表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女魔王と旅館経営~世界樹の中に作った異世界温泉旅館で、濃い仲間たちと共にクセ強お客さんの悩みを解決する話~  作者: お餅ミトコンドリア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/49

28.「〝知ろうとすること〟は出来る」

「……そう……だったのか……」


 ククスさんの発言の重さに、魔王が言葉を失う。


「ククス、本当に良かったのだ?」


「スララたちのせいで、本当なら永遠に生きられるはずだったリーダーが、死んじゃうのだわ……」


「後悔してないのら~?」


 仲間たちのために自ら不老不死の能力を放棄したリーダーに、他の四天王たちが問い掛けた。


「何言ってるです! ククスは、みんなと一緒に魔王さまに仕えるんだって! そして、魔王さまと一緒にアイドルをやって、世界征服するんだって! それだけを夢見て、今まで生きて来たです!


 みんながいたから、この二千年、頑張って来れたです! 気の遠くなる程長い間、何度も心が折れそうになっても、諦めずに立ち上がり、また前を向いて歩き続けて来れたのは、みんなのおかげです! 感謝こそすれ、後悔するなんてことはないです!」


 万物を温かく照らす太陽のような瞳で、真っ直ぐに仲間たちを見つめながら笑うククスさん。


 何の迷いもないその瞳を見た魔王は、苦しそうに自身の胸元をぎゅっとつかんだ。


「……正直、貴様らが我に抱いている忠誠心に報いられるほど、我は貴様らに対して、深い想いを持ってはいない。それどころか、今日まで、貴様らの存在すら知らなかった」


 その言葉に、四天王が皆、うつむく。


「そりゃ、そう……ですよね……」


「スララたちが、一方的に魔王さまのことを慕っていただけなのだわ……」


 彼女たちの瞳に、深い悲しみと寂しさが滲む。


 「だが」と、魔王は、四天王に近付くと。


「これから、〝知ろうとすること〟は出来る」


「「「「!!!!!!」」」」


 四天王一人一人の頬を両手で優しく包み、真っ直ぐに目を見て、語り掛けていく。


「貴様らが我のことを想ってくれるのと同じくらい、我も貴様らのことを考えたい。貴様らが我に対して誠実に向かってくれるのと同じくらい、我も貴様らに対して、真摯に向き合いたい。


 二千年もの長き間、我のために、文字通り命を燃やして尽くしてくれた貴様らの忠誠心に報いられるとは決して思わん。


 だが、我にはそのくらいしか出来ん。


 それで良いだろうか?」


 穏やかな表情で、精一杯想いを込めて語り掛ける魔王に、ククスさんたちは。


「もちろんです! あ、ありがたきお言葉です! うわああああああああああん!! 魔王さまああああああああああああああああ!!!」


「わーい! レレムは、魔王さまに知ってもらえるのだ!」


「ま、魔王さまが、スララたちのために、そこまで……! もう胸が一杯で、言葉にならないのだわ……!」


「うん。ガガオはとっても幸せなのら~」


 泣き叫びながら魔王に抱き着くククスさん、ぴょんと飛び跳ねて抱き着くレレムさん、静かに涙をこぼしながら抱き着くスララさん、眠たそうな目でにへら~と笑みを浮かべつつ抱き着くガガオさん。


 そんな四天王たち全員を、魔王は優しく抱き留めたのだった。


※―※―※


 感動的な抱擁から、数日後。

 温泉旅館〝世界樹〟が、休業日だったこの日。


 世界樹から見て、南東の国であるカプティワード帝国の帝都の、円形闘技場コロシアムにて。


「ニャンニャン♪ みんニャも魔王ニャンと一緒に歌って欲しいニャン♪ ……って、なんじゃこりゃあああああああああああああ!!!??? こんなんやってられるかあああああああああああああ!!!!!!」


 四天王を左右に従えてセンターにてフリフリのミニスカートタイプのアイドル衣装に身を包んだ魔王が、頭部と臀部につけていた()()()()()を、マイク形の魔導具と共に勢い良く地面に叩き付けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ