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モフモフの魔導師  作者: 鶴源
374/706

374 皆で高みを目指して

「ウォルト!」

「遊びに来たぞ!」

「いてて…」


 地面に倒され、友達にのしかかられながらウォルトが微笑む。


「ちょっと会わない間にまた逞しくなったね」

「そうか!よく修行して、よく食べて、よく寝てるからだ!」

「褒めていいぞ!」

「さすが銀狼だ。久しぶりだね。ペニー、シーダ」

「「久しぶり!」」

 

 倒れたまま頭を撫でてあげると、2人は目を細めて尻尾を振る。久しぶりに遊びに来てくれて嬉しい。会うのは何ヶ月ぶりかな。

 成長著しいペニー達を遂に受け止めきれなくなった。もう『身体強化』では全力疾走の2人を止められない。手足を伸ばした体長は既にボクより大きい。


 体躯はもうギレンさんやサヴァンさんにもひけをとらない。このまま成長するととんでもないことになりそうだけど、銀狼はこのくらいまでしか成長しないのかな?


 起き上がって笑いかける。


「ペニーとシーダに言っておきたいことがあるんだ」

「なんだ?」

「褒めるのか?」

「今日はチャチャが遊びに来る日だと思うけど、全力で飛びついたら怒られるよ」

「「えぇ~!ダメなのか?」」


 不満そうな2人に教えておこう。


「チャチャも嬉しいと思うしダメじゃないけど、ゆっくり飛びつかないと前みたいに叱られるよ」

「確かに…。チャチャは怒ると里の伝説『山間の鬼山姥』みたいになる。油断できない」

「『闇夜の羅刹婆』になる可能性もあるぞ!」

「なくはないな!」

「あると思うぞ!」


 楽しそうだけど、チャチャが聞いたら激怒するだろうな。どっちも知らない伝説だから推測になるけど、おそらく『とても怖い女性』という意味で言っている。



「聞いてるよぉ…」



 突然チャチャの声がして、ボクらは揃ってビクッ!とした。声のした方に顔を向けると、家の角からチャチャが顔だけ出してニヤリと笑っている。目には光がない…。


 接近されてることにまったく気付かなかった。決して油断じゃない。チャチャが暗殺者ならボクは死んでた。


「兄ちゃんを驚かそうと思って、わざわざ風上に回り込んで音を立てないように来たのに…面白そうな話が聞こえたけど…?」


 姿を見せてペタリ…と近付いてくる。


「チャ、チャチャ!久しぶりだなっ!元気だったか?!俺は元気だ!」

「お、俺達は大きくなったぞ!ほ、褒めてもいいぞっ!」

「ふぅ~ん…」


 ペタリ…と更に近寄る。


「俺はなにも言ってない!全部シーダが言ったんだ!」

「嘘つくな!チャチャ!ペニーが悪いんだぞ!」


 チャチャの静かな迫力に焦る銀狼達。なんと言われようとチャチャは反応せず歩みを止めない。仲よく並んでお座り状態のペニーとシーダの前に立って見下ろす。ゴゴゴゴ……と纏う雰囲気が2人を震え上がらせる。


 チャチャはゆっくりしゃがんで、2人の間に顔を入れると首を抱きしめた。


「久しぶりだね。会いたかったよ」

「お、俺達もだ…」

「あ、会えて嬉しいぞ…」


 ペニー達がほっと胸をなで下ろしたのも束の間…。


「「な、なんだ?!」」


 チャチャは、ガシッ!と首を下から腕に挟んで立ち上がる。ペニー達は後ろ足だけで立ったような形で前足が着いてない。


「兄ちゃん…玄関のドアを開けてくれる…?」

「いいけど、どうするの?」

「会えたのは嬉しいけど…私を山姥やどこかの婆扱いしたのは話が別だからね…」

 

 黒い目をしたまま2人を引きずって住み家に向かう。重いだろうに凄い力だ。チャチャは狩りの合間に鍛練しているらしくて、かなり力が強くなっている。

 以前から「もっと力をつけたい」と言っていた。サマラの闘いを見ていると格好よくて力強さに憧れると。ばあちゃんにも影響されてるみたいだ。


「「ウォルト~!助けてくれ~!」」

「う~ん…。…無理かな」

「「そんなぁ~!」」


 住み家に入ってペニー達が叱られている間に、花茶と冷たい水を準備する。チャチャは軽めの説教で切り上げてくれた。なんだかんだ仲がいい。


「水が冷たくて美味い!」

「ウォルトが出してくれるモノは全部美味いぞ!」

「大袈裟だよ。ただの水だからね」


 床に置かれた容器からガブガブ水を飲む。里からかなり遠い道程を駆けてきたら喉も渇く。


「ふぅ。花茶は落ち着くよ」

「それよりチャチャは凄かった。人の気配を察知するのには自信があったけど全く感じなかった」

「「俺達もだぞ!」」

「森の中を迂回してきて、兄ちゃん達が話してる隙を見て家に近付いたからね。タイミングがよかっただけだよ」


 それでも気配を消すのが相当上手いと思う。やっぱり優秀な狩人だ。暗部に向いてるかも。


「ウォルト!腹が減った!昼飯は?」

「俺もだ!でも…今回は早く来ることに全力だったから獲物がないぞ…」

「そうだった…。ごめん…」

「大丈夫だよ。前にチャチャがくれた肉がまだ残ってる。今から焼こうか」

「「やった!」」

「私は手伝うよ。ペニーとシーダはどんなのが食べたいとかある?」

「「いつもの肉がいい!」」


 出来上がった肉の香味焼きを皆で頂く。チャチャには栄養を考えて生野菜も添える。


「相変わらず美味い!もう死んでもいい!」

「俺達は、コレを食べるために生きてるようなもんだぞ!」

「なんで香辛料だけなのに、こんなに美味しいの?異常だよ」

「皆は大袈裟だなぁ」


 ペニーとシーダが熱い肉を食べる姿に癒される。前足を器用に使って食べて、骨付きが好きそうだからいつもそうしてる。


「美味かった!」

「美味かったな!ちょっと寝てもいいか?!」

「ゆっくり寝ていいよ」


 言い終えるや否や、身体を丸めて床で眠る。遠いところから来てくれた2人に労いの『精霊の加護』をかけてから後片付けに向かう。その後、チャチャと更地で修練することに。


「ホントにそれでいいの?」

「お願い」


 今日は珍しく弓ではなくて組手で手合わせしたいと言うのでとりあえずやってみることに。


「でやぁ!」

「はぁっ!」


 正直驚いた。チャチャは弓だけじゃなくて素手でも充分強い。それに、ばあちゃんとの相撲を見たときにも思ったけど、やっぱり賢くて頭の回転が速い。

 サマラのような驚異的な身体能力はないけど、動きを見越して矢を射るのを得意としているからか、ボクの動きを予測して躱したり打撃を繰り出してくる。


「はぁ…はぁ…。兄ちゃんはさすがだね!」

「そんなことない。チャチャは相当強いよ」


 受け止めたり躱せているのは、日頃のオーレン達との修練のおかげ。その他にも、過去にリオンさんやマードック、シノさんとも素手で闘った経験があるからで、手合わせに生きていて少し余裕がある。


「まだまだだよ。打倒サマラさんだから」

「サマラは喜ぶと思うよ」


 きっと「いつでもかかってきなさい!」と笑うだろう。チャチャに限った話ではなく、サマラに組手で勝つのはかなり厳しい。ボクは実際に手合わせして負けたから強さを知ってる。

 現時点では、サマラより戦闘センスが優れた獣人を知らない。才能だけならマードックやリオンさんより上だと思う。魔法の天才達と似た空気を感じる。

 でも勝つのは不可能じゃない。チャチャの武器を磨けば勝てる可能性は充分ある。打倒する目標とされるのも妹と呼ぶほど仲のいいチャチャなら大歓迎だろう。


 気になったところを話し合いながら、チャチャが疲れても魔法で回復させつつ修練を続けていると、起きたペニーとシーダが疾走してきた。賢い2人は玄関のドアを開けるのもお手のもの。


「よく寝たぁ~!俺達も手合わせする!」

「勝負だ!今日は負けないぞ!」

「ふふっ。兄ちゃん、今日はここまでにしよう」

「そうだね。ペニー達と手合わせしよう」


 今回も4人で代わる代わる手合わせする。負けはしなかったけど、ペニーとシーダの成長は目覚ましい。


「うぅ~!やっぱりウォルトは強い!チャチャも強くなってる!」

「狼吼も簡単に躱されるぞ!」

「2人もかなり強くなってる。でも、狼吼は躱しやすいんだ」

「「どういうことだ?」」


 並んで座ったまま首を傾げる。


「ペニー達は狼吼を使う前に身体が輝くからわかりやすい」

「なるほど。そうだよな」

「でも、仕方ないことだぞ。力を溜めなきゃいけない」


 魔力を高めるのと同様の行為だと思うけど、銀狼は手合わせなんてすることはない。獣や魔物相手に隠す必要なんてないから不要な技術。


「手合わせでは使うことがバレてしまうと躱されてしまうんだ」

「私にも見えてるよ」

「なんとかバレないようにウォルトならできないか?」

「俺も知りたいぞ!教えてくれ!」



 ★



 いくらウォルトでも無理だろうとチャチャは思った。


 詳しいことは知らないけど、狼吼が魔法と違うことくらい私にもわかる。


「難しいかもしれないけど、やってみせようか」

「えっ?」


 思わず変な声が出た。やってみせるって…どういうこと?


「ボクをよく見てて」

「「わかった!」」


 兄ちゃんは目を閉じて精神を集中する。そして…。


「えぇぇっ!?」

「「おぉ~!」」


 パカッと口を開いて小さな炎を吐いた。


「炎の狼吼だっ!俺達と同じだ!」

「びっくりだぞ!仲間だっ!」


 ペニーとシーダは嬉しそうに飛び跳ね、私は驚きで声も出せず固まってしまう。


「隠すのはこんな感じだね」

「確かに光らなかった!すっげぇ~!」

「今のはどうやるんだ!?教えてほしいぞ!」

「コツがあるんだ。教えるよ」


 楽しそうに話してるけど…ホントに信じられないことをやってのける。まさか口から火を吹くなんて…。銀猫になる気?


「銀狼じゃないのによく狼吼を使えるようになったな!」

「友達だから俺は嬉しいぞ!」

「ペニーもシーダも人が操る魔法を覚えようと頑張ってる。だから、負けないように狼吼を覚えようと思ったんだ。全く同じじゃないと思うけど」

「「さすがウォルトだ!」」


 嬉しそうにモフりモフられてるけど信じられない。そもそも銀狼と人族に同じことができると思わなかった。魔法や狼吼はそれぞれの種族固有の能力で多種族は操れないと思ってた。


 でも、兄ちゃんやペニー達にはそんな感覚がない。種族の垣根なんて簡単に越えてくる。本当の意味で友達。



 ★



 ウォルトは狼吼の発動が上手くいってよかったと胸をなで下ろす。


 前に『隠蔽』を教えたとき、2人の身体を通して狼吼の発動について探っていた。発動するときの体内における力の流れや会話の内容を覚えて、ペニーがシーダに説明した内容から推測しながら時間をかけて発動方法を探り当てた。

 原動力は未だに不明。今は魔力で模倣しているけど原理は狼吼とほぼ同様のはず。だから手順を踏まずに口から発動できている。成功したときは嬉しかった。銀狼という存在を理解できた気がして。


「俺は姿をまだ消せないけど、かなり上手くなったと思う」

「俺もだぞ!見てくれ!」


 2人は同時に『隠蔽』で姿を消した。半透明でまだ見えてるけど、かなり上達してる。ずっと努力を欠かしてないんだ。


「かなり上達してるな」

「約束も守ってる。誰にも見つからないように、こっそりシーダと修行してるんだ」

「どっちが先に覚えるか勝負してるんだぞ!」

「努力が現れてるよ。ボクは君達を尊敬する」

「そうか!」

「褒められると嬉しいぞ!」


 その後、狼吼の隠し方を修練してコツを覚えた頃にシーダが笑う。


「チャチャ!ダイホウに連れて行ってくれ!皆に会いたいぞ!」

「俺も会いたい!」

「いいよ。カズ達やルリがいるといいけど」

「まだ時間が早いし、住み家に連れてきて遊ぼうか。その方が気兼ねしないんじゃないかな」


 周囲に気を配りながら遊ぶより、ココで駆け回った方が気持ちいいと思う。


「私はいいよ」

「「晩飯を皆で食おう!」」

「いい提案だね」


 善は急げとダイホウに出発する。成長を見せたいのか、ペニーとシーダが背中に乗せたがったので、ボクはペニーにチャチャはシーダの背中に跨がる。


「ウォルト。俺に乗ってみてどうだ?」

「かなり逞しくなってる。身体がガッチリして安定してる」

「それならチャチャも負けてないぞ!」

「どういう意味だい?」

「鍛えてるから前より重くなってるぞ!やったな、チャチャ!…ぐぇっ!」


 チャチャは背中に乗ったまま静かに裸締めを繰り出す。倒れ込んで声も出せず暴れるシーダを失神寸前まで追い込んだ。



 ★



「はやい~!!」

「ぺにーとしーだはすごいね!」

「「そうか!」」


 ダイホウでカズ達とルリを誘ったチャチャは、村の外で待機していたペニー達と再会させた。


 再会して互いに大喜び。ちゃんと外出の許可を貰って、ボクの住み家まではペニーがカズとルリを、シーダがニイヤとサンを背に乗せて駆けている。

 ペニー達は、極力揺らさないよう注意を払って駆けてるけど、万が一子供達が落ちても直ぐ助けられるようボクとチャチャが併走する。


「皆で駆けるのは気持ちいい!」

「ウォルトとチャチャは速いぞ!」


 そんなことを言うけど、やっぱり銀狼は速い。人を乗せて慎重に駆けているのに、立ち並ぶ木をものともせず、縫うように森を駆けるのはさすがとしか言いようがない。


 …ん?この匂いは…。駆けながら声を上げた。


「ペニー!シーダ!前方に魔物がいる!」

「よぉし!」

「俺達に任せろ!」

「ボクがやる!2人は皆を守ってくれ!チャチャは念のため弓の態勢を!」

「「「わかった!」」」


 木を跳び移りながら大型のコングが接近してくる。地に下りたコングは、悠々と進路に立ち塞がりボクらを待ち受ける。筋骨隆々で黒い毛皮に身を包む体躯は、マードックよりも一回り大きい。ボクは一気に加速して魔物に接近する。


「ヴゥ……ウホォッ!」


 凶暴な表情を浮かべて拳を繰り出してきた。潜って躱しながら右の掌をコングの腹筋に添える。


震波(シンハ)


「ヴホォッ!ヴ、ヴゥ…ゥ…」


 懐にいるボクを殴ろうと拳を振り上げたコングは、ぐるん!と目を回してゆっくり崩れ落ちた。その後ピクリとも動かない。


「もう大丈夫だよ」

「す、すっげぇ~!なに今の!?」

「あんなデカい魔物が一撃だ!凄い!」

「つよねこ!」

「ウォルトにいちゃん、すごぉ~い!」


 子供達に褒められて照れくさい。「弟達に魔法は見せないで」とチャチャから釘を刺されているから、自分なりに考案した『気』を操る術で倒した。

『震波』は、添えた手から魔物の体内に『気』を流し込み、内臓や血管を激しく揺らして破壊する。魔力より操作性に優れた『気』だからできる技。数百、数千と細かく震わせ外傷は一切ない。皆にはバレないはずだし、凄惨な現場も見せずに済む。狩りを始めたカズ達は別として、まだ幼いルリは知らなくていい。


 あと、暗部の術っぽい名前を付けてみたけど方向性が違うかな?


「さすがウォルトだ!」

「なにをしたかわからないけど凄いぞ!」

「ホントだよ。兄ちゃん、なにしたの?」


 チャチャに耳打ちする。


「とりあえず内緒かな。魔法じゃないよ」

「だろうね。でも、その方が驚く」


『気』のことは他言無用。見ただけではバレないとは思うけど念のため。ペニー達には、ボクの魔法のことを内緒にするようお願いしてる。

 チャチャの弟である皆にはバレても仕方ないと思うけど、「あとが大変だから教えるなら皆がもっと大きくなってから!」とチャチャにキツく言われてる。確かに「俺も魔法をやりたい!」と言われたら困る。もっと分別できる年齢になったらいいってことかな。ララちゃんに見せたときも怒ってた。まだ赤ちゃんなのに。


 とにかく『気』なら魔力に見えないし、隠蔽できている自信もある。なにかした?くらいに思ってもらえるはずだ。


「気を取り直して向かおう」

「「そうしよう!」」


 住み家に到着して、子供達が果実水で喉を潤したあとは更地で遊ぶ。駆け回ったり背に乗って対決してる。


「ペニーが炎吐いた!」

「シーダは雷だ!凄い!」

「すごわざ!」

「ふぇんりるはすごいよ~!」

「「そうだろ!まだまだ遊ぶぞ!」」


 遊び疲れたあとは皆で晩ご飯を食べる。遊んでいる間にチャチャがカーシを狩ってきてくれた。夕食には充分で美味しく頂く。


「ぺにー、しーだ、あ~ん」


 ルリは骨付き肉を2人に差し出した。


「ルリ。俺は1人で食える」

「ペニーがいらないなら俺だけもらうぞ!」

「いるに決まってるだろ!食いしん坊め!」

「ふふっ!たくさんあるから、けんかはやめよ~よ!」

「「「あははは!」」」


 楽しい時間はあっという間に過ぎて、森が暗闇に包まれる前に満足してくれた子供達をダイホウまで送る。


「またあそぼうね!」

「「「ペニー!シーダ!またな!」」」

「また遊ぶぞ!」

「約束だ!」

 

 村の外で笑顔で別れる。チャチャは4人を家まで送るので一緒に帰ることになった。姿が見えなくなるまで見送って、ペニーが口を開く。


「今日も楽しかったな!」

「よし!俺達も里に戻るぞ!」

「あれ?今日は泊まらないの?」


 いつもならペニーとシーダは1泊して帰るけど。


「帰って明日から修行する。今日は久しぶりに友達に会いたかっただけなんだ」

「皆に会えて一緒に遊べて嬉しかったぞ。また頑張れる」

「俺達は、もっと修行して最強の銀狼を目指す。バレない狼吼も修行しなきゃな。また手合わせしよう!」

「ウォルトやチャチャに負けてられない!消える修行もやるぞ!」


 身体だけでなく心も着実に成長している。2人ならきっと森の伝説に相応しい銀狼になれる。


「ボクも鍛えておく。また遊びに来てくれると嬉しいよ」

「もちろん!」

「今度は肉を持ってくるぞ!じゃあな!」


 駆け出すとあっという間に見えなくなった。ボクらは友達だけど、切磋琢磨するライバルでもある。負けられない。


「よし」


 ペニーとシーダに刺激されて全力で森を駆けた。

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