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15話 オレの本気2

俺の剣の刃から、どこからかにじみ出てきた毒がポトポトと落ちている。そして落ちた毒の雫は地面の草に触れ、その草が一瞬で枯れ果てる。腕力不足はこれで補える。これでも十分な殺傷力はあるが、まだだ。


更に魔力を込め、剣が紫色の電気を放出する。もちろん毒は生成され続けている。この剣は、ある属性の能力を二つまで、刀身に宿らせることが出来る魔剣だ。


既に相当チートな性能はしてるが、あのドワーフのオッサンはこれを作って、まだ未完成だと言うんだ。面白いほどに恐ろしい。


でも、こんなに怖そうな脅しをしたのにも関わらず、フレイアに怯えた様子は無く、プンスカって擬音が付いてそうに怒っていた。


「うー!」


多分見た目相応で、年齢には不相応な文だ。そして戦いは始まった。



けど俺にとっちゃ地味で、何の面白みも無いクソの如き戦いだった。


だってコイツ、身体能力でゴリ押してくるだけなんだ。



天才的センスで、戦い方を教えられずとも理解しているとかそんなのじゃない。


最短距離で近づく、何か攻撃する、危なかったら攻撃か防御。



近づき方にも、どの攻撃をするかにも、防御か回避のどちらをとるかにも、色々ある。正直俺は感覚派の天才だから、あまりそういう事に詳しくは無いが。そんな俺の意見ではあるが、コイツがそんなのしてるように見えない。何の規則性も見えない。


だから俺も、適当な勘で行動するしかない。考えたって無駄だからだ。



けど見てるだけなら映える戦いだろう。恐らく城の見回りであろう兵士が、こっちを見ているのが見えた。


俺は魔剣を振ることで、その方向に紫色の雷を飛ばしている。それも爆音と強い光と共に。


そしてフレイアのパンチが空振って、地面にでも当たるとそこを中心にクレーターが出来る。



そりゃ見回りの兵士は何事かと見るだろうし、異変に気付いた野次馬が集まりだした。


けど野次馬は命の危険を感じてか、近づかずにかなり距離をとっている。だから巻き込む心配も無い。




で、色々あって、結局どっちが勝ったかと言うと、もちろん俺だ。もしあの時負けてたら、全身食われて出血多量で死んでる。


フレイアを何度も感電させ、フレイアを切って毒を入れたのが決定打となり、倒れた。そして想定通りフレイアは死んでない。毒で弱ったと言うよりかは、ただ疲れて倒れただけなんだろう。幸せそうに眠ってる。



だから俺は、剣を鞘にしまった。


そしてフレイアを左手だけで雑に持ち上げ、左肩で支えながら帰ることにした。野次馬たちには見えないほど高速で。



ホテルの15階へ窓から戻り、フレイアに手当をしてベッドで寝かせ、金と書置きを残す。


金は1年は不自由なく学園などに通える程度、そして書置きにはホテルなどの使い方と、学園に行けとだけ書くつもりだった。



しかし精神レベルがガキのこいつが、悪い大人に騙されないかと心配する内に、コイツに必要そうな一般常識、必要そうな施設の利用方法。冒険者のなり方。それらを出来るだけわかりやすい言葉で書いた。


更に俺の信頼できる、知り合い達の名前と住所を片っ端から書き、更にはそいつへの手紙と、その中に金とくっそ高い粉薬を入れておき、そこには俺の住所まで書いた。


もちろんフレイアが勝手に開けないよう、開けるんじゃねえぞと念入りに書いた。




そして服を着替え、部屋を正規の方法で出る。


あいつには相当酷い目にあわされたんだが、やっぱ幼なそうな子供だと、どうも甘くなってしまう。



そして俺は100万ほど出して、超高速で国に帰れる飛行船に乗った。


馬車の何倍も速く動くから、俺が起きて少し待った頃に到着してるだろう。俺は連日続く精神的な重労働の疲れもあり、俺は怪我の手当てもせずに、ベットに転がると同時に寝た。




「お、お客様。目的地に到着いたしました」


ん? ……ああ、やっべ。けど特に荷物も無いし、着替えずに寝てしまった。だから俺はすぐに飛行船を出た。



手当をしなかったせいで、右手が動かない。まあ一生治らないわけでも無く、病院で手当てしてもらえば数週間ほどで動くようになるだろう。

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