運転技術と仕事の相関関係
私なりの偏見ですが、自動車の運転が上手な方は仕事ができる人という印象です。
どういうことかと問われれば、自動車の運転には性格が出ます。性格は仕事の進め方にも出ます。つまり、性格が出る部分は共通項として捉えて構わないと思うのです。
運転技術=仕事のスキル
経路の選定=仕事の段取り
運転技術とは、自動車の加減速の仕方やハンドル操作などの基本的な技術に加え、それらを総合して応用する技術も含みます。
加減速の調整技術は、仕事の面では進捗状況や他の事案との調整技術に通じるでしょう。
車間距離を適切に確保できる運転は、仕事面では適度な人間関係の維持に繋がります。極度に詰め寄ったり、大きく離れ過ぎているような運転は人間関係も極端ではありませんか?
車線を法令通りに左側端に寄せて安定して進行する自動車には安心感があります。フラフラと左右に揺れたり、頻繁に車線変更するような運転は見ていて危なっかしいです。仕事面でも安定しない品質や飽き性のように仕事を選り好みする可能性もあります。
経路の選定は、まさに仕事の段取りと同じです。
どの道順で進めば最も安全で、予定通りの時刻に合わせて到着できるのかを勘案できる技術は、仕事面ではタイムスケジュールの管理と必要な手続きの段取り能力に繋がるでしょう。
道路交通法に対する知見は、機械類の操作要領や仕事の進捗などのマニュアルに通じるでしょう。
以上のような関連性を踏まえて、仕事のできる人と仕事のできない人の違いを自動車の運転で類推してみましょう。
まずは運転が下手な人の特徴がネット上でまとめられていましたので、そちらから引用します。
1 ブレーキを踏んでから指示器を出す
2 煽りハンドル(曲がりたい方向とは逆にハンドルを切る)
3 車間距離を詰める
4 パカパカブレーキ(無駄にブレーキを踏む)
5 高速道路で右側車線を走り続ける
6 ファスナー合流ができない
7 信号が赤に変わろうとすると加速する
8 一定速度で走れない
9 シートポジションが不適切
10 周囲の状況を見ていない
11 障害物に近付いてから避ける
12 ハンドルから手を離して戻す(復元力頼り)
13 スマホを見ながら運転する
14 後続車に無理なブレーキを踏ませる車線変更
15 抜かれたら意地でも抜き返そうとする
以上のような運転が身に覚えがあるようでしたら、改善すると良いでしょう。
共通項があれば一括りにして、仕事との相関関係を考えてみましょう。
・ブレーキを踏んでから指示器を出す
これは報連相のできない人でしょう。
社会人の基本である報連相、これができない人は自動車の運転で方向指示器を出さない人と考えます。
自動車の方向指示器は、これから自分がどの方向へ進むかを示す道具です。
方向指示器を出さなければ、周囲はその自動車が何をしたいのか分かりません。
報連相をしなければ、周囲はその人物が何をしているのか、何がしたいのか分かりません。
仕事のできる人は報連相を欠かさず、常に周囲と情報共有しています。
仕事のできる人の運転は適切な方向指示器の使用が確実にできるでしょう。
・煽りハンドル、パカパカブレーキ、一定速度で走れない
曲がりたい方向とは逆にハンドルを切る運転をする人は、能力の限界を知らない人でしょう。
身の丈に合わない自動車を運転して、大きく車線を逸脱したり、右左折時に反対方向へ膨らむような運転をしている人は、自己のスキルを把握せず、無理な仕事を請け負い、失敗して無能と思われてしまいます。
また、制御できない速度を出していたり、停止線を越えて赤信号で停止するような運転も、仕事のできない人と思われます。
仕事のできる人は、自己のスキルを正しく把握して、できる範囲の仕事を請け負いながら、少しずつその範囲を広げています。
自動車の運転で言えば、ゆっくりではあっても遅くない速度で走行し、法令に則った交差点での右左折の方法で適切に進行できる人です。
・信号が赤に変わろうとすると加速する
時間の観念のない人は、スケジュール管理もできない人です。
自動車の運転で言えば、出発してから到着するまでのペース配分ができない、行き当たりばったりの人でしょう。
信号までの距離と、その信号の表示時間を勘案して速度を調節し、なるべく赤信号に引っかからないよう、停止回数が少なくなるように走行すると燃費も良くなり交通の流れも良くなります。
最も良くないのは制限速度を下回った挙げ句の果てに、制限速度で走行していれば間に合った青信号に到達できず、赤信号で停止してしまう運転です。燃費が悪化し環境に悪く、最悪の場合には煽り運転を誘発してしまいます。
こういう人は、普段の仕事でも周囲に迷惑をかけていることに気付かない鈍感な人でしょう。
・障害物に近付いてから避ける、後続車に無理なブレーキを踏ませる車線変更
こうした切羽詰まったような運転をする人は、仕事上で適切な判断ができない人でしょう。
例えば高速道路で工事区間があったと仮定すると、工事区間手前から予告看板等が表示されているにも拘わらず、ギリギリまで車線変更せずにいる人です。
これを仕事に当てはめて考えると、仕様書の注意書きや他の人からの助言があったにも拘わらず全て無視して独断専行しているに等しい行為です。
そして切羽詰まって慌てた挙げ句の果てに、誰かに助けてもらうか、大失敗を犯すような人物でしょう。
・車間距離を詰める
車間距離を異常に詰めて来る人は、人間関係で問題を起こす可能性が高いと思います。
そもそも適切な車間距離を保たない運転は、煽り運転として通報され、多額の罰金刑に免許証の取り消しという行政処分も付随します。
・ファスナー合流ができない、周囲の状況を見ていない、抜かれたら意地でも抜き返そうとする
人間関係の構築に難ありの方でしょうか。
ファスナー合流というのは、渋滞が発生している状況で合流地点の車両が、本線と支線で交互に進行して行く通行方法です。
このファスナー合流を行うと渋滞時の通行時間が三割程度も削減できるそうですので、積極的に進路を譲り合って進行するのが円滑な交通の流れを維持しやすくなります。
我先に割り込み運転を仕掛けると、却って渋滞を悪化させたり、事故を誘発するなどの悪影響がありますので心に余裕を持った運転が大切です。
自己都合ばかりを押し付けるような方、周囲から敬遠されますね。
・高速道路で右側車線を走り続ける
これは明確な交通違反です。
仕事の上でもルールの遵守を疎かにする方でしょう。
共に仕事をしていると、巻き添えで被害を受ける可能性があります。
・シートポジションが不適切、スマホを見ながら運転する
運転に集中できない姿勢は、仕事に向き合う姿勢が不適切な方ですね。
物事は集中して実行しなければ、失敗の可能性が高まります。
ながら作業、やめましょう。
それでは次に私が見た、下手な運転を紹介します。
・大回り
普通乗用車同士がすれ違うのがやっとの道路で、優先車線から右折しようとした時に、右方向から左折しようとする車がいました。
私は常識的に考えて「左折する時はできる限り左に寄せる」法令通りの運転を想定していたのですが、その左折車はなんと、道路の中央付近に停車して行く手を阻んでいました。
私は、ギリギリの隙間を通して事なきを得ましたが、後続車両は右折できなかったようです。
厳密に交通法規を適用すると、左折車は妨害運転(通行区分違反)になります。
これと同じことが直進車でも起きました。
同僚と連れ立って帰投していると、事業所へ続く信号交差点で左折しようとした同僚の車が停止しました。
不思議に思って前方を確認すると、道路の真ん中に信号待ちしている車両がいます。
これでは誰も進入できません。
通行可能になるまで待った結果、私は赤信号での待機になりました。
円滑な交通を妨げる行為は慎んで頂きたいですね。
・急ブレーキ
幹線道路を走行していた時の話です。
先頭車両が制限速度で走行し、流れに乗って漫然運転になりかねない状況。
私は最後尾を走行していたのですが、焦っても仕方ないのでノンビリした気持ちでした。
そこへ迫る一台のワンボックスカー。
やけに車間距離を詰めて来て、やや煽り運転に近い状況ですが、私は気にせず流れに身を任せていました。
流れている車列の途中で信号が赤になり前走車両が停止、私も普通に停止しました。
ところが、後続車両は車間距離を詰めていたためか、急ブレーキになったようです。
ルームミラーで様子を観察していると、助手席側の足元から何かを拾い上げていました。
青信号で私が発進しても、そのワンボックスカーは発進しません。
却って遅くなっていましたから、適切な車間距離を保っていれば避けられた状況です。
追突事故の可能性もあるのですから、車間距離は適切に。
・無茶しやがって
これは県境に近い山道に向けて走行していた時の話です。
私は急ぐような状況でもないので、制限速度付近の速度でゆっくりと走行していました。
やがて後続車両が猛然と迫って来て、やや煽り運転に近い行為を仕掛けて来ます。
仕方が無いので私はアクセルを踏み込みました。
カーブで速度を上げて引き離すと、直線部分ではアクセルを緩めて適正な速度を保とうと努力します。私はオレンジの中央線を踏み越えないように注意を払っていました。
それでも後続車両はカーブでは離れるのですが、直線部分で再び車間距離を詰めて来て煽り運転に近い行為を繰り返します。しかも中央線を踏み越えてまで必死について来ました。
そうした状況を何度か繰り返し、私は一つの決断を下します。
「ダメだ、こいつ。早く何とかしないと」
そう決断した私は直線部分で車間距離を詰めて来た後続車両がついて来られる範囲で徐々に速度を上げました。
この先は直線部分が減り、カーブが連続する区間になります。
後続車両は一つ目のカーブは何とか曲がり切ったようで、直線部分で食らいついて来ます。
私は更に速度を上昇させたまま、二つ目のカーブに突入。
私は難なく曲がっても、後続車両は中央線を踏み越える危険な運転を継続。そこへ対向車が迫ります。
元々、車線内で走行していた私は問題ありませんが、後続車は急ブレーキと急ハンドルで回避したようです。
後はそのまま引き離してサヨナラでした。
運転技量と車両の性能限界を把握していないと、危険な運転になり事故に繋がります。
ゆっくり走行している車両を煽るぐらいなら、もっと早い時間に出発しましょう。
なお、この後で赤信号待ちをしていましたが、追いついて来ませんでした。そもそもそんなに速くない運転でしたね。
・工事現場へ突入
よくある片側交互通行の規制での話です。
先頭は大型ダンプ、その直後にピッタリと張り付くように走行している軽乗用車。
私はその軽乗用車と距離を置いて走行していました。
工事区間の手前で停止して進行合図を待ちます。
対向車が通過して先頭のダンプが発進と共にハザードを点灯しました。私は「現場内に入るのだろう」と予測して徐行。ところが軽乗用車は車間距離を詰めたまま。
予測通り大型ダンプは現場の中に入って行きますが、軽乗用車も続けて入って行きます。
「現場の関係者だったのかな?」と思いつつ私は警備員の誘導に従って直進して、規制区間を通過。
ルームミラーを確認すると私の後ろを走行していた大型トラックも現場内に入って行きます。
その大型トラックと入れ替わるようにして、先程の軽乗用車が現場から出されて私の後ろにつきました。
いわゆる誤進入ですが、適切な判断ができないとこうした間抜けな状況になります。
・だが結末は変わらない
これも山道を走行している時の話です。
制限速度でゆっくり走行していると、後方から猛スピードの車両が迫ります。
二つぐらいカーブを抜けても引き離せなかったので、道路の脇へ避けて後続車両に進路を譲りました。
猛然と走り去る車両を見送り、私はゆっくり走行を再開。
しばらく進むと、大型車両を先頭にして四台ぐらいの車両が連なっています。
その最後尾には、先程追い抜いて行った車両がいました。
「あるある」と思いつつ、山道を越えて追い抜き可能な地点まで大型車両の追走状態。
慌てても仕方ないと、私自身も再度、自戒の念を痛感しました。
このように、一般道や高速道路での運転は急いでも仕方ありません。
運転の下手な人の特徴を議論するスレッドでも、「余裕のない運転は下手に見える」と指摘されていました。
適切な流れに任せて、信号待ちを発生させないように走行するのが、環境にも人にも優しい運転になります。
このように、適切な運転ができない方は、失敗も多いです。
私も運転技術を改善するまでは、仕事上での失敗も多くありました。
心に余裕を持ち、適切な判断と段取りを行うようになってからは仕事も円滑に進むようになり、安全運転で信頼されるようにもなりました。
運転技術の向上が、仕事にも反映されるとしたら、皆さんは如何なさいますか?