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003.スペース(3)

 またがないと通れない扉に少し不便さを感じつつも、開いた扉の先へと身を乗り出した。

 普段ならば多少は警戒して進むものだが、今回ばかしは気を緩めても許されると自分に言い聞かした。


「これ、宇宙船か何かだよなぁ……」


 アニメ等で見たことあるような青白い謎の鉄板で構成された直進通路。通路の左右には跨がないと通れない不便な真四角の扉がいくつか存在していた。


 突き当りの先は左右に道が分かれているようだけど、取り合えず手前から一つずつ開けて確認してみるしかないか。そう結論づけると、まずは左手側にある扉に近づく。


 フォン、と心地の良い音と共に開かれた扉の先には、見慣れた椅子が一つだけ設置されていた。

 部屋の壁際に一か所窪みがあり、その隣には棚のような小さな引き戸があった。


 間違いないな、と。俺はこの光景にピンと来ていた。


「トイレだよなぁ、これ……」


 便座の中を覗き込むも、水は張っていないようで宇宙船のトイレってどんな仕組みなんだ? と疑問を抱きつつ意味も無く座ってみる。


「うん、うん」


 意味も無く、海外のゲームをプレイしていた時、おっ! トイレあるじゃ、調べたらやっちゃうのかな? とか興味本位に調べたら、トイレの中に手を伸ばすと『ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ』とかいうSEと共に渇きゲージが満たされた時は思わず硬直してしまった時の記憶が蘇る。


「自由に動けるゲームで良かった」


 もしも調べる動作で自動行動アクションが決まっていた場合、最悪トイレの水を飲むという疑似体験をしなければいけないところだった訳で。


「うしっ、次の部屋の探索だな」


 ダンジョン攻略から、一気に宇宙船探索へと気持ちは切り替わり、テンションは絶賛鰻登り中である。

 トイレ部屋から出ると、次は少し進んだ先にあった左右のうち、再び左手側にある部屋へと足を踏み入れた。

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