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第25話「孤独・涙」

 俺達、離れ離れになっちゃうね。

 でも俺達の心はいつも一緒だよ。

 近くにいなくても、ずっと心で繋がっているから。

 きっとまた会える。

 俺達の気持ちが繋がっていれば…必ず……──


 * * *


 途切れ途切れだけど、サトとの思い出が溢れてくる。

「サトーーー?」

 叫びながらサトを探す。今頃だがサトの家を聞いておけばよかったと思う。

 どこにいるのサト……。

「サト……」

 なぜか涙が出そうになる。寂しい……とてつもない孤独感に襲われる。

 会いたい。早くサトの顔が見たい。そして声が聞きたい。

 そう思いながらクローバー畑に続く道を走り続ける。

 一人は寂しい。怖い……。

「サトぉ……」

 ついに涙がぽろぽろと溢れ出す。

<一人という孤独>

 サトはずっと経験してきたのかと思うと、俺までもが寂しくなってつらくなって……。

 ずっとサトの傍にいたい。

 それは叶わない……今だけは。

 きっと、いつかまたサトに会えるということを早く伝えたい。

 一人じゃないって。俺もいるって。離れていても、心はつながっているからって……。

「サト!!」

 息をあげながら、クローバー畑につく。

「はぁ……はぁ……」

 クローバー畑を大きく見渡し、サトの姿を探す。

 暗いということもあって、周りが見えにくい。サトが返事をしてくれないとわかりそうもない。俺は叫ぶように名前を呼ぶ。

「サトーーーー!!」

「………」

 それでもサトは返事をしてくれない。

 どうすればいいのだろうか?

 サトの家は知らない。サトが好きな場所はここ以外知らない。

 返事をしないのなら、クローバー畑ないを探すだけ。俺はクローバー畑の中で必死にサトを探した。

 今日しか会えない。

 今日俺は帰ってしまうから。ここにいたいけど、今俺がいなきゃいけない場所ではないから。

 必死に探す自分に突然笑いが込み上げてきた。あの時も必死だったと。

 昨日サトと一生懸命、四つ葉のクローバーを探した。しかも二つ見つかって……。


 サト、今何を願っている?

 四つ葉のクローバーを持ったら幸せになった?

 もし今この時サトが幸せなら、俺はサトには会わないから。


 ───何考えているんだろう俺……。

 俺は思いっきり頭を横に振る。

 混乱してるんだろうな。孤独と不安で……。

 サトに会いたい気持ちが、早く会わなければいけないという気持ちが焦るばかりで、自分の考えが纏まらなくなっていたんだ。

 落ちつけ、俺。そう自分に言い聞かせ、大きく深呼吸する。

「いい空気」

 さっきまではそんな風に感じられなかった。

 いつの間にか涙も止まっていた。

 大丈夫。きっとサトに会える……。


 そう思ったときだ。

「カズ?」

 確認するような声で俺の名前を呼んだ。

 誰なんてすぐに分かった。カズと呼ぶ人は一人しかいないから。 

「サト……」

 サトに会っただけで、さっきまでの孤独感が吹っ飛んだ。



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