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掌編小説集10 (451話~最新話)

懐中時計

作者: 蹴沢缶九郎

散歩から帰宅した中年の男は、散歩途中に立ち寄った骨董品店で購入した懐中時計を取り出すと、時計をまじまじと見つめた。

骨董品店の店主は何やら面白い事を言っていた。


「お客さんはお目が高い。信じて頂けるかわかりませんが、あまり大きな声では言えないのですがね、この懐中時計、実は時間を止める事が出来るんです」


もちろん男は店主の話を信じた訳ではない。男に限らず、今どき子供でも信じはしないだろう。

彫り物や装飾などは一切なく、銀色をしたオープンフェイス型のシンプルな懐中時計。今度行きつけのバーに行った時の話のネタにしようと、男は懐中時計を購入したのだった。

懐中時計の短針と長針は現在の時刻を示し、秒針は規則正しい動きで時を刻んでいる。

男は何気なく、ちょうど十二時の真上にある竜頭りゅーずを押してみた。

だが、秒針は止まる事なく動き続けている。


「なんという事だ。何が時間を止める懐中時計だ。時間を止めるどころか秒針が止まらないではないか。あの店主、不良品を掴ませやがって。今度文句を言ってやる」


そう言うと、男は変哲もない懐中時計を机の上に置き、部屋を出ていった。

これは男の知る由もない事だが、懐中時計は実際に十分程時間を止めており、その後、時計は仕掛けによって再び時間を動かしていた。しかし、懐中時計の持ち主の時間も止めてしまうのでは本人が気づくはずもなく…。

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― 新着の感想 ―
[一言] 時間をとめた時、懐中時計も針が止まったのかな?^^;;
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