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魔王の俺が召喚されたのは異世界でした  作者: 三剣 シン
第三章 王都での休日
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♯33 精霊魔法の謎と王子

 さて、今日は王宮に行かないとな。

 昨日、アルが「お見合いをしないか?」と衝撃発言をして、王様からの手紙を渡されて、今日の予定が決まったのだがその後が大変だった。

 ティーナとリーナがなぜか知らないが「一緒に行きたい行きたい」と駄々をこねたのだ。

 王宮に行くのは俺のお見合い相手を知るためなのに、なんで王宮に行きたいんだろう。

 前行ったときは緊張してたから普通はそんなに行きたがらないと思うのだが……。

 それともそんなに緊張はしてなくて楽しんでいたのかな王宮での生活(と、言っても一日しか過ごしていないのだが)。

 結局今日王宮に行くメンバーは、俺とシャルの二人になったのだが二人は最後まで文句を言っていた。

 なぜそんなに王宮についていきたいのか聞いても答えてくれないし結局二人がなぜあんなに「王宮についていきたい」と駄々をこねたかは謎のままだ。シャルは知ってるみたいだけど聞いても「マサト様には教えません」の一点張りだ。


「マサト様、お待たせいたしました」


 どうやらシャルの準備ができたようなので手を前にかざしてワープを唱える。


「目的地 王都 王宮前 ワープ」


 たったこれだけ言葉を言うだけでワープできるっていいよな。実際は言葉だけじゃなく頭の中に王宮を思い浮かべたり、周りの様子を思い浮かべたりしているのだが。

 誰かに「目的地の風景を頭に思い浮かべろ」なんて教えてもらったわけでもないのになぜこんなに簡単に思い浮かべなければいけないと思ったのか謎だ。

 結構役に立っているのだがあえてひとつ不便な点を挙げるとしたら、一度行った場所にしか使えないって所ぐらいだろうか。

 これは恐らく頭の中に目的地の風景などを思い浮かべられないからワープできないのだろう。

 ならワープはきちんとした景色を思い浮かべないといけないのかと思ったがどうやらあいまいな景色でも大丈夫のようだ。やはりこの魔法は難しい。というかそれ以前に理解しようとすることが無理な事なのだろうか。



 ティーナやリーナの話によるとこの世界にある魔法、霊獣魔法、精霊魔法の中で精霊と契約することで使えるようになる精霊魔法が一番研究が進んでいないそうだ。これは契約者が少ないため精霊と触れ合うことが少ないから分からないことが多いそうだ。

 他にも魔法は種類によって用途が違うとか威力や効果範囲が違うそうだ。ちなみに精霊魔法は主に日常に役に立つ魔法や回復魔法、威力が高い攻撃魔法が多いそうだ。

 結論は精霊は奥が深くてまだ分かっていることが少ないと、いう事らしい。

 精霊と契約していてその魔法を日常的に使っている俺でさえワープの魔法について何も分かっていないのだ。

 精霊と契約していない人に理解しろというのは無理難題なのかもしれない。それにゲートが閉じる条件も分からない。

 時間かと思ったが、五人で移動する場合も三人で移動する場合も最後の一人が通過したらすぐにゲートは閉じてしまった。

 俺の仲間だと自動的に認識したのかな? まあ、恐らくそんなことはないのだろう。今度レイカにあった時に聞いてみよう。


「マサト様、行きましょうか」


 シャルが先にゲートをくぐる。ゲートをくぐる時は不思議な感覚になる。最初のころはどこかの猫型ロボットの道具みたいに一瞬で違う場所に移動できることに驚いて気づかなかったのだろう。

 急に周りの景色が変わるからだろうか。体がフワッと浮き上がるような感じになる。そんな感覚だ。ゲートをくぐり王宮の前に出る。

 王宮の前には鉄の胸当てみたいな防具に身を包んだ頭の禿げたおっさんが待っていた。俺達がゲートから出てきてもさほど驚かないで、すぐさま自分の自己紹介を始める。


「宇都宮 正人様ですね。私、王宮の警備をまとめております、ダンと申します。ギルトハート国王殿下がお待ちです。こちらへ」


 ダンさんは年は五十代位だろうか体系は身長は二メートルはあるのではないかと思うほどの大男、横はそこまで太ってはいないが筋肉ムキムキだ。腕相撲したら軽く優勝できるのではないかと思うほどの筋肉だ。

 そこまで来て初めてあたりを見渡す。この前ここに来たときは馬車の中でしゃべっていたので気づかなかったが、門の両脇にはダンさんほどではないがそれでも強そうな大柄の男性二人が立って警備をしていた。

 王宮だから泥棒対策などの趣旨が大きいのだろう。もしかしたら王様の暗殺とかあるかもしれないしな。そんなことは起こらないでほしいが……。門をくぐりダンさんに続いて王宮の敷地内に入るとあちこちに同じような大柄の警備兵が立っている。

 防犯対策は凄い厳重なようだ。

 ダンさんが言ってた王宮の警備をまとめるってことはこれを全てまとめいるという事なのだろう。目の前を歩いている人が急にとてつもないお偉いさんに思えてきてしまった。

 すると、ダンさんが口を開いた。


「マサト様はシャルロットお嬢様とどのような関係なのでしょうか?」

「ダン。それは聞いてはいけないことのはずです」


 シャルが注意する。なんで聞いてはいけないことなのだろう? あ、シャルが婚約者を探しに出ているからかな。国の未来にかかわることだから聞いてはいけないのだろう。


「申し訳ありません。つい出来心で」


 叱られてショックだったのかシュンとしてしまった。まるで母親にしかられた子供のようだ。

 関係か……、実際どんな関係なのだろう。婚約者探しの相棒といったところだろうか。でも、そんなことは口に出せないし


「友人ですかね」

「そうですか。ギルトハート国王殿下からお迎えに上がるように言われたのですがお嬢様との関係は教えていただけなくて、本当に申し訳ありません」


 王宮の正面の門から入り一分くらいすると王宮のドアの前についた。正面の門から一分ってどれだけ敷地が大きいんだよ。ドアの前には高級そうな服に身を包んだ俺と同じくらいの年代の少年が立っていた。その少年は俺たちの姿を見つけると腰に手を当ててしっかりと礼をしてきた。それを見て隣にいたダンさんとシャルは頭を下げる。えーと誰?


「バルダ様、シャルロットお嬢様とその後友人の宇都宮 正人様です」

「ただいま帰りました。お兄様」


 お、お兄様。ってことはこの国の次の王様! な、なんで俺そんな人に礼されてるの。


「お帰り、シャル。へぇ、君があの。あ、自己紹介が遅れたね私はシャルの兄のバルダだ。いつも妹が迷惑をかけているがこれからもよろしく頼む」

「あ、宇都宮 正人です。よろしくお願いします」

「お父様が待っている。ついてきたまえ」


 そういって王宮の中に入っていく。その後ろにシャル、俺、ダンさんの順番で横並びで入る。


「お帰りなさいませ。バルダ様、シャルロット様」


 メイドの主人を迎える時の挨拶の仕方は通路の両端に並ぶと決まっているのだろうか?

 ここまで声をそろえるて礼をするタイミングが一緒だと感心してしまう。練習と化しているのだろうか。挨拶が終わると皆さん自分の持ち場に戻っていく。さっきの順番でバルダさんについていく。



「バルダさんってどんな人?」


 しゃべる前にどんな人か聞いておいた方がいいと思いシャルに聞いてみた。やっぱり事前にその人の情報を聞いておくのは大事だと思う。


「そうですね。優しいお兄様です。勉強の合間に遊んでくれたり、こっそり王宮を抜け出したりして遊びましたね」


 あとで散々怒られましたけど。と、シャルは苦笑いする。でも、話を聞いてる限りじゃ普通にいいお兄さんだな。仲がいいのがすぐにわかる。


「でも、それ以外はダンの方が詳しいですよ。ダン。説明してあげてください」

「はっ。そうですね。基本的には良い方なんですが少し自由気ままな性格でして、長い間机に向かっているのが得意ではない方ですね。それでもとても優秀なのですが。王になりたくないらしく十歳の時に継承権を放棄されました」

「だって、僕には王になるより冒険者になる方が性に合ってたからね。それに妹の婚約者にも会えたし、妹を任せても大丈夫だと思えたからね」


 と急に話に入ってきたバルダさん。机に向かってるのが得意ではないのに優秀ってどんな優等生だよ。王になるより冒険者の方が性に合ってるからって王の継承権を放棄するって、すごい行動力だな。てかそのニュースが出た途端、エルバンブレムの話題は全てその話題になりそうな気がするんだが気のせいだろうか。もう公表してるのかまだ公表してないのか知らないけど。それに妹の婚約者って誰だろう? シャルの婚約者はまだ見つかってないはずだからエレナの婚約者かな?


「あれ? シャル? 顔が赤いけどどうしたの?」


 バルダさんがシャルを茶化すように言う。確かに顔が赤い。どうしたのだろう?


「お兄様、それは言わないでって言ったじゃないですか」


 とても仲のいい兄弟だというのが見て取れる会話だった。そんな二人の仲のいい会話を見ながら長い長い一本の廊下を歩く。すると前を歩いていたバルダさんが急に止一つの部屋の前でとまる。


「ここが謁見の間です。お父様はこの中にいます」


 とても豪華な部屋で、ドアはピカピカに輝いている。さて、今日ここに来た理由の俺のお見合い相手を教えてもらいに行きますか


評価、感想、ブックマークしてもらえると嬉しいです。

次回は九月二十四日午後十時頃投稿予定です。


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