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4 『奴の選択の余禄で勝手してくれる』



 何処かの地下室。



『ハロハロ、シロちゃん元気?』


 銀髪紫眼、冬もそれなりに近いその頃、不審者以外ではないシャツにスラックスのみの半透明の青年が、入ってきた。

正確に言えば、いきなり、地下室に直接現れた。


 地下室の主で、シロと呼ばれたのは、幼子。

 色素の薄い金髪に色を誤魔化した水色の瞳の幼子。

 多く見積もっても、十を超えてはいないだろう。

 

 その外見に似合わず、ある程度の事情を知る面子の前では、普通に、イエス=キリストを『ガラリヤのクソガキ』、ソロモンやシバの女王を普通におっさんおばさん扱いするようなそういう『存在』だ。

 下手な吸血鬼よりも長生きをしている。

 少なくとも、肉体を持った上で長生きなのは、このシロを含めて十人どころか片手であまるほどしかいない。


「それなりにね、まぁ、文明の明かりは明る過ぎるねぇ、クルト?」


『でもさ、アイツの選択の結果で出来た余禄で生きてるにしては鬱陶しいよね。』


「……死んだか?」


『うん、文豪と知り合いだったあの術剣士はね、別ルートでも本当、二十歳を肥えることすら難しくなってきてるよね。』


「お前の反動だろう。」


『オレはオレの“生”を生きた、それだけだよ、シロ。』


 いたいけな外見に似合わない老成したため息をシロ少年は洩らすが、クルトといわれた青年は誇らしげに嗤う。


 実際、彼は彼の意図を思うがままに生きて死んだのだ。


「で、猶予期間(モラトリアム)の君が何故?」


『警官からの依頼と同じ情報ちょうだい。

 死んだなら、始末ぐらいはしたい、ラスイルのだし。』


「ふぅん、確かにあの子の先輩から受けてるけどね。

 ジュリがまだ、直接関係していないんじゃないかな。」


『……占者からのタレコミでもあったの?』


「お前の行動。

 良くも悪くも、《歌乙女》の一番は、《片眼王》だけど他の身内の優先順位も高い。

 少なくとも、先にお前が行動を起す理由は、ジュリの為ぐらいだろう、猶予期間(モラトリアム)のクルト?」


『うん、そうだね。

 ラスイルは、あの頃の数少ない生き残りだもの。

 もしも、終わってしまっても死ねないなら、オレならジュリが可愛がってる能力者を殺すように動くだろうし。』


「だろうね。

 でも、なんで改造した本人を止めない?」


『オレは、術剣士が死んで次の幼女が生まれるまで、わずかな自由を得ただけの幽霊だしねぇ?』


「先に言っておく、占者からの情報込みであるなら分かっているだろうな?」


『それでも、足掻きたいもんだよ、シロ?』


 シロは、おそらく無駄になるだろうということを承知の上でつらつらと話す。

 占者からの情報、いや、預言ではもう遅いんだろう。


 それでもね、ジュリの生きる筋になればいい、そうシロは思うのだ。







次で本筋に戻る、予定?

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