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人生ってむずかしい
プロローグ
あの日君はなんでそんなことを言ったのかわからなかった。
君の声は透きとおった優しい響きで、どこか寂しさがある。
『貴方は偽りの人生を生きるのですか』
『君はいったいなにものな.....』
俺が問いただそうとした瞬間に彼女は俺の前から姿を消した。
あれはまだ寒い冬で息が白かった。
それ以上に彼女の髪も白く綺麗だった。
「三神!なーに外見てんだ!テスト中だぞ!」
クラスのみんなが俺の方を向いて笑いだした。
俺は恥ずかしくなり目の前の答案用紙に伏せた。