表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移?いや、故郷の世界に帰っただけだった。~異世界最強魔法師が五十年後に勇者召喚で帰って来て、異世界無双をする~  作者: みーふるー
1部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/83

2

 メルヴェルの自宅は、結構綺麗な木造の三階建ての一軒家だ。


 「私、この歳ですし、二階までならまだしも、三階まで登るのは辛いのですよ。三階を、団長殿がご自由にご使用下さい。食事等も三階で取っても構いませんが…」

 「それなら、毎食、一階に降りてこよう」

 「本当ですか?」

 「ああ」


 こう言う会話をした。



 それで、今、一階のダイニングに居る。夕食の時間、と言うことだ。

 約束()、出来る限り守る男だからな。


 「異世界に転移させられた後、もう、帰ってこないと思いました」


 メルヴェルは胸に手を当て、ホッとしたように、撫で下ろした。


 「俺も、帰れないかと思ったな。まさか、勇者召喚に巻き込まれるとは…」

 「団長殿も勇者様!?」


 メルヴェルは驚いたように、立ち上がった。少し、訂正を入れておくか。


 「俺は勇者召喚で帰られただけだ。魔法師団にあった水晶でステータスを確認したが、称号(Title)には『勇者』と一言一句、書かれてなかった。」

 「そうなのですか…」

 「そう言えば…王城に水晶が有ったが、何でだ?王家に寄贈した記憶なんて無いんだが」


 これは、是非、聞きたかった事なんだ!こちらに帰ってきてから、ずっと謎に思ってたからな。


 「それは…元々、団長殿が魔法師団の為に創られた物です」

 「それが何故、王家の手に?」

 「王家の使いの者が奪っていったのです。ですが、私達の精進の為には水晶が必要不可欠。なので、団長殿の水晶を使わせていただいていました」


 そんな事が起きたんだ…俺の転移後に。


 「王城に有る水晶は、もう、取り返せません」

 「それは、割られたからだろう?」


 勇者の育成をしに、王城に出向くメルヴェルだ。知ってるだろう。


 「な、何故それをっ!?あ、団長殿は勇者様達と一緒に召喚されたんでしたっけ?」

 「あ、うん。俺が、割った。水晶を」


 メルヴェルは驚いていたが、落ち着いた。


 「そうなんですね…団長殿以外が割ったのなら倒しに行きますが、団長殿ですから怒る理由が有りませんね。元々、団長殿が創られた物を本人が割っても別に良いですもんね」


 メルヴェルは分かってるね。うんうん。


 「メルヴェル」

 「はい、何でしょうか?団長殿」

 「魔法師団の本部に有る水晶は、引き続き使ってくれて構わない」

 「それでは、団長殿が!」

 「あー、俺は自分用をもう一回、創り直すよ。だから、安心しろ」


 メルヴェルは嬉しそうに「はいっ」と言った。顔のシワが気にならない位の素敵な笑顔だった。



 あれから、俺達は夕食を食べ終わり、俺は三階のある部屋に居た。

 三階の部屋は暮らすには不便は無い。書斎と寝室だからな。

 ある部屋とは、書斎の事である。

 俺は作業に勤しむ。

 作業は水晶創り。

 新しく創るんだ、過去に創った物よりも、更に性能の良い物を創ろう。


***


 俺は一晩中、水晶創りをしていた。多分、一睡もしてない。


 「団長殿、おはようございます」

 「ああ、おはよう」


 朝食ということで、一階に降りてきていた。創った水晶を持って。水晶は大小で二つ創ったんだよね。


 「それは…新しい水晶ですか?」

 「そうだ。大きい方は俺専用の水晶。過去に創った物よりも、更に性能がパワーアップしているぞ。因みに、小さい方は王家に寄贈する」

 「王家に…!?」


 驚いてるな。


 「性能ダウンした水晶だ。試しに触れてみてくれ。両方共に」

 「試しても宜しいんですか?」

 「ああ」


 メルヴェルは小さい水晶から触れた。


ーーー

 Name:メルヴェル・アディブルワ Lv:310

 Mr:火、水、光 Job:魔法師

ーーー


 「確かにそうですね。記述内容がとても少ないですね」


 メルヴェルは次に大きい水晶に触れた。


ーーー

 Name:メルヴェル・アディブルワ Age:75

 Lv:310 Mr:火、水、光

 HP:80000/80000 MP:560000/560000

 Job:第二階級魔法師

 Title:元魔法師団高等団員及び団長補佐

ーーー


 「今までよりも少し詳しく出ますね。性能の差がこんなにも違うなんて…」

 「その小さい方を、王家に寄贈してきてくれないか?」

 「何故、私なんですか?」

 「今日も、王城に出向くんだろう?」

 「そうですね、分かりました。私が責任を持って寄贈してきます!」


 嬉しそうに、小さい水晶を抱え、メルヴェルは出ていった。

 そう言えば、クラスメイト達は今頃、何をしているのかな?

***

 王城の朝。


 「ナナ様、おはようございます」


 アヴィルに転移後に話し掛けた唯一のクラスメイトである奈菜(なな)の部屋である。

 勇者一人一人に専属メイドが一人付いてきた。そのメイドから挨拶をされたのだ。


 「おはようございます」


 奈菜はちゃんと返事を返した。

 専属メイドを引き連れ、向かう先は食堂。朝食の時間である。




 そして、アヴィルを除いた全員が集合した時、シスナータ王女がこう言った。


 「おはようございます、勇者様達。今日から本格的に優秀な魔法師の方達による指導が始まります。皆様、頑張って下さいませ」


 そうすると、勇者達は一致団結をした感じになった。

 (私も頑張らないと…!何せ、私は聖女何だから!)




 朝食を食べ終わった勇者達は外に集まっている。勿論、メルヴェルを含む魔法師達も。

 これから、苦しい、辛い教育が始まる事も知らない、勇者達は呑気にメルヴェル達を死直前の年寄り扱いをしていた。

 メルヴェル達魔法師が怒っている事も知らずに。

***

 俺は魔法師団の本部に出向こうと思う。

 昨日の門番に話を通してもらえば…いけると思うよな?


 「あっ、団長殿!?」


 門番は昨日と相変わらず、立っている。


 「俺は魔法師団として、遠征に出向きたいと思っている。団長と言うのは隠して欲しい。出来るか?」

 「ええ…出来るとは思いますが、魔法師団の制服を着て貰っても?」


 …日本の高校の制服のままだったな…。


 「魔法師団の制服は、団長執務室に有る筈だ。入れてくれるだろうか?」

 「執務室は…俺の一存では無理ですね。副団長殿に話を通さなければ…」


 今の副団長は誰だろうか。


 「しょうがない。制服予備から、制服を用意してくれるか?」

 「はい、お待ちィっっ!!」


 敬礼をして、走って取ってきた。速い、速い。

 制服は男女共に暗めの紺を基調とした、セーラーブレザーにボタンがダブルタイプで、紺のネクタイ。そして、黒色のローブである。男性はズボン、女性はスカート。どちらも暗めの紺である。

 団長、副団長、団長補佐などの高等団員に限っては、ローブに金色の刺繍が淵に施されている。

 俺が受け取った制服は、勿論、ローブには何も施されてなど居ない。それでも、折角、用意してくれた物だ。


 「有り難う」

 「いえいえ!お、俺には…勿体無いお言葉です!」


 制服を腕に通した。


 「団長殿、遠征先は何処へ?」


 あっ、やべっ。


 「決めてなかったな…」

 「えっ!?」


 そんなに驚く程なのか?


 「そうだな…遠征と見せ掛けて、俺の自由奔放な旅ってのは、どうだ?」


 提案。こんな提案を、一団員の一門番の男性魔法師にするものなのか。


 「良い案だとは思いますが…」

 「何か問題でも?」

 「あっ…いえ、何でも有りません。ご旅行、楽しんできてください!」


 久々の故郷を旅するのは、悪くないな。

 俺は魔法師団の本部を出た。


 「《飛行》」


 俺は人目に付かない所で魔法を発動させた。空を飛ぶ魔法なんて人に見られたら一大事だもんな。

 物凄いスピードで上空に上がった。

 何処へ行こうか…。

 流石に、夕食と朝食はメルヴェルの家で食べなければならないからな…。一日に何回も帰ってきて、旅と言えるのだろうか?ならば、一層、拠点をメルヴェルの自宅にして食事の時間以外は遠くに行く。《瞬間移動》と言う魔法で。

 《瞬間移動》と言うのは、ある場からある場へと瞬時に対象物を移動させる魔法。俺を転移させたあの魔法とは違い、異世界へは行けないと言う制限がある。

 これで、解決か。

 さて、何処へ行こうか。

 う~ん…。

 ダンジョンにでも潜るか…。

 ダンジョンには沢山の魔獣が潜んでいる。魔法師、騎士、冒険者の先頭能力向上の為の訓練場になる事が多い。

 初心者向けの簡単なダンジョンに潜ろうかな。

 俺は比較的簡単なレベルの低いダンジョンへと向かった。

 レベルの低い高いが判るのは、ダンジョンの扉に違いがあるからである。

 ダンジョンの扉を開け、いざ出発!

 薄暗いダンジョンの中を進む。


 『GAAA!!!』


 ダンジョンで初めての魔獣登場。

 日本で言う、蜘蛛のデカイバージョン。目はでかく、赤い。全身、黒い。


 「それでも弱いんだよな…《砂埃》」


 魔法の属性が地の魔法、《砂埃》を発動させた。本来、砂を軽く巻き上げる程度の魔法だが、俺の場合、軽くも何もなく…魔獣は息絶えていた。

 その後も、同じ様に《砂埃》で倒した。

 階層を進み、進み、進んだ。

 …?

 奥に人が居る?

 ダンジョンで初めて人の声を聞いた。

 走って近付き、気付かれないように見てみる。


 「っ…。ひ、光の精霊よ、我に力を!《回復》!」


 四人のパーティーか。

 魔獣との戦闘中に負傷した味方を治療しているところなのか。

 魔法の属性は光である《回復》を酷使している男性は辛そうだな。もう少しで、魔力が枯渇しそうだな。


 「ぐっ…」

 「頑張って!」

 「耐えろっ!」


 男性三人と女性一人の四人パーティー。見たところ、冒険者。それも超初心者。

 基本パーティーの組み合わせとして、『剣士』『魔法使い』『僧侶』が均等な力になるように組む。

 《回復》を使った男性が僧侶だろう。

 ああ、因みに魔法使いと言うのは魔法師の下位職業であり、また、剣士も騎士の下位職業である。

 僧侶は聖女か、神官とかの下位職業じゃなかったっけ?

 いやー、修羅場っすね…。

 ここは手助けすべき?

 あーでもな…。

 剣士が女性か。凄い気難しそう。(イメージ)

 残りの男性二人は魔法使いです、多分。

 …だったら、魔力を分けるべきじゃね?

 よし、一向に治療が終わらなそうだし、俺が治療してやる。(少し遠くから)

 俺は魔法を発動させる。


 「《超回復》」とな。

ここまで読んでくださり有り難うございます。

誤字脱字の指摘、感想、ブックマーク、評価、レビューをくれると幸いです。

***

次の更新は8月4日の予定です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ