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俺はシェリフに止められた気がするが飛び出し、ドラゴンの上空を《飛行》で飛んでいた。
人がゴミのようだ…なんて、日本のアニメ映画にあったなぁ…。(今更)
ドラゴンがブレスを吐く、アレドラントは自身に治療を施す。それだけを、繰り返しているのを見てて、ジリ貧だろうと思って、飛び出した訳だが…。
アレドラントが《飛行》を使って避け始めて…それでも、攻撃が出来ていないように見えていた。
回避だけではドラゴンは倒せる訳が無い。
俺は力を込めて、拳をドラゴンに奮った。
『GYUOO!?』
ドラゴンの体勢が崩れた。
そして、地面に叩き付けられたせいか、身体はボロボロ。見た感じ、致命傷に近い傷となったみたいだ。
「…やっぱり、弱いか…」
金色のドラゴンの時は、致命傷に程遠い傷ーかすり傷程度だったが、今回の黒色のドラゴンは致命傷に近かった。
黒色と金色には天と地の差があった訳か。
アレドラントが俺を、狂っている様に見ている様だが、気にしない。今に始まった事じゃ無いから。…自分で言ってて悲しい気がする?
『GYURURU…』
おっ?ドラゴン、起き上がってくるな?
起き上がりの絶命してあげようか…。
「《避雷針》」
『GYUAAA!!』
起き上がりショック死。バイバイ、黒色ドラゴン。
威力をいつも以上に上げてあげたよ。
黒焦げになっても可笑しくないが、黒色であるドラゴンは焦げたかどうかは、視認出来ない。
ま、多分、死んだな。
…俺が魔法師団団長だと勘がついた団員が居たかも知れないな…。アレドラントやその他団員達の記憶を消して終えるか。
「《広範囲・記憶操作》」
無属性魔法に属する《記憶操作》の広範囲バージョン。
この地域周辺に居る人全員の記憶を消した。
「《瞬間移動》」
俺はこの場から立ち去った。
帰って着くは、メルヴェルの自宅の玄関。
ふと、シェリフとの会話を思い出した。本当に急にだ。
魔王が活発に動き始めている、か…。
魔獣出現は増える一方にあるとでも言っているな。
この日、夕食をアレドラントは作りに来なかった。
***
アレドラントは一人、メルヴェルに今日の遠征について報告しに王城に出向いていた。
「ドラゴンを倒したか…それでどうした?何故、私に報告する必要がある?」
本来、報告する必要は無いのだ。何せ、魔法師団の事実上、最高位の権力を握るアレドラントが、魔法師団を既に退役したメルヴェルに報告する事はまず、あり得ない話なのだ。
「ドラゴンを倒したのではなく、倒れていたのです…」
アレドラントは、アヴィルが倒した瞬間の記憶を消され、気付いたら、ドラゴンは息絶えていたのである。
「倒したから倒れていたのではなく?」
メルヴェルはアレドラントに聞いた。
「はい」
「そうか…」
メルヴェルは納得をした。ドラゴンを倒したのはアヴィルと言う目星を付けて。
「メルヴェル殿」
「何だ?」
「アヴィル…とは何者なのですか?」
記憶が途切れる前に見た、アヴィルの狂人染みた表情。昨日の決闘で自分に勝ったアヴィル。アヴィルを、ただ者ではないと勘付いていた。
「現副団長の貴殿には知る必要は無い」
メルヴェルは、アヴィルとの秘密を守ろうとした。
「そうですか…いつか必ず、聞き出してみせますよ」
アレドラントはそう言って、王城を後にした。
(…団長殿、絶対に正体を隠し通してみせます)
メルヴェルは一人、強く決心をした。
***
俺は一人、書斎に籠って、本を読み漁る。
静かな時を過ごしている。
…。
書斎に籠り始めて何時間経った頃だろうか。
『ガタガタッ…』
地震か?机が揺れ、積み上げた本は崩れ落ちた。
…いや、何か来た。
俺は、この揺れを知っている。
この世界に地震と言う災害は起こらない。起こらない様に抑制力が何か働いていると、昔、聞いた覚えがある。
だから、本来、揺れが起こる筈はない。それに、何者かが降り立った様な揺れ。
「相当大きな、魔獣出現か?」
俺は興味本位で外に出た。
「そこの坊主!隠れろ!」
外に出た瞬間、見知らぬ男性に声を掛けられた。
俺の目の前には、ブレスを吐く直前の金色のドラゴンが居た。
『GYUOO!!』
綺麗な金色のドラゴン。
ドラゴンの中で最上位に位置する最強のドラゴン。最強とは、この様なドラゴンを指すのだ――――っと。
俺はドラゴンのブレスを直撃した。
うん、中々強めのブレスやね…。
『何故、我のブレスを直撃しても、直立出来るのだ?』
ん?
ドラゴン、喋れるのね。
昔、聞いた話がある。魔王が人の言葉を喋れる魔獣を創り出す事もあると。そして、とても強い魔獣でもあると。
「魔王に創られた魔獣って訳か…」
『して、人の子よ…死ねぇぇっっ!!』
ブレス二回目を吐いて、俺に直撃。
さっきよりも、威力が増したブレス。
メルヴェルの自宅が全壊寸前だよ…。後で直しておくとするか…。
『はっ…?何故、死なないっ!?』
ドラゴンは動揺している。
「じゃあ、俺のターンかな?」
魔獣との争いにターンなど有りはしないのだが、格好良く言ってみた。
「《熔岩》」
遊び感覚で、何で絶命するか気になり、まず先にと火属性魔法の《熔岩》にした。
《熔岩》は、マグマを出して、相手を溶かす魔法。日本に居たときに、マグマと言う高温の物体を知ったので、創ってみた。
『GYUUAAA!?』
溶けてる、熔けてる、融けてる。
でも、致命傷とは、いかなかったか。
「次は何にしようか…」
俺はお遊びで、次に繰り出す魔法を考えていた。まあ、その最中に三発位、ブレスを直撃していたが。
俺にはHP、MPに底がない。容易に死ぬことは無い。あり得ないのだ。何でだろうね?
『ど、どうして…貴様は死なないっ…?』
「あれ?『人の子』じゃないの?まあ、いっか。《避雷針》」
黒色のドラゴンに撃った時よりも更に強めにね。
『GYU…GAAAA!!??』
ドラゴンは致命傷らしい。絶命はしない、か…少し、しぶとい?
『き、貴様は…人の世に居る…べきでは無い…』
何か言ってる。まあ、ドラゴンと会話なんてそうそう無いからな。楽しんでおくか。
「人の世に居るべきでは無い?それはどういう意味だ?」
『貴様の様な…強者が…何故…人の世に…隠れられる?』
「強き者に強者と呼ばれるとは光栄な事だ。そして、俺は人間だ。だから、人の世に居るんだ」
『我…には…貴様…が、人間…には…到底見えぬ…』
失礼なドラゴンだ。
両親は人間だぞ?例え、エルフなど亜人などでは無いぞ?あ、でも、この世界には亜人なんて居る筈が無いんだがな。もしかしすると、居るかも知れないが。
俺は普通では無いかも知れないが、普通の人間として、生きてきた筈なのだがな。
「さよなら、金色のドラゴン。《避雷針》」
さっきよりも、更に強めに撃っといた。
ドラゴンはピクリとも動かなくなった。
死んだかな。周りには誰も居なかった。ドラゴンから避難したのだろう。
取り敢えず…この辺一帯の家屋は直しておくか。
「《広範囲・修復》」
光属性魔法である《修復》は、物体を元に戻す魔法。それの広範囲バージョン。ちゃんと範囲は設定した。
メルヴェルの自宅も元に戻り、周りの家も元通り。
人が出てくる前に、メルヴェルの自宅に入ろうか…。
俺はメルヴェルの自宅に入り、書斎へと戻った。
…今日はドラゴンを二匹も見た。俺でも早々、無い体験である。
やはり、魔王の活発化が関係しているのだろうか?
まあ、魔王を倒すのは、異世界からの勇者と決まっているテンプレの様な物だ。俺の出る幕など無いだろう。…そう信じたい。
アレドラントでさえ、黒色のドラゴンは倒せない。勇者に魔王を倒せるのか?
「まず、無理だろうなぁ…」
俺は本のページを捲り、読み進めている。
俺の物語。転移させられた後の話は、フィクション。
絶対にあり得ない、ありもしない話がてんこ盛りだった。
ツッコミながら、本を読み進める事なんて初めての感覚…。
静かな時をまた、過ごす。
ドラゴンでも来ない限りは。
***
薄暗く、廃れた屋敷。城とでも言う人も居る様な大きな屋敷である。
薄暗い屋敷は、夜になり、一層、気味悪くするものであった。
玉座と言えるような大きく、豪華な椅子に座る者、その前で跪く者が居る。
玉座に座る者が一方的に喋っている。
「金色のドラゴンを倒されましたか…」
跪いている者はより一層、頭を垂れた。
「…勇者なんかよりも、ドラゴンを倒された…に、早く会いたいですね」
薄暗いその場所で、気味悪く微笑んだ。
***
「起きろ、貴様!」
俺は、本を読んでいる途中、そのまま寝落ちしたらしい。
アレドラントに叩き起こされた。
「…不法侵入じゃないのか?」
「メルヴェル殿の御命令だ!して、合鍵を拝借させて頂いた!決して、不法侵入などでは無い!」
朝から煩い…。よく、そんな声が朝から出せるよな…。
「もう、朝食は出来ている。冷めない内に食え」
何かムカつく…。
だが、料理は普通に美味い。メルヴェル程では無いが。何かが足りないんだよなぁ…。どうしたら、こんなに料理が出るなんて不思議な位だ。
「貴様、昨日の夜は何処に居た?」
「急だなー」
「応えろ」
鬼の形相とまでは行かないが、それに程近い表情をしている。
「この家に居たぞ?それがどうした?」
「この辺に昨晩、金色のドラゴンが現れたと報告が有った。だが、一晩も経たない内に倒されていたのだ」
へー。
「貴様が倒したのではないのか?」
根拠も無しに疑うのぉ…?
アレドラントは俺の目をじーっと見詰めている。
流石の俺も、そんなに見詰められると気恥ずかしい…。
「貴様は一体、何者だ?」
そんなに気になる?だけど、言わねーよ。
「俺は唯のアヴィルさ」
「そんなものは知っている!名前を聞いているのではない!」
あらあら…。
「人を孫策するのは良くないぞ、副団長」
「うぐっ…失礼した」
謝罪をしている様な顔には見えないが、許す。
アレドラントはメルヴェルの自宅を出ていった。
俺は本の続きでも読もうか。
ここまで読んでくださり有り難うございます。
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今日は通常投稿日(火・金)と被ってますので、2話投稿です。
是非、読んでください。
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次の更新は今日の12:00です。




