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幕間/自失と虚飾と砂上の楼閣。または禅天魔。

 生まれながらの長老無し


 〜これまでのあらすじ〜

 ……猫が犬である様な仕草を一部分に見出だしただけで彼女の全てを理解したかの様な錯覚に陥った僕は、 絶望の余りサラ金に手を出し、なんだかんだで破産した……


 それからの僕は、何故か高野山で七年程の修行を積み 、 ひょんな事からフランス外人部隊で五年間の傭兵稼業後、 成り行きにより料理学校で三年を過ごし、図らずも今はマルチタレントとしてメディアに引っ張りだこの日々を送っ ている。


 そんな僕に何の慰めかは知らないが、彼は『苦しみが人生の全てである』と言い放った。 それを聞いた僕は、ただただ彼の目が開かれる事を祈った。 彼はこの世の無常 対する虚無感から抜け出せずにいるのだろう。 確かに人生は苦しみに満ちている。

  だが、苦を苦と捉えてしまう事こそが苦と僕は思う。


『舎利子見よ空即是色花ざかり』(詠/小笠原長生)


 虚無という否定。更にそれをも否定する。二枚のレンズを通した時、儚いが故の美しさを真に味わえるものではないだろうか。


 そうこうしている内に僕は、急激な空腹に居たたまれなくなり、沈痛な表情で黙する彼を尻目に雷雨の中を一人、ピザ○ットに向かって走り出した。


 懸命にひた走る彼を遥か遠く山の中より見つめる男が一人 。 立派な白髭を蓄えた、筋骨隆々と表すにはあまりにも巨大な山男。 巨大な山親父の傍らには、これまた巨大なハンバーグ。

 丸くて大きなハンバーグ。 目を細め、そっと呟く。


 「大きくなれよ」


 次回より青春ギルド学園チーレム、ご期待下さい。

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