♯46 娘と父親
待っていてくれた皆さんお待たせしました。
パソコンの不調により投稿できなかったのですが、ようやく投稿できました。
しばらくの間不定期になると思いますが、一週間以上あけるつもりはないのでよろしくお願いします。
「と、言うわけなんだよ」
話が始まってから約四十分。ようやく話が終わったようだ。
要約すると、アステナと王都では行き来に時間がかかる。
俺のゲートで行くことも可能だが、俺の用事がある時はできない。
ギルトハートさんは王なので休暇なんてものはない。
なら、俺を王都に住まわしたら、シャルが来たいときに来れる。
ギルトハートさんが会いたいと思った時に時間を見つけて、会いに来れる。
よしじゃあ、そうと決まったら王都の家を建てるぞ。
そういえば俺に話してないな、話さなくては。
と、まあ、こんな話があり、今日呼ばれたらしいのだ。
考えたら、即実行に移せる金があるという事だろうが、せめて俺に相談してほしかったし、俺が断ったらどうするつもりだったのだろう。
実際は、シャルが会いたいときに会える、とギルトハートさんが説明した時にシャルが、
「マサト様に相談もせず、勝手に話を進めるお父様とは会いたくありません」
といってギルトハートさんが
「そ、それについては悪かったと思っているが、ちょっとしたサプライズのつもりで……」
と何とか言い訳を言おうとするのだが、シャルが
「いい訳なんてしないでくださいますか、お父様。マサト様に失礼ですわ」
と言って俺に
「マサト様も嫌ですよね」
と聞いてくるので困った。この場合俺はどう反応すればいいのだろうか? 確かに常識的に考えれば俺に相談してきてほしかった所だが、相手は王族、そもそも俺たち一般人の常識を分かれという方が難しいかもしれない。それに大臣とか、国の幹部がいない場所でも、
シャルの言葉に
「うん、そうだね」
と返す気にはなれない。仮にも婚約者の父親なのだし、なんといっても娘に責められた上に俺にまで責められたら辛いだろう。
本当に善意だけで(娘に会いたいという願望が混じっているかもしれないが)やっていただけだろうにここまで責められるのはつらいだろう。
俺も結構な頻度で似たような状況になっているからどうしても共感してしまう。
それにギルトハートさんも
「私は悪くないよな、マサト君。同じ男の君なら娘に会いたい気持ちも分かるだろう?」
と、俺に言ってくる。本当は娘に会いたい気持ちなんて全然わからない。何故なら俺は、父親になったことがないからだ。半年ほど前まで結婚は十八歳からという国にいたのだから仕方がないだろう。だけどここで
「すいません。僕子供居たことないので」
というのはどうも気が引けた。やはりここで俺が何かを言うのは間違っていると思うのだ。
というか、本心を言うと親子げんかに俺を巻き込まないでほしい。
結局俺は
「うーん」
と悩むことしかできなかった。悩んでもここで適切な答えが出て来るとはもっていないが……。
結局俺は答えを出すことができずに、しびれを切らしたシャルが
「もういいです。話の通じないお父様とは会いたくもありません」
と言ったのでギルトハートさんが本気で泣いて、アナさんが必死に慰めていた。
そのあとにシャルが追加攻撃として、
「今の生活が結構気に入ってるんです。いらない事しないでくれますか?」
と本当にこの二人親子か? と疑いたくなるような口調でシャルが言ったので本気で泣き出してしまい、エレナがそれに同調して、
「父上、それはさすがにひどいと思うのじゃ」
と言って、ギルトハートさんが気を失って倒れてしまったりして、全然話が進まなかった。
ギルトハートさんが倒れた時はシャルとエレナも本気で心配していたので、嫌いとか、会いたくないといってもやっぱりギルトハートさんが大好きなんだなと実感した。
俺に将来子供が出来たら絶対に子供の言葉で泣かないようにしよう。
相手はシャルがいるから大丈夫だろう。俺が降られない限りは。
そんなことを言っていても、
やはり内心は嬉しいようで、時々嬉しそうに笑っていた。
結局、俺は王都の家に移ることになった。最後までシャルは嫌だ、嫌だと言っていたが、
「一回大きな家に住んでみたいんです。お願いしますシャルさん」
「私からもお願い。今の宿屋もいいけど、王都だったらもっとかわいい服とかが買えると思うの」
と、ティーナ、リーナ、花音が言ったことによりしぶしぶ承諾した。
いつも思うのだが、うちの女性陣は本当に仲が良い。一緒にお菓子を作ったり、買い物に出かけるなんていつもの事だし、ある時なんかは、一緒に朝、俺が寝ている時、腹の上に飛び乗ってきた。
いくら一人一人が軽いからと言っても、四人だ。その上、結構な勢いがついていたのでその日は一日中腹が痛くて寝込んでしまった。
それだけならまだいいがその日の朝腹の上に四人乗られた状態で十分ぐらい起きなかった罰と言われながら乗られ続けていたのだ。
まるで親子のような光景なような気もするが、やられている俺はたまったもんじゃなく、四人が腹の上から降りた後、うっかり「はぁ、重たかった」と呟いてしまったものだから四人に殴られ、蹴られの繰り返しだった。
今までの人生の中でも一二を争うぐらいの理不尽さだったのでよく覚えている。
あれ? なんで俺は王都の王宮にまで来てつらい記憶を思い出しているのだろう?
取りあえずうちの女性陣は本当に仲が良いのだ。今まで喧嘩をしているところなんて見たこともないし、俺と女性陣の中の誰かが喧嘩しようものなら、どれだけ相手が悪くても俺を責めてくるのだ。
仲が良いのはいいと思うが喧嘩の時は誰でもいいから俺に理解を示してほしい。
さすがに理不尽すぎる理由で俺が責められるのは嫌だ。
と、まあこんなことでは足りないほどの仲が良いエピソードだが、そういうわけで、シャルが反対しても女性陣が説得すればよかったのだ。
結局俺達は王都にある新しい家に引っ越すことになった。
どれだけ広い家なのか少し楽しみだ。




