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8割実話

作者: 南天杏

 うちは旦那と私の二人暮らしだ。


 家の中では一緒にいることも多くて、寝るときもセミダブルのベッドで一緒に寝てる。

 と言っても、仕事の関係で生活時間が微妙にズレているので、朝ゆっくり起きる旦那を置いて先に寝ていることが多い。


 先に寝ているけれど、旦那が寝に潜り込んで来たら多少寝ぼけながらも意識が浮上する。

 ただ、この寝ぼけが私の場合少々厄介で、たまに旦那に迷惑をかけるのだ。


 さっきシチューが歩いててね、みたいなもはや意味不明な言葉を交わすこともよくある。

 ちなみにこのくらいでは旦那は笑っているだけなので、最早日常に近い。

 眠気がピークなときほどよくわからない言動を取るのだが、本人は普通に会話しているつもりなのがまた辛い。


 そんな私が寝ぼけてしまったらしいエピソードの一つ。


 次の日、仕事でいつもよりも2時間近く早く起きなければならなかった。

 朝起きれるか不安を抱えながらも早めに寝た。


 言い忘れていたけど、私は毎日夢を見る。

 朝まで一度も夢を見なかった日、というのはもう15年以上前だというくらいには毎日夢を見る。


 いつも自分視点の夢だが、それは普段の私であったり、知らない人視点であったり色々だ。

 朝起きた時には映画一本分見たような気分になることもたまにある。

 そう言えるくらいには、現実離れした夢が多いのだ。


 ゾンビが出てきたり、昔の学生時代の夢だっり、職場の夢だったり、友人の夢だったり。

 ちなみに何故か旦那はあまり出てこない。

 出演料でも必要なんだろうか。


 それはさておいて。

 その日も例に漏れず、ギリギリまで夢の中で微睡みながら、寝ぼけた頭でアラームを止めた。


 ぼうっとする頭はそのまま二度寝してしまいそうになるけど、そこでよく知った声に話しかけられた。


「今日朝早いんでしょ?」


 旦那の声だ。


 ああ、そっか今日仕事で早いんだ。

 ○○君起こしてくれてありがとう。


 そう思ってそのまま口に出したら、隣から「は?」と訝しげな声がする。


「俺起こしてないよ」

「へ? 今声掛けてくれたじゃん」


 何言ってんのこの人。

 お互いそんな顔をしていだと思う。


「俺起こしてない。むしろ今、××ちゃんに起こされた」

「はい? 私今、起こしてもらったから、お礼言ったんだけど」

「それ、俺じゃない名前言ってたよ?」

「マジで? 誰?」


 ここで男の名前でも出したとかだったら、ヤキモチやきの旦那はとても面倒なことになってたと思うのだが、帰ってきた答えは予想の斜め上だった。


「エリザベス的な外人の女の人の名前」

「誰だよエリザベス」

「俺が聞きたい」


 とにかくまだ自分の起きる時間じゃないから寝直すと布団に潜っていった旦那に、軽く返事をして寝室から出てふと思う。


「え、結局誰が私を起こしてくれたの?」




旦那の声だと思ったんだけどなぁ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] エリザベスって誰? [一言] 多分、前日に街ですれ違った犬の名前だと思います(適当)
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