第2話
絶対に作ると張り切ったのはいいものの、特に計画があるわけではなかった。
色々考えてみたが、思いつかない。
そしていつの間にか、学校にたどり着いてしまった。
教室に入り、椅子に座る。
それと同時に大きなため息が出る。
「翔くん、朝から元気ないねー。どうしたの?」
突然声をかけられる。
声をかけてきたのは、隣の席の女子生徒、三成 奈菜だった。
「まあ、ちょっと悩み事があってね」
「ふーん。暇だから相談に乗ってあげようか?」
優しいのか興味があるのかはわからないが、三成は俺の話を聞きたいようだ。
だが、彼女が欲しくて朝からため息をついているなど、恥ずかしくて言えるわけがない。
「嬉しいんだけどごめんな、あんまり公にできる内容じゃないんだ」
「もしかして、聞かないほうがいい感じだった……?そうだったらごめんね......」
三成は謝る。
「あ、謝らなくても大丈夫だから。あ、先生来たから席に戻ったほうがいいぞ」
三成に座るよう促す。
そしてその後すぐに授業が始まった。
三成は入学時からの長い付き合いの女子生徒。
明るい性格で、俺なんかにも優しくしてくれる。
気軽に話しやすく、先ほどのように些細なことでもしっかり謝る真面目な子。
三成と付き合えたら幸せだと思う。
しかし、三成が俺なんかと付き合ってくれるのだろうか。
おそらく、ものすごく謝られながら断られてしまうだろう。
もし告白するとしても、もっと段階を踏んでからではないと付き合ってもらえないだろう。
こんな感じで三成のことを考えながら授業を受けていたら、あっという間に終わりを迎えた。