表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移?いや、故郷の世界に帰っただけだった。~異世界最強魔法師が五十年後に勇者召喚で帰って来て、異世界無双をする~  作者: みーふるー
1部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/83

13

 メルヴェルの自宅に帰ってきたのは、朝日が昇り切った後で、もう、すっかり明るく、人が起き始めた頃位の時間だろう。


 「おい、貴様!何処へほっつき歩いていた!」


 ドアを開けた瞬間にアレドラントが飛び出して来た。

 お怒りのご様子…。


 「それに、昨晩も居なかったではないか!」


 あー…そんな感じだったような?


 「明日だ」

 「何の話だ?アレドラントよ」


 急に「明日だ」とか言わんといてや。


 「はぁ…団長殿の御自宅に行かす約束だ」


 おお!遂に行けるのか!マイホーム!


 「服装は魔法師団の制服を着ていけよ」

 「ん?何でだ?」

 「団長殿の御自宅だ。団員として、部下として行く身でもあるからだ」

 「…意味が解らん」


 団員として、部下として?何故、俺の家にそんな気持ちで行かなきゃならん?


 「兎に角だ。制服を着ろ。良いな?」

 「はいはい」


 アレドラントの何故か絶妙に上達していっている、料理を平らげた。

 今日は一日、寝よう。つーか、眠い。

 昨日から殆んど寝ていないに等しいしな。



 アレドラントはいつもの様に外に出ていった。俺は三階に上がり、寝室のベッドに寝そべる。

 俺は眠りに就くのであった。

***

 メルヴェルSide


 今日はいつもの様に勇者達に…と言う訳にはいかなかった。

 昨日、自我があり、人語を話す魔獣を魔族と言う事を知った。

 今日は、一旦、自宅に帰り、団長殿にご報告しなければならないと思ったからである。


 「ん…?アレは…?」


 早歩き気味で歩いていた道中、横たわっている男が三人居た。不自然に積み重ねてあった。

 …寝ているだけなら、あんな風には積み重ならない筈…。

 不審に思った私は、近寄って見てみた。


 「…死体?」


 そう、男三人の死体が積み重ねてあったのだ。

 とは言え、一人、人間とも言い難い男の死体がある。それは、羽と尻尾が生えた男であった。

 他の男の二人の死体には、そんなものは生えて無かった。



 …取り敢えず、引き取っておきましょう。この死体、何故か、団長殿の魔法の痕跡―魔力波動があるし。

 丁度良い。団長殿にご報告も兼ねて、聞いてみるとしましょうか。

 それなら、急がなくてはなりませんね、団長殿。



 私は、猛スピードで自宅へと向かった。死体三体担いで。

***

 寝始めて一時間も経っていない頃、眠かった俺はすっかり目が覚めてしまった。


 「…やっぱり、明るいからか?」


 そんな事を思ったが、記憶を辿ると違った。

 日本に居た頃、陽射しの射し込む教室でぐっすりだったのを、覚えていた。

 特に春と言う季節は酷だった。眠気がやばかった。

 仕方ない、一階にでも降りて、ダラダラするか…。

 一階に降り、ダラダラし始めた。


 「団長殿、只今、帰りました!」


 活気よく、メルヴェルが帰ってきたのである。

 急いで、体勢を正した。


 「団長殿…初めて見るお姿ですね?」


 今、俺が王都の服屋で新たに購入した服を着ている。だから、メルヴェルにとって初見であるかも知れない。

 実は、王都散策時に買った服は内緒にして、三階のクローゼットに隠してあるからでもある。


 「この前、買ったんだ。良いだろう?」

 「ええ、とても良く、お似合いです」


 服装で誉めて貰いました。やったー。

 何か嬉しい、俺であった。


 「あれ?メルヴェル、何を担いでいるんだ?」


 今、気付いた事だが、何かをメルヴェルは担いで帰ってきていた。


 「ああ…これですか?」


 メルヴェルは担いでものを降ろした。

 それは…昨晩から明朝に駆けて俺が倒した男二人組と、魔族のイステアの死体であった。


 「まず、ご報告です」


 メルヴェルが真剣な顔で、そう言った。

 俺は唾を飲み込んだ。


 「報告…とは?」

 「自我を持った魔獣の事なんですが、過去の文献によると、魔族と言う種族になる事が判明しました」


 魔族…。

 あの時の金色のドラゴンや、気持ち悪い人形(ひとがた)の魔獣も、イステアと同じ、魔族なんだ…。


 「メルヴェル、魔族と魔獣は違うんだな?」

 「ええ、自我がある分、とても脅威なものとなっております」

 「魔族とやらも、魔王が創り出すものなのか?」

 「全ての魔族は魔王に創り出されるか、されるかです」


 される??


 「言葉が足りませんでしたね…人間が魔族にされる、です」


 人間が人ならざる者に…。


 「魔力とかが格段に上がったりするのか?」

 「その様です」


 ふむ…。


 「団長殿、聞きたい事がございます」

 「何だ?」


 聞きたい事とは何なんだろうか。真剣な顔をしているし、とても大切な事なのだろう。


 「私が担いで来ました死体、何かご存知ですか?何者なのか…とか」


 メルヴェルが担いで帰ってきていたものについて聞いてきた。


 「ああ…羽の無い男二人の方は、この家に忍び込み、窃盗を働いた盗っ人だ。羽のある男は、魔族と名乗り、名はイステアと言っていた」

 「今までの魔族とは違う特徴ですね…羽に、先端が三角形の様に尖った尻尾ですか…名前まであるとは」

 「人間によく似た魔族(イステア)を創れるまで魔王が力を付けてきているんだな…」


 魔王がどれくらい力を持ったかの具合いは、創られた魔獣の強さによる。魔獣よりも強い魔族を創り、人間に寄ってきた。とても脅威な程に力を付けているのだ。(一般論)


 「勇者達は、まだ、草と言う程に弱いです。今、魔王が人間我々の住む場所に進攻してしまえば、一溜りもありません」

 「そうか…」


 勇者(クラスメイト)達では、まだ、弱いか…。


 「所でなんですが…この家に泥棒が入り込んだのですか?団長殿」


 魔王の話は大切だが、自分の家に泥棒が来ていたら大騒動である。


 「そこの魔族以外の男二人が、俺に支給してくれた小遣いや、俺の水晶、俺の玩具を盗んでいった」


 気付けば、泥棒共は俺の物だけ盗んでいったな。


 「そうですか、団長殿の物を盗んだ、と…それは、当然の仕打ちの様に感じられます」


 少し怒っている顔のメルヴェルは視線を下に降ろし、男二人の死体を見て、スッキリした顔になっていた。


 「この男二人はイステアと契約をしていたみたいだった」

 「イステア…と言うと、この魔族の名前ですよね。人間と魔族が契約…」

 「そこらは、調べる必要がある。俺が言うのもなんだが、頑張ってくれ」

 「勿論です!団長殿のご期待に沿えるよう、このメルヴェル、頑張らせていただきます!」


 メルヴェルは歳を感じさせないなぁ…。

 メルヴェルは死体三体を担ぎ、出ていってしまった。

 そう言えば、過去の文献に魔族が載っていたんだよな?

 俺の自宅や実家にそう言う、古い書物が沢山あったっけな。確認しよう。




 そして、あっという間に夜になり、アレドラントが料理しに来た。


 「貴様は大丈夫なのか?」


 アレドラントは急にそんな事を聞いてきた。


 「何が?」

 「明日、団長殿の御自宅へ行くだろう?」

 「それが何か」

 「御自宅には魔力が高濃度で蔓延している。魔力酔いを引き起こすぞ」


 は?魔力が高濃度で蔓延?


 「それで、何を心配しているんだ?アレドラントよ」

 「貴様がぶっ倒れたりでもしたら、大変だからな」


 俺よりも遥かに高い魔力と言うのは、お初にお目にかかる…。と言うか、俺よりも魔力が高い事があるのかよ?

 俺の家…どうなっちゃってんの?


 「魔力酔いなら、アレドラント。お前の方が大丈夫なのかよ」


 言われっぱなしは嫌だからな。少し、煽りを入れて言ってみた。


 「私は少し気分を害する程度だ。心配されるまでではない」


 へぇー。随分と細かく言う。


 「お前、行った事があるのか?」

 「ああ。副団長就任時に一回、言ったことがある。それきりだ」

 「同行者は?」


 流石に一人では行っていないだろう。


 「前副団長のガードラーレ殿だ」


 ガードラーレの後任だったのね、アレドラントは。


 「それで、ガードラーレはどんな様子だった?」

 「殿!殿を付けろ、貴様!…はぁ、罰当りな奴め。とても元気そうだった、が…何か関係あるのか?」

 「内緒だ」


 ガードラーレは魔力酔いを起こさない、と…。ならば、俺は絶対に酔わないな。安心、安心。


 「なあ、団長殿?の自宅は、何故、王国が管理しているんだ?」


 されていなかったら、行くのに。


 「五十年前、行方不明になられた団長殿の住まいだ。管理者が居なければ、団長殿に失礼だろう」


 いや…失礼ではないが…。

 逆に、人ん家に勝手に上がられて、恥ずかしいと言わんばかりだ。


 「本当は失礼などとは思わずに、余計なお世話だと思っているかも知れないぞ?」

 「(つくづく)、失礼な奴だな、貴様は」


 実際に余計なお世話だと思っているんだがな、本人である俺が。


 「食べ終わったのなら、さっさと寝ろ。寝不足で、勿体無い事をせぬようにな」


 別にそんな事は無いとは思うが…ここは、珍しいアレドラントの厚意に乗ろうではないか。


 「それじゃあ、(寝室の)ベッドを使わせて貰う」

 「ああ、使え使え」


 俺は寝室に向かった。



 明日、自宅へと行くが、近頃、実家へ帰る事にしたいとも思っている。

 古い書物が沢山あった様な記憶から。

 それと、家族は元気だろうか。俺が魔法師団に入ってからは会えていないのだ。

 俺にとっては、十年位会っていないのだが、向こうからしたら、五十年以上、会っていない事になるからな。心配を超えているだろう。

 実家は山を幾つか越えた先の辺境にある。馬車等使っても、半月は掛かる。更には山に馬車は通っていないから、それ分も併せて半月なのだ。

 そして、いつ、魔法師団としての遠征があるかは判らない。往復一ヶ月掛かる様な場所に安易には行けないし、行かせようとはしない。もっと言うと、行くなレベルである事は確か。



 五十年経っても子供―青年の姿である俺を、受け入れられるか、分からない。年をとった両親が腰を抜かすかも知れない…。

 ああ、いつの日かメルヴェルを両親に紹介したかったと、思った日があったっけな…。未だに紹介していなかったな。まあ、両親とメルヴェルが会った事があるのかも知れないけれど。俺の知らない内に。



 それはそうと、俺は眠気には逆らえず、いつの間にか気付かない内に、眠りに就いていたのである。

ここまで読んでくださり有り難うございます。

誤字脱字の指摘、感想、ブックマーク、評価、レビューをくれると幸いです。

続きが気になる様でしたら、是非、ブックマークと評価を!是非、是非!

***

余談


この世界の若い人よりも御老人の方達の方が驚くほど元気です。


***

次の更新は9月1日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ