幕間/セルゲイとウォッカとボルシチ。または消えた第二部。
いつの間にか第二部が消えて、第三部が重複してました。
クズが葬り去られた土地より遥か北の空、厳寒の大地。
使命の為、大事な者を守る為、自らの命と引き換えにニコライ・ボボリビスキーが放った渾身のボルシチDG-9カスタムは、セルゲイ・ドドルコビッチの こめかみに直撃した。
『コーカサス…』
ニコライ・ボボリラビスキーが倒れた時、殺した筈の感情がセルゲイ・ドドリゴロビッチの中に再び芽生え始めた。
まだバブジビリッチョフ・ドボリビザフストロキーが セルゲイ・ドドルコビッチと名乗る前であり、帝聖ガンブロドジョフ士官学校に籍を置いていた頃に遡る。
若きセルゲイ・ドボリビザフストロキーは力を求める 余り、狂気の科学者イワンネンゴロフ・ドボロザリビッチョフが行う悪魔の装置ウォッカ13号を体に埋め 込むという実験に身を委ねたのだった。
実験は成功し、先ず手始めにイワンネンゴロフ・ドボロザルビッチョフが犠牲となった。
こうして、バブジビリッチョフ・ドボリザビフストロキーは、人から魔に、セルゲイ・ドドリゴビッチョフへと生まれ変わったのだった。
それからのセルゲイ・ドドリコビッチョフの人生はまさに魔そのものであった。
そして今、動力源が埋め込まれたこめかみが破壊され たのである。
『ピロシキーーー!!』
セルゲイ・ボビリビンスキーとニコライ・ドボロザリ ビッチョフ。
人は何かと引き換えに何かを得る。そして、失う。
誰が彼らを笑う事が出来ようか。 人が人である限り。 最後になったが、彼らは全くの他人だ。
コーカソイド。いいえ、マフィアです。