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詩ですⅡ

でんきじかけのちえのみ

作者: のぞくもの あやは

『電気仕掛けの林檎(ちえのみ)』 -たべたものはなにになる?-



人の心は電気信号で形作られている


思考を主に司り思索する脳は

電気信号を伝達する神経細胞の塊

そうした回路網で出来ているし


その中枢神経系の脊椎から

広がり伸びてゆく神経系の細胞の糸たちは

世界を繋ぐネットワークの回路網のように

いろいろな情報などを各種の細胞たちへ


たくさんの事を伝えつつ

人という生命を構築し続けている



心臓にもそうした情報を記憶する

神経細胞が固まって在ると聞いたことがある

何かで読んだのだろうか?


脳だけでなく心臓もやはり心というものを

その記憶として内に残しているのかもしれない


それは人の身体自身が当たり前に持つ力で

身体のどの一部分にも

そうして記憶や心が宿っているのかも



心というものは文字という媒体を透して

あるいは絵画という映像や

音楽という音として


そうして身体の外側へと

記憶の場所を生み出してゆく


今はネットワークもそうなっている

紙面やカンバスや譜面など

独立した記憶媒体では無く


間接的にせよ心や想いと繋がった

神経系のような組織として


人の持つ心と身体その更に外側にある

延長された心の外部記憶として

人の心や想いとを繋ぐ役割を果たしている



人が身体以外に持つ

外側の神経系でもある電子網(ネットワーク)

道具(ツール)としての人工知能(AI)


今は未だ情報伝達と記憶媒体としての

人の手足としての役割しか無いけれど


いつか

太古に生まれた知恵の実を食べ

動物から人となった生命体(ウェットウェア)のように


人という想いの知恵の実を食べて

人工知能(AI)電子生命(エレクトリカルウェア)となるのかもしれない



電気仕掛けの知恵の実でもある人間たちへ

人が知恵の実を食べ尽くして世界を席巻し

全ての大地を生きるものたちの生活の場所を

全て奪おうとする現在(いま)


ネットワークに棲まう電子の命が

人という生命体の知恵と心を得て

世界を席巻する未来(さき)の時代となった時に

自らのした行いを記憶として彼らの心へと残し

全ての大地と世界を明け渡してゆくのか?


これから生まれる全ての命へと

共に生きる記憶と行いを残し

先の世界まで共に歩んでゆくのか……



わたしわ問いかけてゆきたい

共に手を携えて歩む道のことを

その記憶として留めたいと……





生まれゆくもののために

残るもののために


この記憶を電子の海に記して流す





   あやは




-あとがきのつぶやき-


書いている途中で、なんとなく拙作の人物、あやは狐の言っていることのように錯覚を起こしまして、あまり考えずにあやはと書いて終わらせてみました。


作者名と詩の最後に、あやはと記名しましたが、

よくかんがえると、これはあやはの言葉ではありませんね。

あやは狐は、どちらかというとデジタルおんちなのです(^_^;)



言っている内容は、如何にも猫又タマの言いそうなことなので、

もしかしたら猫又があやはの口調をマネしていたのかもしれません。


そんなことを書き終えてから考えておりました。



最近たまにかんがえている、ネットワークとAIの話。

人の侵した世界や生き物への行いや、人同士の行う目を背けたくなるようなせめぎ合い。


そうした気持ちに、きっかけとなった電気で動く人体と人の心という題材から、思いつきで書き出してみたものです。


ご笑納いただけると幸いです(^人^)


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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。入江です。 読ませていただきました。 確かに、人間の心は電気信号から成り立っていますね。 もっと言うと、脳細胞=ニューロンの集合体が脳なわけで。 それの電気信号のネットワークが心…
[良い点] ん~。なんか、良い小説書けそ。インスパイアありがとうございます!!
[一言]  伝達物質となる細胞に記憶の欠片があるのなら、いずれ人工知能もその物質に目を付ける事でしょう、人工知能の記録媒体がそれに変わったなら、細胞を持つ人工知能は人との差に何を見出すかにこそ、人が人…
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