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10.宰相閣下ご子息攻略




 考えていた事がある。

 

 回復魔法というものは、魔力を使って怪我をした組織をもとの状態に戻すということだ。

 しかしここにポーションが出てくる。


 治癒魔法陣と言う回路を通った魔力が怪我を治すなら、ポーションはどうやって怪我を治しているのだろう。


 ポーションは飲んでも、傷に直接かけても効力を発揮する。

 これって結構なチートじゃない?

 しかもポーションにも種類がある。高度治癒魔法に匹敵する威力を持つハイポーション。魔力を回復するマナポーション。



 ポーションの原料になる薬草。

 これは基本、人の手の入っていない山で採取される。なので採取量は少なく、結果ポーションは高価なものとなる。


 それに薬草の生態につてもまだはっきりしていない部分が多い。

 共通して「人の手の入っていない山など」で採取されることは分かっているんだけど、国土の北の果てから南の砂漠のオアシスでも採取された報告がある。


 この国、ブルーローゼスの国土は広い。感覚的にはアラスカ・カナダからアメリカ南部くらいまでの自然環境はあるだろう。つまり栽培に関しての適正温度は分かっていない。


 それを、自宅の庭に栽培してるなんて……

 レオン様恐るべし! 




 ◆




 正妃さまとのお茶会から1週間。何と今日はレオン様とのお茶会の予定だ。

 何という早業。さすが正妃さま。

 出来る女は違う。


 場所は王宮のサロンを使用することになった。

 そこにレオン様。私とロディ、グレイシア様と正妃さま。それになぜかハルト兄様が御一緒された。



「今日はありがとうリディア、レオンはとても楽しみにしていたのですよ」

 と正妃さまがにこにこ笑って言われる。が、当のレオン様はがっちがちに固まっておいでだ。

 人見知りって、ここまで重症だったのか……


「レオン様、リディアルナ・ソレイユでございます。魔術の……特に治癒魔術の研究をしております。どうぞよろしくお願いします」

 と、にっこり笑って見せる。


「………レオンです…」

 と、それだけ言って下を向いてしまった。

 どうしたものか。


「レオン、リディアは治癒魔術の魔法陣の作成者なの。あれがどんなに効果的かを私に語ってくれたわね?」

 と、正妃さまのフォローが入る。


 へー、あの治癒魔法陣、評価してくれてたんだぁ。何だかうれしいな。

「それはありがとうございますレオン様。今はあの魔法陣の上位に当たる高度治癒魔法陣を研究中なのですが…… なかなかうまく回路が組めなくて……」


 高度治癒魔法陣、の言葉にふと顔を上げるが、またすごい勢いで下を向いてしまうレオン様。……うーん、これでは研究の意見交換は難しいのでは……


 と、考えていたらグレイシア様の小声が聞こえてきます。

 はっ、いけないいけない、目的は好感度上昇でした! 危うく趣味の方が先に出るところでした。


 でもグレイシア様が小声で話しかけたのは私ではなかったようで…… グレイシア様はハルト兄様に一生懸命何か言っています。ハルト兄様は…… 何だかお顔が怖いです。目が据わっています。ロディがお茶を淹れなおそうとしたりしてレオン様の視界にハルト兄様が入らないようにしたりしています。


 ……兄様……??



「……ラインハルト…… ちょっと来て下さい」

 と、正妃さまが兄様をサロンから連れ出しました。一体兄様は何か気に入らない事があるのでしょうか?


「グレイシア様?もしかして兄様、グレイシア様が同席されたのがお気に触ったのではないでしょうか?」

 そう言うと、グレイシア様はまた大きなため息をつかれた。


「そうですわね。ちょっと行ってきますわ」

 と、席をお立ちになった。顔が引きつっている。何があった?!


 これでサロンは私とレオン様。護衛役でロディが後ろに立っているだけである。



「レオン様、大丈夫ですか?体調がお悪いならまた後日でも……」

「いえ、体調は大丈夫です。ありがとうございますリディアルナ殿下…… 失礼な態度をとって申し訳ありませんでした」


「いえ、そんなことはありません。初めての場所は誰でも緊張しますよね」

 と、にっこり笑うと、レオン様も照れたように笑った。

 うーん、何だかお可愛らしい感じです。



「レオン様の研究のことを、教えていただけますか?私の魔法陣の参考になるかもと正妃さまがおっしゃっていたのです」

「叔母上がそんなことを…… 私ごときの研究が命の女神様の役に立つか分かりませんが……」


「……へ?…… 命の女神??」


「御存じありませんでしたか?リディアルナ殿下は城下ではそう呼ばれております。

 治癒魔法を魔術師の誰もが使えるようにしただけでなく、城壁を守る無敵の守護魔法陣を開発された…… この国の守護神とか命の女神とか呼ばれていますよ?」




 ――――――――――!!!!




 今度は私が下を向いて顔があげられない。

 何その命名!誰が言い出した!!グレイシア様に聞かれたら中二病扱いされてしまいそうだ!



 やりすぎか?

 いろいろやりすぎたか?!

 それはまぁ、最大火力とかは言われてたけど、恥ずかしさの度合いが違うーーー!!


「……リディアルナ殿下、大丈夫ですか?私は何か失礼を……」


「大丈夫ですよレオン様。リディアルナ様はそんな大層な名前で呼ばれていたのに驚いただけですから。もう少し待ってやってくださいね。お茶を淹れなおします」


 ロディのフォローがありがたい。しかし、いつになったら顔があげられるか分からんない。恥ずかしすぎる!



 私がテーブルに懐いていると、後ろのドアが開いた。

「ごめんなさいねレオン、……あら、リディア?どうしたの?」

 と、正妃さま方が入ってこられた。

 私はまだ顔があげられずテーブルに突っ伏したままだ。多分顔はすごく赤いに違いない。


「………お前…… リディアに何をした!」

 突然ハルト兄様がレオン様につかみかかった!

 え? え?何事?!

「「殿下!」」

「ラインハルト!!」


 ロディと正妃さま、グレイシア様がハルト兄様を止めに入る。



 …………何このカオス…………







 原因はハルト兄様が変な誤解をしていたらしい。

 しかもシスコンだよなぁとは思っていたけど、ここまでだったとは。


 ああぁ、グレイシア様が兄様を見捨てない事を祈るばかりである。


 どうやら兄様は「私が攻略対象5人の誰とも婚約出来なかったら、その攻略対象に奴隷にされる」と理解していたようだ。いったいどんな説明をしたのかグレイシア様に聞いてみたいところである。

 それで、攻略対象と私が同席すると聞いて、最初から相手を威嚇していたらしい。


 ……なんてこったい。おかげで研究情報の交換はお流れだよ。 …じゃない、好感度上昇のチャンスが流れたんだ。


 

 とりあえず、ハルト兄様には乙女ゲームの正しい知識を説明して、これから攻略対象の好感度を上げていかなくてはならない事を理解していただいた。


 万が一奴隷落ちしたら助けてくれと、それだけお願いした。

 うん、その時助けてくれるのなら、何も心配いらないんだよね。それだけは安心だ。



 ……………でも何事もほどほどにお願いします。






 ◆







 お茶会の仕切り直しの日はすぐに決まった。


 前回はあんなお茶会であったにもかかわらず、レオン様は私に自分の薬草園を見せたいとおっしゃって下さったそうだ。


 すっごく楽しみ。私は薬草が生えているとことを自分の目で見た事すらないんだ。

 ……や、ほとんど王宮って言うか魔法塔から出たことないんだけどね。

 王宮内にいれば守護魔法陣(イージス)が発動したことも瞬時に分かるし、兄様達に持たせている守護石の発動も分かる。対応は早いに越したことはない。


 ……しかし…… 

 あの城下の私の黒歴史の名前はどうしようか。まだ何の対策も取れていない。何とか出来るものなんだろうか…… いや過ぎる……

 気軽に城下町を歩いたら「命の女神様~」とか声をかけられるんだろうか。

 勘弁して下さい!



 いや、レオン様の思い違いってこともある。情報源はまだ一人だし。

 薬草の研究とかなさってるので偏った情報をお持ちなのかもしれない。ちょっとお忍びで城下に降りて調べよう。

 そう決心して、お茶会の日はまだ3日あったので早速城下に降りることにした。



「……というわけで、ロディ変装してね。結構ロディも目立ってるでしょ」

 ロディは騎士爵を持っている。なので各種式典なんかでバルコニーで王族みんなで挨拶に出る時など騎士の正装で私の後ろにいるのだ。


「ちょっと待って下さい。何がどういう訳で俺が変装なんですか」

「私は魔法でいくらでも姿変えられるもん」

「で、姿を変えて?城下町へ行って?それでどうするんですか?」

「えーと、『お城の王女を知ってる?』って聞いて回る」

「王宮にいる王女殿下を御存知ですか?です」

「それそれ、そんな感じ」



 そこまで聞いたロディはため息をついた。



「実は知ってました」

「え?」

「お姫が城下でなんて呼ばれているか、知ってました」

「……なんで……?」

「なんでって…… 騎士団でも話題に出ますし、俺がお姫の護衛をしてるのみんな知ってますし」

「…それで……やっぱり変な名前で呼ばれてるの?」

「変って訳じゃないと思いますけどね。命の女神が一番メジャーみたいですけど、他にも国名に因んでかお姫の瞳の色に因んでか『青薔薇の守護神』とか、……『王家の守り神』とかもありましたかね?」

「…………………」

「みんな好意的で、ほめてくれてるんだから良いんじゃないですか?」

「…………………」




 当然、城下町探索は中止にした。

 当たり前だ。もう行く意味は無い。


 ……どうしよう。ホントに嫌だ。


「お姫、そんなに嫌なの?」

 ロディが顔を覗き込むように聞いてくる。当たり前だ。はずかしい!


「じゃぁ、ラインハルト殿下にお願いしてみる?前回の暴走で結構落ち込んでるみたいだったから何とかしてくれるかも」

「兄様…… 何とかしてくれるかなぁ……」

「お姫がこれだけ嫌がってるなら、何が何でも何とかすると思うけどね」

 そう言ってロディはにっこり笑った。




 翌日。

 翌日よ翌日。早すぎよ兄様!


 だけど、結果として何とかなったのだ。



 兄様は王太子ラインハルトの署名で、「特定の人物に『神』の名を冠して呼ぶことは教会に対して不敬である」と言う声明を発表したのだ。

 これで女神呼ばわりも守護神呼ばわりもされずに済む!

 さすが兄様!!

 抱きついて(と言っても身長差があるのでお腹のあたりにしがみ付く感じだ)ありがとうありがとうと何度も言ったら、頭をわしゃわしゃされた。


「困ったことがあったら何でも言うんだよ」

 と言うキラキラの笑顔付きだ。うん、そのキラキラオーラ、あんまりまき散らさない方がいいと思うよ兄様。



 後日、教会側から気にしなくてもいい、みたいな文書が届いたらしいけど無視した。






 ◆






 気分晴れ晴れ。お天気もいい。最高のお茶会日和です。 

 問題も解決して楽しみにしていたレオン様とのお茶会です。もちろんハルト兄様は執務中。

 正妃さまとグレイシア様と一緒に馬車でお出かけです。


 クリステル邸はロディの報告通りすごく広い!そして豪邸!!


 王宮は、広さは比較にならないけど、その中に騎士団・魔術師団の宿舎や訓練場、その他賓客殿等もあり王族の使うエリアはそんなに広いわけじゃない。

 これは正妃さまの御性格もあるのかもしれないけどね。


 そして、クリステル邸の執事さんにレオン様のところまで案内してもらう。

 ロディが見つけられなかったって言ってたから、どこか隠し部屋でもあるのかしら。薬草の研究にはその位の価値はあるし。


 そう思っていたら、玄関ホールを通り抜けテラスを出て庭の薬草園まで来てしまった。良いの?!ここ、極秘情報じゃないの?!しかもレオン様いないし。


 ……と、思っていたら…… この目の前の庭師にしか見えないお方は…… レオン様、ですね。こりゃロディも見つけられないわけだ。庭師にしか見えないもん。



「ようこそいらっしゃいました、叔母上、リディアルナ殿下、グレイシア様」

「お、お招きありがとうございます。レオン様、……この薬草園は……」


 すごい。すごいとしか言えない。私しばらくここに泊って研究したい。正妃さまは普通の薬草の研究って言ってたけど、ハイポーションの材料になるシルフィウムと呼ばれる薬草もある。これは見るのも初めてだ。あそこにある赤い葉はマナポーションの原料でしょうか?! そのほかにもタイム、レモンバーム、セージなど様々なハーブがあります。

 ……ここは天国ですか。

 

 薬草の栽培が出来て、各種のポーションや薬を作ることが出来れば私の念願である『医学』をこの世界に普及させられるのです。



 私があまり薬草園に見とれていたので正妃さまがテラス席に誘導してくださいました。何だか夢のようです。


「レオン様…… これは一体…… 薬草はそもそも人工栽培は出来ないはずでは……」

「ええ、そう言うことになっているようですね」


 え?! じゃぁ人工栽培って出来るの?!


「私が薬草に苗を手に入れたのは、本来私が行くような場所ではありませんでした」

 レオン様の話を要約すると、どうやらレオン様は誘拐された先で群生していた薬草を発見したのだそうだ。この時レオン様は11歳。例の正妃さまの暗殺未遂事件の直後だったそうだ。


 ……ダリア様。ぶれないお方だ。


 私が力技で暗殺を未遂にとどめたと聞いて、自分ものうのうと誘拐されている場合じゃないと脱出を試みたそうだ。手土産の薬草の苗を持って。


 うーん、転んでもただでは起きないというか…… この方のどこが人見知りなのでしょうか??


「素晴らしいですね、レオン様。そんな状況で諦めることなく…… こんな戦利品まで」

「……5歳のリディアルナ殿下が叔母上を守ったと聞いて、じっとしていられないと思ったのですよ」


 うわ、照れる。

 そんな昔の出来事を持ちだされても……


「でも、薬草は例え苗ごと持ってきても人工栽培は出来なかったはずですよね?」

 と、グレイシア様。話の進行役に、最適なお方です。

 

「ええ、そうです。……いえ、そうでした。でも僕がこの庭に植えた苗は繁殖して行ったんです。誘拐騒ぎの後だったので世話なんてほとんどしてなかったのに。

 ……でもそれが一番のポイントだったようです。薬草は『人の持つ魔力の流れ』に弱いんです」


「人の魔力……に、弱いの?」


「そのようです。多分先ほどリディアルナ殿下がそばに行かれた薬草は、少し弱ってるんじゃないかな? 

 ああ、気にしないでくださいね、随分品種改良もすすんでいて少々の魔力なら大丈夫になってきていますし。それに今は殿下の魔法陣に助けられています」


 私が不用意に近づいたのにフォローしてくれてる。優しい人だ。

 しかし、私の魔法陣に魔力の流れを制御するようなものがあったかな?



「殿下の『ステルス』をちょっと改造させてもらいました。あの魔法はかけた対象の気配や魔力等を消すものですが、それをうちの庭に、通常の使用方法とは反対向きに刻印してみたのです。なので外の魔力の流れは庭に入ってきません」


 ステルスと言う魔法は本人の魔力をはじめ、呼吸の音や気配さえ外に漏らさない術だ。つまり、本人の内側に収めるようにする。それを反対向き…… つまり庭園内に音や魔力は入れないようにしたと。……すごい、そんな使い方があるなんて思わなかった。



「……素晴らしいですね……」

 だから「人の手の入らない環境」を再現することが出来たのか。

  

「あ、それに防犯用に城壁に『イージス』を使用させていただいています。ありがとうございます」

 いえいえ、とんでもない。こんな利用法があるなんて思いもしませんでしたよ。



「実は僕には全く魔力がないんです。多分その僕が持ってきたから庭に根付いて、その後誰も近づかなかったから繁殖したんだと思います。

 その後は魔力の全くない人を集めて品種改良に日々忙しくて。それでつい学園の入学を逃してしまいました。

 リディアルナ殿下は来年飛び級(スキップ)で入学と聞きました。すごいですね、あれだけの研究をしながら学園でまだ学ぼうとされるなんて……」


「……入学に関してはその通りです。魔術塔に籠ってばかりでは出てくるアイデアも限られてしまいますし。外に出れば、レオン様のような素晴らしい研究をされている方にも会えますしね」


「……そうですね、……確かにここに籠っていても研究は進まないかもしれませんね……」


「レオン様はこれ以上どんな研究を?」

「一番は、どんな人にも栽培のできる薬草への品種改良です。

 ……ただどうしても魔力に当てると枯れてしまって…… 最終的にはポーションを増産することで値段を下げ、医師達に他の薬草やハーブなどを使って研究してもらい、さまざまな病に対応できるように、そして民が気軽に医療が受けられるようにするのが夢でなんです」



 ……………。



「レオン様…… それは私の夢でもありますわ……。私は高度治癒魔法陣を、と考えていたのですがそれにこだわり過ぎていたのかもしれません。私も最終的な目標は民が気軽に医療の恩恵を受けることのできることです」


「殿下…… こんなに御理解いただけるなんて思っておりませんでした。私ごときでよろしければ是非お手伝いさせてください」

「それは私も同じです。私がレオン様のお力になれることがあれば何でもおっしゃってください」



 こんなに身近に、同じものを目指す研究者がいたなんて! うれしい!うれしい!!



 と、浮かれていたらテーブルの下でグレイシア様の蹴りが飛んできた。

 ……二度目ですよグレイシア様。こんなところで地味に悪役令嬢役をやらなくても…… はっ、違いました。ここで深めるのは研究への意欲ではなく好感度でしたね。



「……レオン様…… 大変不躾なお願いになるのですが、私は来年学園に入学します。

 もしよろしければレオン様も御一緒にいかがですか?学べる教科も多くありますし、レオン様の研究の助けになれる方に出会えるかもしれません」


 実は学園の入学年齢はかーなーりアバウトだ。一応14歳から18歳となっているが、20歳を過ぎてから入学される方もいるし7-8歳で入学する人もいる。……学業についていけるかどうかは本人の資質だが。


「……ええ、そうですね…… どうでしょう叔母上」

「私はレオンさえいいなら賛成ですよ。世界を広げると言うのも大切なことだと思います」


「では殿下、来年度からは同級生ですね。どうぞよろしくお願いします」



 ミッションクリア――!!



「私こそ、年齢もだいぶ下ですしレオン様に教えていただくことも多いかと思います。どうぞよろしくお願いします」

 とにっこり。


 ふふふふ、だいぶ好感度上がってるんじゃないですか?

 良い感じじゃないですか?




 話がまとまったところでクリステル邸を辞去するすることとなった。

 薬草の研究には未練ありありだけど、私が近ずくと枯れてしまうなら仕方ない。

 必要な時はレオン様がいくらでも採取してくれると約束してくれた。……私相手にいくらでもなんて、思い切ったことをおっしゃいますねレオン様。私の研究対象にはポーションも入っているのですよ。

 ……まぁでも無理は言いませんけど。何事もほどほどが大事ですよね。


 ちなみにレオン様が人見知りだと言われていたのは、薬草園に人を近づけたくないための言い訳だったようだ。普通にいい人でよかったよ、ほんと。









 ねぇ、結構いい感じじゃない?グレイシア様がおっしゃってた攻略が簡単な部類のゲームってホントかもね。

 この調子で頑張るぞー!


7/23加筆修正


【おまけ】

ラインハルト「なぁロディ、令嬢や王女に女神って言うのはほめ言葉じゃないのか?」

ロディ「普通はほめ言葉ですよね」

ラインハルト「リディアは普通じゃないのか?」

ロディ「………………そこは言わない方がいいかもしれません」

ラインハルト「…………………そうか」

ロディ「最大火力って言われた時は喜んでたんですけどね」

ラインハルト「それは普通令嬢や王女のほめ言葉ではないだろう」

ロディ「普通は違いますね」

「「………………………」」

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