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第13話「じーちゃんのお墓参り」

「う……ぅん!!はぁ……よく寝たぁ〜」

 俺はグーっと手を伸ばした。朝はこれをしないと起きた気がしない。

「うん?あれ?」

 隣にいるはずのばーちゃんがいない。どこに行ったのだろうか?

 俺は服に着替えて、台所に向かった。

「あっおはよう。和ちゃん」

「おはよう、ばーちゃん」

 ばーちゃんは朝食の準備をしていた。

「起きるの早いね。いつも何時頃起きるの?」

「5時かな?」

「えぇーーーーー!!そんなに早いの??」

「煩いわよっっ。和幸っ」

 誰かが俺の頭を叩いた。後ろを振り向くと、不機嫌そうな母さんがいた。

「母さん…おはよう」

「おはよう、和幸。昨日はよく寝れた?」

「うん。良く寝れた……」

 あれ?そういえば昨日は彼の夢を見なかったなぁ……。だからかな?少しだけどゆったりと寝ることができた。

 あの夢を見ると胸が苦しくなるから、よく寝れたとは思わなかった。ばーちゃんちにきて初めてよく寝れたかもしれない。

 それはきっと、ばーちゃんのおかげだ。

「ばーちゃん!!俺、何か手伝うよ?何すればいい?」

「そこの漬物とって」

「……えぇ?」

 なんとなーく、嫌な感じがする。もしかして、こんな日までも「漬物それ」なのか!?

「漬物、じーちゃんの大好物だからねぇ……」

「そうなんだ……」

 ばーちゃんは今でもじーちゃんのことが好きなんだ。なんかいいなぁ〜そういうの。

 なんというか「愛」って感じ、羨ましい。

「はい。ばーちゃん、漬物」

「ありがとね」

 そんな俺達のやり取りを見ていた母さんの一言。

「いつ、そんなに仲良くなったの?」

 さぁ……いつでしょうね?

 俺とばーちゃんは、持ったえぶった笑みを母さんに見せた。


 * * *


「おーーーい!!お墓参り行くぞーーー!!」

 どこから父さんが叫んでいる。

「はーーーい」

 俺達は玄関の前に集まった。

「漬物は持りましたか?義母さん」

「大丈夫だよ、凌さん」

 ばーちゃんは漬物を抱えて、父さんは水を、母さん花を、そして俺は……?

「俺は何も持たなくていいの?」

「いいよ。それで行きますよ」

 お父さんを先頭に、歩きだした。亀ぐらい遅いんじゃないの?と思うぐらい遅く、ゆっくりとゆっくりと歩く。

 じーちゃんのお墓ってどこにあるんだろう?

 この辺、サトにいろいろ教えてもらって歩きまわったけど、お墓なんてものはなかった。

 人口のものがほとんどなかったのに一体どこにあるのだろう?

 こんなにもゆっくり歩いていたら日は暮れないのかと心配になってきた。

 お父さんは草むらの中を歩いて行く。その場所は昨日、サトと別れた場所であり、出会いの場所でもある。

 この場所の先はクローバー畑でその先は行き止まりだったはず。クローバー畑に行く時の道にはお墓なんてなかった。

 それだったら、じーちゃんのお墓は一体どこに?

 俺は不信感を持ちながら歩いて行った。

 父さんはなぜか右側を向きながら歩いている。母さんとばーちゃんは父さんの背中を見ながら歩いている。

「凌くん。このへん……かしら?」

「多分、この辺だと、思う……」

 多分?

 俺は父さんが言った言葉を疑った。

「父さんそれってどうゆうこと?」

「それが……」

 もしかしてじーちゃんの墓の場所が分からないとか言うんじゃないよね……。

「俺達には、はっきりした義父さんの墓の場所が分からないんだ」

 なぬぅーーーーー!!

 俺は信じがたい目で父さんを見た。じゃあ俺達、一体どこに行こうとしていたんだよ?

「義父さんのお墓は、ある特定の人にしか分からないんだ。多分、昨日和幸がみた祠と同じもののある所が、義父さんの墓だと思うんだけど」

 祠……ってもしかして、サトとみた祠?

 それだったらっっ!!

「蔵で見たのと同じか分からないけど、祠を見たよ。こっちっっ」

 俺達は、祠の方へ向かった。

次話、惺くんのことが少し明らかに!!

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