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35話 ナンパ大作戦

ナンパしたい、と思った。



今日は学校が始まって初めての休日。もちろんクロアやラティナ姉が何かしようと迫ってきたけど、いつものように他のヤンデレと争い始めたから、俺はそこから逃げて街に出た。

暇だし適当に友達の家に遊びに行こうかと思っていた。


そして街を歩いていると、ある女を見つけた。



茶髪のロングで、ちょっとエロめのお姉さん。顔を見た瞬間にグッときた。


俺は一旦路地裏に隠れ、変装を俺ほどでは無いがイケメンに変える。イケメンの変装は当然価値が高い。けどこんな事もあろうかといくつか買っておいた。


そしてエロいお姉さんに近づく。魔力察知があるから、この人混みの中でも見逃す事は無い。



ナンパなんてしたこと無い。体験談すら聞いたことがない。だから緊張してるけど、別に失敗したって死ぬことは無い。ちょっと恥ずかしいだけさ。


「そこのお姉さん、ちょっと俺とお茶しない?」



俺は女の横から話しかけてみた。


いかにもなナンパに、周りの人が物珍しそうに俺を見る。思ったよりハズいけど、今更逃げたってもっと恥ずかしい。


女は少し驚いたように俺を見るが、俺がイケメンとわかったからなのか、すぐに妖艶な笑みを浮かべる。


「良いですよ。近くに〇〇って言う喫茶店があるんですが、どうですか?」



やっぱりイケメンは正義だった。一発でこんな美女をナンパすることに成功した。後は喋って仲良くなって、ホテルに誘えばクリア。冗談っぽく言えば、失敗したって冗談で済ませることが出来るかもしれない。


それに俺にはまだ手段がある。変装を解けば最高のイケメンに変わるし、第一俺には金がある。10億渡せば言う事聞いてくれるだろう。



肩に誰かの手が乗り、強く掴まれる。爪が食い込んでとても痛い。


「レイ、何してるの?」


「見ての通り、ナンパさ」


ラティナ姉だ。クロアと喧嘩してたはずなんだけど、一体何があったのかやら。


もちろん変装してるんだけど、顔があまり変わっていない。


「私がいるのに?」


お前姉だろと言いたくなるけど、ぐっとこらえた。



レイバーン・カトラス。ラティナ・カトラス。


この名前が知れ渡っている時点で、この2人に血縁関係があると大体の人は考えるに違いない。


そしてレイって言うあだ名。ラティナ姉の見た目。そこに姉だと言う。つまり血縁関係があると言えば、身バレする可能性がある。



更にラティナ姉が俺に好意を寄せてると知れ渡る可能性がある。


理由は知らないけど、近親愛なんて歓迎されるものでは無い。だからもしこれが発覚すれば、ラティナ姉の評判は悪くなる。



だから仕方なく、俺は姉だろと指摘せず、彼女にナンパがバレた彼氏のフリをすることにした。


「まあ、お姉さん。またあった時はよろしく」


俺はラティナ姉に引っ張られていく。それにこんな事言うから、肩を握る力はより強くなっている。


けどお姉さんはこんな俺にでも、笑顔で手を振ってくれた。まだチャンスはある、そう思えた。




「ねえ、なんでナンパなんてしたの?」


今現在、俺はラティナ姉に路地裏に連れ込まれ、尋問されている。


「ちょっと女が欲しくてさ」


「私は?」


前にもあったけど、ラティナ姉は俺に恋愛感情を持たれていると勘違いしてるらしい。



「ラティナ姉を女とは見ねえよ、だって姉じゃん。クロアならまだしもさ」


「姉、かあ……」


俺は近親愛に反対する気は無い。コルトはむしろ賛成してた。けど俺はそんな事する気なんて一切ない。。


「私の事呼んでみて?」


「ラティナ姉」


「ラティナって呼んで」


「呼び捨て……? 変だろ、姉のことそう呼ぶやつ聞いたことねえよ」


「良いから良いから。私を姉だと思うからダメなんだよ」


「でも姉じゃん。呼び方変わってもそれは変わらないよ」


何言ってるんだ?


「良いからさ? レイ」


「わかったって、ラティナ。……別に何も変わんねえじゃん。ちょっと変な気分だし、なんか違う?」


「大丈夫だよ、大違いだから」


「そうか?」


「うん」


「…………」





昨日はラティナ姉に見つかってナンパは失敗。その後俺はラティナ姉に連れ回され、魔法を教えられ。そして他のやつに見つかって……。


そんな感じで終わった。



そして今日、と言っても午前3時。俺は国を出ている。


入出国には審査が必要だ。しかしその審査はこんな時間にやってない。だから勝手に壁を乗り越えた。


法を破ってまで何がしたいといえば、ナンパしたい。


昨日は失敗したけど、それはあんな場所でやっていたからだと思ってる。いくらあいつらでも、他の国まで離れた俺を見つけるのは難しい。


俺は全力で走りながら、フレイアと出会ったレイラージ獣人国に向かっている。



誰かにつけられている気配は無い。しかし安心は出来ない。あっちは俺の居場所を察知できるが、俺は出来ない。だからつけられてるって可能性もある。


目的地の途中にはあるSランクの魔物がいる。ケルベロスっていう首が三個のあれだ。


ちょっとした小屋ぐらいの大きさしか無いし、飛ぶなんて事は無い。


一応この魔剣でジェット噴射すれば飛べるけど、あんまり慣れて無い。だから大型陸上生物との相性はかなりいい。恐らく負ける事は無いだろうけど、それでも苦戦はする。



俺は岩だらけの場所を進む。魔物の気配が一切ない。本来ならAランク辺りの魔物とエンカウントするはずなのに。


しばらく進んでいると、血の匂いを感じた。


その方向に向かうと、黒い毛の動物が血を流しながら倒れていた。



剣を光らせて詳しく観察すると、これはケルベロス。しかも血の様子から見て、まだ死んでからあまり経っていない。


傷口は直径1cm程の小さな穴が空いているだけ。周辺に戦闘した形跡もなし。



どうやらいるらしいな。けど誰だろうか?


恐らくラティナ姉かシーナなんだろうけど。まあこの死体は頂くとしよう。状態もいいし、数億円で売れるだろう。



俺は付いてきてるのがシーナだと信じて、レイラージに到着した。


意外だったけど、風俗は朝も空いているらしい。



まあ、こんな時間じゃ街に賑わいは無い。それは風俗街を見ても同じだった。


あの時はフレイア見つけてしまったけど、次はそんな事しない。そう強く決心して、風俗街に足を踏み入れた。


「どうしたの? ここは風俗街だよ?」


………………。


「そうだよ、ここに用事なんて無いでしょ?」



ラティナ姉とクロア。急に2人が目の前に現れた。一緒に寝てたし、起こしたんだろう。


しかしこんなに近距離によってこられれば、感じなかった気配も感じることが出来る。


後ろを見ると、もう3人もいた。

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