。使用上の注意事項だけ説明して…と。


「それでは始めていきます」


 椅子に座って、何事もなかったように作業を始める。リスティアとダナンさんには、椅子を準備して両隣に座ってもらう。カリーは隙間から首を出して覗く体勢。

 まずは『輝石』と呼ばれる魔石の中でも最高級の素材を削り出す。魔法で繊細にカットして加工された宝石のように形作る。ブリオレットカットと呼ばれる技法を模してみた。


 時間をかけながら、集中して失敗しないよう丁寧に作業を続ける。


「驚きしかないね…」

「職人の仕事ですな…」

「ヒヒン…」


 直ぐ隣にいるダナンさんや、リスティアの声も耳には入らない。ミスリルの端切れを魔法で加工して作った金具を輝石に取り付けて細い銀のチェーンを通す。


「リスティア、ちょっといい?」

「なに?」


 リスティアの首回りに当てて、チェーンの長さを調整する。


首飾り(ネックレス)を作ってくれるの?」

「そうだよ」


 長さを決めて着脱する金具を取り付けたらチェーンは完成。ここからは輝石に魔法を付与していく。まず、魔力インクをふんだんに塗った魔力紙に『念写』で魔法陣を描く。


「今のなに?!」

「頭に思い描いた魔法陣を『念写』で魔力紙に焼き付けたんだ。魔力インクが魔力を保持してくれる」

「魔法とは…凄まじいですな…」

「今から細かい部分を修正するよ」


『念写』ではまだ図が粗いままなので、筆とインクを使って魔法陣を修正する。こういう細かい作業が、仕上がりに大きく影響するので気は抜けない。

 いきなり魔法陣を付与するやり方もあるけど、失敗したとき取り返しがつかない。魔道具作りは後戻りできないところが難点だ。気が遠くなるような作業を黙々とこなす。

 

「多分聞こえてないけど、ウォルトは凄いよ…。どこが粗いのかも私にはわからない。まるで写真みたいだけど」

「私は…感心を通り越して最早呆れております」


 作業に没頭していたけれど、顔を上げて一息つく。


「ふぅ…」

「終わったの?少し休んでね。無理して今日作らなくていいから」

「付与する魔法陣はあと2つある。続けていくよ」

「「えぇっ!?」」

「ボクは直接渡したいんだ。次に会えるのはいつになるかわからない」

「…ありがとう」

「もう少し待っててくれる?」

「うん!」


 残りの魔法陣も同様に焼き付けて、休まず修正を始めた。リスティアさんとダナンさん、そしてカリーは静かに見守ってくれる。さらに時間は経過して…。


「ふぅ~!終わったよ」

「お疲れ様!」

「お疲れ様でした」

「ヒヒ~ン!」

「ありがとう、カリー」


 カリーの頬擦りで癒される。退屈だったろうに付き合ってくれた皆に感謝だ。


「その魔法陣をどうするの?」

「この輝石に付与するんだ。こんな感じで」


 手を翳すと3種の魔法陣がふわっと紙から離れて浮かぶ。1つずつ順番に輝石に付与すると、吸収されるように消滅した。


「わぁ!この色って…」

「リスティアの瞳の色と同じ碧にしてみた。ボクも同じだから」


 透明だった輝石は鮮やかな碧に輝く。コレも魔法陣の効力。リスティアの瞳の色により近付けられたと思う。


「すっごく嬉しい!」

「完成したよ。改めて誕生日おめでとう」

「ありがとう。ウォルトが着けてくれる?」

「いいよ」


 くるっと後ろを向いたリスティアの首にそっと着けてあげる。


「『堅牢』とかで絶対ちぎれないようにできないかな?」

「できるけど、切れないと引っ張られたとき危ない。変に引っ掛けると首が切断される可能性もある」

「じゃあ、もし切れたらウォルトにまた作ってもらうね!」

「チェーンは魔道具じゃないけど、いつでも作るよ。生きていれば何度でもあげられる」


 ボクに向き直ってリスティアは花が咲くように笑った。


「似合ってる?」

「よく似合ってるよ」

「コレ、魔道具なんだよね?どんな効果があるの?」

「チェーンと繫がってる金具の部分をつまんで、『精霊の加護』の力を流してみて」

「こうかな………わぁ~!!」


 部屋が『幻視』の星空に早変わり。


「星空を持って帰りたいって言ってたから、実際に持って帰ってもらおうと思って。『精霊の加護』の力にしか反応しないから、この世で1つだけだよ」

「最高すぎる!!」

「この住み家から見える夜空なんだ。だから、離れていてもボクらは同じ星空が見れる」


 首に抱きついて、ギュッと抱きしめられた。


「…ありがとう。ずっと大事にするからね…」


 ボクもそっとハグをする。


「そうしてくれると嬉しいよ。付与した魔法陣の術式を変えれば違う『幻視』にもできるよ。どうする?」

「コレがいい!」

「そっか」


 急ごしらえでも、これ以上ないくらい気持ちは込めた。大したモノはあげられないけど、少しでも楽しんでくれたらいいな。


「この魔法って、ずっと見れるの?」

「『精霊の加護』の力を使うと、付与した魔法陣の形成魔力を補充できるようにしてる。定期的に少し流してくれたら輝石が壊れない限り永遠に見れるよ。もし切れたら、ダナンさんに預けて持ってきてもらえば付与し直す」

「わかった!急に消したいときは?」

「付与した力を吸いだせばいいから、『吸収』の魔石をあげようか。それか『精霊の加護』の力で握っても隠せるよ」

「…ホントだ!こっそり楽しめる!」

「力を流した量で投影できる時間は変わる。使いながら直ぐ慣れると思う」

「ウォルトは天才だね!」

「凡人中の凡人だよ」

「きぃ~!全っ然わかってない!」

「自分が1番わかってるよ」


 下らない会話を交わしながら、しばらく抱擁していた。機嫌がよさそうな匂いをさせるリスティアはずっと笑顔で、作った甲斐があったと自己満足できた。

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