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女魔王と旅館経営~世界樹の中に作った異世界温泉旅館で、濃い仲間たちと共にクセ強お客さんの悩みを解決する話~  作者: お餅ミトコンドリア


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43.「叫び」

「初めまして。異世界へようこそ、転生者さん」


 俺が混乱している中、奥の玉座に座っている髪の毛が青と赤のツートンカラーのイケメンが、薄暗い部屋とは対照的に明るく挨拶してきた。


 異世界……転生者!?

 あ、そういや俺、死んだんだ。


 異世界転生したのか。

 確かに、女神とのやり取りは、おぼろげだけど覚えている気がする。


「僕の名前はダイーマ。その辺によくいる魔法使いさ」


 肩を竦めて謙遜するダイーマ。


 その辺によくいる魔法使い?

 玉座に座っているのに?

 しかも、名前が〝ダイーマ〟?


「あ、そうそう。ついでに言っておくと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()のは、()だ」


「!」


 状況が全くつかめなかったが、一つだけ確定した。

 ()()()()()だ。


 まぁ、女性たちを触手で捕縛したのもきっとコイツなんだろうし、その時点で、味方の可能性は限りなく低かったけどな。


「お前の狙いは何だ?」


「そう怖い顔しないでおくれよ。僕はただ、君と()()()()()()()()()をしたいだけさ」


「ゲームだと?」


「そうさ。ちなみに、君の目の前にいる女性たちは、皆、君が異世界に来てから、少しずつ絆を深めてきた仲間たちだ。ゲームに君が勝てば、全員解放するし、君の記憶も元に戻すと約束しよう。どうだい? 悪くない条件だろ?」


「何が〝悪くない条件〟だ。強制的に俺を記憶喪失にさせて、女性たちを縛り上げた奴の言う台詞じゃないな。選択肢が他にないじゃないか」


「いやぁ、耳が痛いね」


 言葉とは裏腹に、ダイーマは愉快そうに微笑む。


「でね。ゲームの具体的な内容だけど。この中から、()()()()()()()()()()()()を見付け出して欲しいんだ。簡単だろ?」


 ダイーマは人差し指を立てた。


「君が彼女のことをどう思っていたかは知らないけどさ、少なくとも、憎からず思っていたはずだよ? ()()()()()()()()()させてもらっていたけど、明らかに他の女性とは反応が違ったからね」


「………………」


「あと、ヒントをもう一つあげよう。出血大サービスだ。どうやら、その女性は、君のことが好きで好きで堪らなかったみたいでね。おっと。表情を読もうとしても無駄だよ。


 彼女たちは、言葉を禁じられただけじゃない。泣くことも笑うことも怒ることも悲しむことも全て封じてあるから」


「………………」


「でね。彼女ったら、奥ゆかしくてね。もう少ししたら、玉砕覚悟で()()()()()()()()()()()()だったみたいなんだ。サキュバスの本能が完全に抑えられている昼間に、自分の意志で、ちゃんと真剣に。どうしても伝えたかったのさ。ほんと、可愛いよね。あははっ」


 確かに触手で拘束された女性たちは誰も、表情を変化させない。

 涙も流していない。微動だにしない。


 でも……()()()()()()()()が聞こえた気がした。


 ……人の心を弄びやがって! 

 絶対に許せない! コイツだけは!


「あんた、確かダイーマとか言ったな」


「おや、覚えていてくれたんだね。これはこれは光栄なことで」


 ダイーマは、玉座から立ち上がり、慇懃無礼に腰を折り、深々と御辞儀する。


「で、彼女たちは、この世界でどのくらい強いんだ?」


 パッと見ただけで、女性たちには、色んな種族の者たちがいるのが分かった。

 戦闘能力が結構高いんじゃないか、という子もいる。


 玉座にゆったりと座り直したダイーマは、俺の問いに、天井を見上げながら思案する。


「んー。そうだなぁ。最強クラスが三人。残りの四人も、能力の使い方次第じゃ、かなり強い方だと思うよ」


「そんな彼女たちを拘束している訳だな、あんた一人で」


「そうなるね。あ、そうそう。言い忘れていたけど、もし君がゲームに負けたら、()()()()()()()()()()()()()()からね。よろしく」


「!」


 これで、絶対に間違えることは出来なくなった。


 ダイーマ(コイツ)は……〝大魔王〟の可能性がかなり高い。

 

 まぁ、誰が相手だろうが、関係ないけどな。

 ゲームに勝てば良いだけだ。


「俺が恋した女性は誰かって? そんなの簡単だ」


 俺は、ある女性に向かって、歩き始める。

 

「だって、どうやら記憶を失くす前の俺は――」


 ただ、まっすぐに。


()()()()してたみたいだからな!」


 その女性を束縛する触手に手を掛けた俺は、無理矢理引き剥がした。


 すると、どうやら、彼女に掛けられていた種々様々な魔法も同時に解除されたようで。


「うああああああああああああああ!!!」


 言葉にならない声を上げて、女性が抱き着いてくる。


「助けるのが遅くなってごめん」


 その女性は、少し身体を離すと、フルフルと首を振って、泣きながら微笑んだ。


「助けてくれてありがとう……メグル……!」


 俺は、彼女に微笑み返すと、改めてダイーマの方へと向き直った。


「記憶を奪って、それで勝ったつもりか、()()()()()()が? 何度記憶を奪われようが、関係無い! また運命の人を見抜いて、恋すれば良いだけだ!」


「メグル……!」


 と、その時。


「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」


 突如、ダイーマが大口を開けて笑い出した。


 先程よりもずいぶん低い声で。


「この大魔王がちっぽけな人間ごときとの約束など、守るものか!」


 ダイーマが上に向けた両手から、どす黒い輝きを放つ炎が膨れ上がる。


「この場にいる全員――いや、この異世界ごと、地獄の業火で焼き尽くしてやぶべはっ!」


 が、その最中に、先程の女性によって殴られ、吹っ飛んだ。

 壁にぶつかり、ズルズルと落ちるダイーマ。


 女性は、深い溜息をつくと、俺に向かって言った。


「コイツは、()()()()()()()()()()


「!?」

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