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 本当に帰ってきたんだ…でも、王族に、シスナータ王女って居たっけ?そんな名前、初耳。


 「滝川くん…これ、どうなっているのか、わかる?」


 因みに、俺の向こうの世界での名前は滝川(たきがわ) アヴィル。日本人と外国人とのハーフ設定にした。実際のお名前は違うけど。この世界に戻ってきた事だし、元の名前で生活しても良いだろう。

 でも、クラスメイトが居るなら、向こう世界のキャラクターで暮らそう。


 「異世界…って言う奴じゃないかな?」


 少し前、「ハーフなのにとても流暢に日本語を話すね?」と聞かれた事がある。その時に、「生まれも育ちも日本なんだよ」と言った。

 それで押しきってきたが、ここでは利かないよな…。


 「へ~、意外と(ラノベ)読むんだね、滝川くんは」


 あの世界にラノベと言う文化があって、本当に良かったね。

 そして、俺に現在進行形で話しをしているのはクラスメイトの女子。名前は白鳥(しらとり) 菜奈(なな)


 「白鳥さんは読まないの?」


 軽く聞いてみる。会話を弾ませるのは大切だからね。


 「それを、私に聞く?話が長くなるけど良いなら、話すよ?」


 白鳥さんは目を輝かせて、そう言った。


 「…遠慮しときます」

 「えー」


 俺、長話が嫌いなんだよ。


 「最後のお二人様、この水晶にお触り下さい!」


 シスナータ王女が叫んだ。

 最後のお二人様と言うのは、俺と白鳥さんの二人だろう。


 「滝川くん、行かなくちゃ!」


 白鳥さんは嬉しそうに、俺の腕を掴み、水晶の元へと向かった。

 …水晶?


 「お触る前に忠告がございますので、よくお聞きくださいませ」


 白鳥さんが触ろうとした時、シスナータ王女が忠告と、水晶について説明をした。


 「この水晶は、かの魔法師団団長様が、我が王家に対して創って下さいました代物です。我が王家の宝にして、国宝です。大切に扱ってください」


 そうだった。俺が魔法師の魔力量を簡単に確認出来るように創った奴だ。俺が触れば一発でバレる。(キャラ設定だったことが)


 そう言えば、俺、王家に対して創った記憶なんて無いな…。それに、王家に寄贈した記憶も。何で?

 そうしている内に白鳥さんが触った。

 白鳥さんは、次は俺の番だと、背中を押した。気持ち的にではなくて。

 シスナータ王女と他王家の皆様に悪いが、ここは水晶を割らせてもらう。

 磔刑になる?そんなもの知ったこっちゃない。

 いざ、参る!


 『ガシャーン!』


 俺はグーパンで木端微塵に砕いた。

 俺の手には血が…そんなもの直ぐに治療してやったわ。誰も気付かない程のスピードで。


 「…国宝を…砕いた?いえ、かの者を捕らえなさい!地下の牢屋に放り込むのです!」


 シスナータ王女は頭に血がのぼり、俺の方向に指を指して周りの騎士共に命令していた。

 国宝を木端微塵にしたのは悪かったが、自分で創った物を木端微塵にして何が悪い?



 そんな事を思いながら、騎士共に拘束され、王城地下の牢屋に放り込まれた。

 こんな所、直ぐに出られる。

 超おひさな魔法で出てやりますよ。何せ、俺は魔法師団団長だったんだからさ。


 「《解錠》」


 無系統魔法の《解錠》は現在、俺にしか使えないんじゃないかな。俺のオリジナルなんだし。

 牢屋の鍵を開け、走って出ていった。

 門番?とかは、全て事前に眠ってもらいました。《睡眠》でね。

 楽に出られた事だし、久し振りに魔法師団の本部でも行こうかな。

***

 アヴィルが捕らえられた後、シスナータ王女は話を続けた。


 「かの魔法師団団長様が行方不明になった後から五十年立ち、魔王が活性化しつつあります。どうか、勇者様達。私達の国、世界をも魔王の脅威から助けてくださいませ!」


 アヴィルのクラスメイト達はシスナータ王女の話に聞き入っていた。

 そうする内に、アヴィルが捕らえられた事などどうでも良くなった。

 勿論、アヴィルと召喚後に唯一話をした菜奈でさえ、その時はどうでも良いやと、思っていた。


 「勇者様達の育成の為に、元魔法師団団員で優秀な魔法師を呼びました」


 シスナータ王女が紹介した時、煙が立った。

 そこには、年寄りの男女五人が立っていた。


 「私はメルヴェル・アディブルワだ。十年前に退役したが、魔法と言うものは衰えたりはしない。厳しく、育てていくので宜しく願おう!」


 男女五人の中心に立っていた、年寄りの中で一番若い女性が声を張り上げて自己紹介をした。


 「私はガードラーレ・アフロシェルド。二年前に退役した身だが、副団長だった身でもある。この女…メルヴェルよりは魔法の手は上だ。取り敢えず、宜しく」


 他、男一人と女二人も後に続くようにして自己紹介をした。

 クラスメイトの共通印象として、「仲、悪そうだな…」と言う印象を受けた。

***

 魔法師団の本部に着いた。超おひさだから、場所、変わってるかもーとか思ったが、そんな事は一切、無かった。途中にあった冒険者ギルドの外装が一変してたぐらい。


 「おい」


 本部の中に入ろうとした時、門番の魔法師団団員が俺を止めた。


 「ここは神聖な魔法師団の本部だ。魔法師団団員でもないお前が、入れる場所では無い!帰った、帰った」


 門番は俺を追い返す様に追い払う手をした。

 服が原因かな?

 服は、かつて魔法師団団長だった頃とは違い、日本の高校の制服である。

 もう、素直に魔法師団団長だと言おうか。単に弁明がめんどくさいし。


 「俺は魔法師団団長だ、入れろ」


 そうすると、門番は大声で笑い出した。

 何で笑う?そんなに面白いか?てか、煩いな?


 「魔法師団の団長殿は五十年前に行方不明になった。既に亡くなられたも当然。もっと、ましな嘘をつくんだな!」


 嘘、じゃないんだよなぁ…。

 ちょっと待って。五十年前って言った?


 「い、今、何年だ!?」

 「は?そんなものも知らないのか?今はアヴィル無暦50年だ。」


 初耳…俺の名前が入ってる。あら不思議。

 でも…!


 「神聖暦395年じゃないのか!?」


 俺が転移させられた日の年は神聖暦345年だった。五十年経っているのであれば、神聖暦395年だろう。


 「神聖暦?古いな」


 古い!?古いのか…。

 五十年の月日は…。

 待てよ?じゃあ、俺の親しかった部下達は退役後か?そして、年寄り!?


 「はぁ~…」

 「お前、中々、面白い奴だな!よし、中に入れてやろう!メルヴェル殿が言っていたからな」


 だいたい予想はつくが…。


 「『面白い奴は中に案内、私に必ず会わせろ』とな!」


 そんな内容だとは思ったが、そんな口調の女性だったっけ?そんな、暴君みたいな感じじゃなくて、もっと清楚な感じの口調だったような…。


 門番に腕を掴まれ、兎にや角も俺は中に入れてもらえた。

 話を少し聞いた。

 メルヴェルは退役後も、この魔法師団の運営に携わっていること。そして、今日、召喚された勇者達の育成をする為に今は不在とのこと。

 メルヴェルが、元気そうで良かった。

 転移当日の遠征で、タオルを渡してくれた女性。頬笑む顔が素敵な女性。

 年寄りで、シワだらけだろうが関係無い。早く、会いたい。再会したい。どんな顔をしてくれるだろうか。


 門番は王城に有ったような水晶を持ってきた。メルヴェルに合わせる前に、身元を確認しておきたいのだとか。

 態々、隠す必要は無いので、そのまま触れることにした。

 因みに、水晶は自分用と魔法師団用に二つ創った。コピーや、模造品など創る事が不可能な程、複雑な仕組みの水晶を。

 門番の持ってきたのと、俺がグーパンしたのとで二つ。これが、今ある水晶で最後となる。


ーーー

 Name:アヴィル・リヴァーフォールズ

 Lv:Max Mr:All

 HP:∞/∞ MP:∞/∞

 Job:魔法師団団長、魔法師

 Title:転移(×2)、魔法師団団長

ーーー


 アヴィル・リヴァーフォールズが、俺の本名です。


 「…お前…いや、団長殿でしたか!?」


 門番は、頭を下げている。


 「メルヴェル殿に連絡させていただきます!」


 そこまでしなくても…。

 俺が魔法師団団長だと解った瞬間に態度を変える。何処にでも居るよな、そう言う奴。

 本部の外が、凄い騒がしい。獣でも突進してくるような。


 「団長殿!」


 一人の年寄りの女性が言った。…メルヴェルか?シワが有るし、髪の毛も白髪が混じっている。しかし、これはメルヴェルだ。あの、メルヴェル。


 「久し振りだな、メルヴェル」

 「団長殿…全然お変わりの無いようで…」


 (かす)れながら、「良かった」と言っていた。メルヴェルの目には涙が溢れていた。

 俺にとっては三年だが、メルヴェルにとっては五十年だからな。


 「向こうの世界と、こちらの世界でのタイムラグが有るようだ」

 「そうですね…ところで団長殿」

 「何だ?」

 「口調だけが、お変わりのようですね…」


 そりゃ、ね。人は変わる物でしょう?


 「あ、住むところは、おありですか?」


 うぐっ…あ、でも、自宅があれば!


 「転移させられる前のご自宅でしたら、今は国が厳重に管理しています故、王家の物となってしまいました」


 何で、考えた事が解ったんだろう?兎に角、俺の家が王家の物!?俺が魔法師団団長になって初めての遠征が成功した祝いに、自分で買ったマイホームが…。

 ガックリ。


 「気を落とさないでください、団長殿!宜しければ、この私の自宅にお住まわれるのはどうでしょうか?」


 それしかない。方法と選択肢が。


 「そうする。有り難う、メルヴェル」

 「いえ、私は生涯、団長殿に身を捧げると心に留めていたので、単身の身なので、私としてはとても嬉しい限りです、団長殿!」


 別に、俺に身を捧げるなんて事をしなくても良いけどさ…。でも、取り敢えず、住む場所は何とかなって良かった。


 「早速、団長殿がお戻りになったと、王に報告をしなければ…」

 「メルヴェル、それはしなくて良い」


 だって、クラスメイト達にバレてしまうから。それに、シスナータ王女は俺に激怒だからよ…。


 「ですが…」

 「頼みではなく、命令だとしたら?」

 「すみません」


 メルヴェルは退役してたんだよな?なら、命令は聞かなくても良いんだけど…。

 このまま、メルヴェルと一緒にメルヴェルの自宅に向かった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。誤字脱字の指摘や、感想などをくれると幸いです。

***

ブクマや評価をしてくださってありがとうございます。作品制作の励みとなっております。

***

次の投稿は7月31日の予定です。

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