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 菜奈(なな)Side



 朝。

 私、白鳥(しらとり) 菜奈は目が覚めた。

 王城の中が少し、騒がしいように思えた。

 でも…そんな事、お構い無しにメルヴェル様達による、訓練が今日も始まる。



 滝川(たきがわ)くん、元気にしてるかな?

 あの時、水晶さえ割らなければ、牢屋に放り込まれる事など無かったのに…。牢屋に居る彼が、元気な筈は無いか…。



 私は、滝川くんに恋をしてるのだと思う。

 それは、一目惚れって言う奴なんだろう。

 彼は気付いていないだろうけど、私は好意を()せていた。だから、この世界に来て、我先にと会話を取った。



 私はずっと片思いでも良い。

 もしも、元の世界に帰れるのだとすれば、滝川くんも一緒に。その為に頑張るよ、私。


 「今日からダンジョンに潜ってもらう!こちらから先にパーティーを決めさせてもらった。そのパーティーで潜るように!」


 メルヴェル様はそう言った。その後に私達皆は、口を揃えて「はい!」と返事した。

 ダンジョンか…少し怖いな。



 私はラノベ好きの自他共に認める、典型的な腐女子だった。その為、ダンジョンと言うのがどう言うところなのかが、大体は想像出来ていた。


 「貴女が白鳥さん?」

 「ひゃい!?」


 変な声を出しちゃったよ…。

 も~、後ろから声を掛けられたものだから、驚いちゃったよ…。


 「御免ね?驚かすつもりは無かったの。あのね、パーティーメンバーになったからさ、仲良くしよう?」


 この女の子は荻原(おぎわら) 早璃南(さりな)さん。確か、有名企業の荻原グループの一人娘だった、超セレブな子だったよね。そして、物凄く天然で、愛想も良い為、クラスの人気者だった。


 「あ、宜しくお願いします」

 「堅くならなくても良いよ?クラスメイトだしさ。あ、菜奈と呼んでも良い?私の事は早璃南で良いから」


 台風の様な、嵐の様な、そんな人だ…。

 荻原さん…じゃなくて、早璃南は。


 「貴殿達が我輩のパーティーメンバーか?」


 私と早璃南に声を掛けてきた男子二人。まあ、その内の片方が聞いてきた訳だけだけど。


 「あら?原田くんと有田くん?二人もパーティーメンバー?」

 「そうだよ」

 「そうである」


 早璃南の質問に先に応えたのは有田くんで、後に応えたのは原田くん。


 「改めて自己紹介しなくちゃね!それから…Job(職業)Mr(魔法耐性)も!」


 早璃南は兎に角、仕切るのが上手だな…。


 「じゃあ、僕から良いかな?僕は有田(ありた) 正義(まさよし)です。Jobは騎士で、Mrは風だ。宜しくね」

 「次は我輩だな!我輩は原田(はらだ) 克臣(かつおみ)だ!Jobは有田殿と同じ騎士だ!Mrは火。宜しくするである!」

 「次、私♪私は荻原 早璃南です。Jobは魔法師。Mrは水だよ。宜しくね♪」


 三人の自己紹介が終わった。後、私だけ。


 「私は白鳥 菜奈です。Jobは聖女。Mrは光…宜しくお願いします」


 こんなものかな。


 「もー、堅くならなくても良いってば、奈菜!」


 早璃南に注意された。


 「おー、聖女キター!」

 「うんうん」


 あれ、原田くんが何かガッツポーズしてる…?

 何で有田くんは永遠に頷いているの?



 このメンバーでダンジョンに潜るんだ…。不安かも知れない。

 大丈夫かな、私達…。

 誰も聞こえない溜め息を私は漏らしたのだった。

***

 金色のドラゴンを倒してから、二日程経った。読み漁った本は、全て読破。図書館から借りた本も読破。(返した)

 そして、俺は暇となった。


 「あー…暇だな…」


 メルヴェルはずっと勇者に付きっきりの指導らしいし…。

 暇だし、ダンジョンでも潜るか。日帰りで!



 と言う訳で、俺は外に出て、《飛行》と言う魔法で飛び、上空からダンジョンを探した。


 「飛ぶのは結構、気持ち良いな…」


 おっ…?

 俺は面白そうなダンジョンを発見した。

 それは、噂で聞く、魔獣集合地帯(ダンジョン)である。

 強いものから弱いものまで何から何まで揃っているのだとか…。



 俺は一度も入った事が無い場所。行こうと思ったときには既に、魔法師団の遠征に繰り出されていた。その為に行く暇すら無かった。



 俺はダンジョン前に降り立ち、躊躇する事なく入って行った。

 一歩踏み出した瞬間、魔獣に遭遇した。

 これぞ正しく、魔獣集合地帯!


 『GAAA!!』


 ウサギみたいな身体のくせして、ドスの聞いた低い声を出すな…。


 「日本のウサギはそんな声、しなかったな!《避雷針》」


 先ず、ウサギは鳴かないが、俺は何かとその声に、ムカついていたのだと思う。



 日本の高校一年生の時の課外授業で、動物園と言うものに行った。

 初めて見るものしかない筈なのに、初めての感じが全くしなかった。兎に角、魔獣が沢山居る!と、思った位に…。

 危うく、魔法を発動させて、動物園の動物全て死んでる状態になる所だった。



 そこで今、《避雷針》の魔法で絶命させた魔獣に似ている、ウサギと言う動物と触れ合った。それは…愛玩動物と言われているのに相応しい程に可愛らしい…。あんな、変な声を出さない。

 それとのギャップに俺は、ムカついたんだよ…きっと。


 「うわっ…まだ、沢山居るのかよ…。同じ魔獣が!」

 『GAAA!』

 『GURUAAA!』


 こう言うのは、纏めてバイバイするのが楽ってのものよ!


 「《雷撃》」


 そして、俺の周りには、ウサギ似の魔獣の死体だらけになっていたのである。

 俺はダンジョンの奥へと進む。



 俺は立ち止まる。

 俺の目の前に大きな物体がある。変な感触…。


 『GURYUAAA!!』


 …ドラゴン?俺、最近、ドラゴンに遭いすぎじゃね?

 まあ…弱い部類に入る、緑色らしいし。大丈夫だろう。

 とは言え、一層目でドラゴン?

 ん?奥に正方形の切れ込みのある床がある…。それが、下の階層に行く階段だとすれば、このドラゴンは階層ボスってところか?



 ドラゴンはダンジョンの最下層のダンジョンボスとして良く出てくる。(本に)

 魔獣集合地帯のこのダンジョン、最下層にはどんなボスが待ち受けているんだ?すげぇ、楽しみ。

 早速、目の前の緑色のドラゴンを倒すか!そして、最下層までの魔獣をサクサクと倒す!

 俺の唯の暇潰しだと言うことにお忘れなく。


 「決まれば早速…魔法ではなく、拳!」


 俺は自前のジャンプ力からドラゴンの上に行き、拳を振り下ろした。

 見事、絶命。即死だよ、即死。脳内出血。


 「デカければ良いってもんじゃねぇな…」


 奥に正方形の切れ込みのあった床から正方形の穴が出来た。良く見れば、下の階層に行く階段であった。

 俺は振り向きもせずに、階段を下った。


 『SHAAAA!!』


 階段を下りきった先に待ち構えていた魔獣が居た。日本で言うネコの様な魔獣。

 それが果たしてネコと言えるのだろうか…。大きなネコ。ライオンでは無い。


 「うわー…他にも何十匹も集まって来た…」


 俺は既に囲まれている。

 やっぱ、凄いな?魔獣集合地帯!


 「《雷撃》」


 俺は大きなネコ集団を《雷撃》だけで倒した。それから、魔獣達をサクサク《雷撃》で倒していった。

 と言うことは、まだ全然弱い部類。



 魔獣達が現れては倒し、現れては倒しを繰り返し、階層ボスらしき少し大きな魔獣と遭遇した。

 そして、俺は握り拳で華麗にボスを倒し、下の階層へと向かう。



 取り敢えず、それをやり続けて、二百回目。

 大きな部屋一つしかない、階層だった。

 遂にダンジョンボスかな?

 何かデカイ扉をぶっ壊し(物理)、中へと入った。


 『DALSHAA!!』


 変な生き物。

 蛇の様な長い舌。ライオンの様な(たてがみ)。そして、二足歩行らしい。ちゃんと、二つだけの足で立っている。人の様な筋肉。

 気持ち悪いったら、ありゃしない。うえ~。


 「もしかしたら、人の言葉を喋ったりするのか?」

 『…オレの威嚇にビビらない人間なんて初めてだ』


 喋った。マジかよ…。



 俺はこれ以上、突っ込まないからな。


 『ま、ここまで来た人間も初めてだ!』


 へー。(ここは)未開拓の場所だったんだね。

 話ながら、魔獣は大きく拳を振り下ろしを何十回もしている。全て俺は避けている。


 『人間がオレの拳を避けるだとっ…!?』


 駿足を越えた迅速、神速…?その位のスピードだと思うよ、魔獣。それを軽々避ける俺は何なんだろうね?

 でも、規則性があるんだよな、この攻撃。なら、避けるのも簡単、簡単。


 「んで、お前は、ダンジョンボス?」


 これだけをハッキリとさせておこう。


 『…少し違うな』

 「チッ…(舌打ち)」


 俺はこの魔獣に十分以上に聞こえる舌打ちをした。


 『舌打ちをしたなっ!?人間!オレは魔王様に直に創られたのだ!ダンジョンボスの魔獣はオレが食した。まあ、オレがダンジョンボスの様な感じだ!』

 「話が長いな。さよなら、図体だけの魔獣。《避雷針》」

 『なっ!?このオレが図体だけの魔J…RYUAAA!?』


 ショック死。行き絶える魔獣。早いな、死ぬの。



 てか、コイツじゃねーのかよ…ダンジョンボスとやら。

 期待して損した…。


 「ん…?」


 先程、殺した魔獣の腹を割いて何かが、出てきた。


 『MOOO~!!』


 牛?闘牛?

 何かそれっぽい魔獣が出てきた訳で…。

 殺した魔獣は蛇の様な口をしていた。つまり、丸飲み。食べたと言うダンジョンボスも丸飲み。それかな?

 何か一度でもやってみたい事が…!

 ローブを外し、両手でローブを使ってヒラヒラさせる。つまり、闘牛士みたいなことをする!日本に一回、行ったから思うんだよなぁ…。


 「さあ、来いっ!」

 『BURYUAMOOO!!』


 見事、寄ってくる。はい、(かわ)す~!



 それを、大体、三分位続けた。

 牛の魔獣は、まだ、走りまくる。

 俺は飽きてきた。


 「飽きてきたので、倒す!お疲れさん。《焼死》」

 『MOOO!?』


 《焼死》と言うのは、火属性魔法と闇属性魔法の複合魔法で出来ている。火属性の要素『焼く』と、闇属性の要素『必ず殺す呪いみたいな奴』が合わさっているらしい。

 んな事、知ったこっちゃねぇ!と思って、いつも色んな魔法を使う俺である。



 見事、焼肉になった牛である。

 食べてみる…か?

 美味しそうにジュウジュウ言ってるし…。

 俺は焼肉になったボスをガブリ付いてみた。

ここまで読んでくださり有り難うございます。

誤字脱字の指摘、感想、ブックマーク、評価、レビューをくれると幸いです。

***

今日は初めての2話投稿でした。どうでしたか?

まだ、お盆毎日投稿は明日が残ってますので、明日もお付き合い下さい。

***

次の更新は明日8月15日の予定です。

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