表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

08(もう1つの事件)

「叔父さん、ちょっといい?」


 エイコが係長室に入ってきた。


「どうした? 火星便の遅延で泊まる所がないのか?」

「それもだけど、私のカメラに変なものが写ってるの」

「見せてくれ」


 ユウイチはエイコのカメラを見る。宇宙空間を写した画像だ。


「叔父さん、どう思う?」

「拡大して見ると…………宇宙空間に人が居る。宇宙服を着てない。マネキンじゃなさそうだな」


 ドピュ二郎も係長室に入ってきた。


『ユウイチ、大変だよ。また事件』

「宇宙空間に人が放出されたか?」

『何で知ってるの!? ……犯人はユウイチ、あなたです!』

「叔父さんが犯人な訳ないでしょ、ポンコツ」

『ポンコツとはなんだ!? 僕は1ヨタバイトの超高性能ロボットだぞ!』

「ドピュ二郎、冗談はそのくらいにしてくれ」

『僕達がコットン・ミサキの事件を追ってる間に起きたみたいだね』

「また俺にやらせるのか? 勘弁してくれよ〜」

『ユウイチって宇宙空間の作業ライセンスは持ってたっけ?』

「持ってないよ」

「…………私、持ってる」

「本当か? エイコ」

「仮ライセンスよ。実地試験はまだだけど、筆記と水中訓練なら」

『最近の生徒教育は発達してるね』

「しかし、姪に危険な真似はさせられない」


――「話は聞かせてもらいましたよ。僕にも手伝わせて下さい」

「田中、お前はライセンスを持っているのか?」

「こう見えて、船外活動のライセンスあるんですよ」


 田中は堂々とライセンスカードを見せる。


「田中、当面はデブリの心配はないと言ってたな。ブースター付き宇宙服で遺体を回収してきてくれ」

「分かりました。専用機ラウンジのゲートから行きます」

「頼む」




――田中は規制線をくぐり抜け、専用機ラウンジに入る。AIポリスが10機くらい居た。アイドル殺人事件の裏付け作業をしている。


 田中はゲートを通り、関係者以外立ち入り禁止の部屋に入る。ブースター付き宇宙服があった。パイロットスーツの様にスリムな宇宙服で腰の辺りにブースターが付いてる。


 田中のウェアラブル端末が鳴る。ユウイチから通話だ。


「係長、何ですか?」

「田中、そっちはどうだ?」

「今、宇宙服を着るところですよ」

「ナビゲーションの確認は怠るなよ」

「はい。任せて下さい」

「必ず生きて還ってこいよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ