表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/37

23話 一番マシか?

「私とずっと一緒に暮らしましょうよ。私と過ごすことの方が、夢なんかよりもよっぽど大切でしょう?」


俺の夢がバカにされた。しかし、そうされて当たり前の夢だとは最初から自覚している。だから怒りは全く湧かない。そして夢とレシア。どっちが楽しいかと言われれば。


「まず俺とお前、一緒にいたのは数時間ほどだろ。だから俺達、まだ知り合いじゃないのか?」



護衛してたとき、俺を助けに来た? とき。そして今日のこの時間。


シーナとは何時間も戦ったから、友達では無いにしても、知り合い以上の何かではあるだろう。フレイアも戦ったし、一夜過ごしかけた仲だ。ただの知り合いと言うには無理があると思う。


「考えてみたら、お前だけ大した思い出が無いんだよ」


レシアが無表情に切り替わる。更に睨まれてるし、レシアの後ろに魔法陣が現れ、そこからゆっくりと何体かのアンデットが出てきた。


このまま行けば、強制監禁待ったなしだ。



「まあまあ落ち着けって、無いのが嫌なんだろ? なら今から作ろうぜ?」


だが他に比べて、レシアは俺の為に行動している。好きだからとか、拷問や食べたいとは違い、俺がそれを望んで無いとしっかり主張すれば、レシアの過保護をどうにかすることが出来るかもしれない。


そうなればただの俺に惚れてる絶世の美女。浮気を許すとは限らないが、最悪付き合わないって手もある。



そして遊びに誘われたレシアだが、一気に表情が明るくなった。確かレシアは19歳。


だから学年はラティナ姉と同じ5年生だ。けど学科がどれかは分からないが、それは今じゃなくても良い。わざわざこの雰囲気に水を指すこともないだろう。



俺はデート初心者だ。女と遊ぶことも会ったが、決して一対一になることは無く、必ず他の誰かがいた。


クロアやラティナ姉とデート?することは何度も会ったが、あいつらを女と言うには何か違う。姉と幼馴染だからな。


だからまともなデートなんて、これが初めてだ。けどショッピングとか劇場や観光などの、定番のデートスポットくらいは知ってる。


だから適当にそれらを巡り、結構楽しんだ後に、俺達は昼ごはんを食べていた。



レシアの要望で、本来なら行くだろう高い店では無く、よくある食券制の大衆食堂に来た。何か特別な何かがあるのかと聞かれれば、何も無いとしか言えない。かなり繁盛してるし、ピークタイムの今は、見渡す限り空席が見えない。


レシアはパスタ、俺はドリアを食べている。繁盛してることもあって美味しいし、値段も安いんだけど、デートに来る場所かと聞かれれば、絶対違う。


あまりにもうるさすぎて、声を大きくしなければまともに会話もできない。



もし彼女をこんな場所に連れてくれば、好感度がかなり下がりそうだが、ここを選んだのはレシアだ。案の定後悔してるようだ。


キャラ的にあまり大声は出せないんだろう。ここで会話できる程の声を出すレシアを想像できない。



そろそろ食べ終わるかといった時。ふと、俺達2人はある気配の接近に気がつく。


俺達だからこそ分かる、その強大な気配。これはシーナだ。



なれないレシアに変わり、俺が食器を返し、2人で食堂の外に出た。


だがシーナは既にかなり近い場所まで来ていたし、おそらくシーナのほうが早いんだろう。それにこっちにはレシアがいる。人混みなんて初めてだろう。だからスピードには期待できない。


ここは中央に近いから、俺だけなら逃げ切れる可能性もあったんだが、まあレシアがいればなんとかなるか?


「召喚、」


レシアがボソッと小さくそう言った。人混みの中とはいえ、どうにか聞き取れた。



「キャアァァ!」


1人か2人か、あるいはそれ以上の人が後ろで悲鳴を上げた。そしてそれとほぼ同時に、気持ちの悪い気配と、かすかにスケルトンとゾンビが視界に入る。


咄嗟に倒しに行こうとしたが、急に眠くなった。



足に力が入らなくなり、俺は前のめりに倒れかけるが、レシアがそっと俺を持つ。またお姫様抱っこだ。


なかなか異様な光景だとは思うが、そこにアンデットがいる。誰も俺達を気に留めることは無かった。ただ1人を除いて。


「随分強引な手に出たが、その先にも追手はいるぞ」





「やりやがったな!? ……ん? なんだ、俺の部屋か」


「どうしたの?」


俺はベッドに寝ていたが、クロアとラティナ姉が俺を挟むかのような配置で寝ていた。外は暗いし、時計の分針もちょうど7を指している。つまり俺はレシアに寝かされて、昼から6時間も眠らされていた。


強くなれば有害な薬品とか魔法への耐性も高くなる。Sランクの俺を何時間も眠らせた手段。いくらSSだからって、流石に効果ありすぎなんじゃ無いのか?



俺は2人に両腕をしっかりとホールドされ、このままじゃ起き上がれそうに無い。そして腹も減った。そろそろ何か食べたい。


「なあ、腕離してくれよ。そろそろ何か食べたいし」


「やだ。ずっとこうしてる」


「…………」


「何言ってんだよ? 腹減ったんだってば……ラティナ姉寝てるし」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ