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01(デブリ)

「キャー! デブスよ!」

「デブス!? なんですか、それは!?」

「デブリだろ! 危機管理センターより指令! 対宇宙砲火レーザーガンの使用を許可する。“ガンニョム課の奴”を砲座に連れていけ! 船に当てるなよ」


 ブリッジで混乱が起きている中、管理官は的確な指示を出してる。


「距離50! 直撃コースです!」


 ここは日本人専用宇宙ステーション。かなり広くて他の星との地球を繋ぐ中継地点。どちらかというと小型宇宙コロニーだ。通称スクエア。


 デブリは危険。奴、ユウイチの出番だ。射撃の名手だが、働くのが嫌いで危機管理センターがピンチの時にしか重い腰を上げない。いつもウイスキーを飲んでる28歳の呑兵衛。




――「ええー!? デブリ? 火星旅行はどうなるの?」

『危険なんで中止となりま〜す。ご理解してよね』


 ここ、発着ゲートでもトラブルが起きていた。彼女の名前はエイコ、今日は16歳の誕生日で火星旅行の出発日なのにツイてない。ワクワクしてたのか、カメラを持っている。


 相手は民間会社が造った、汎用猫型決戦AIロボットの【ドピュ二郎】。アーティフィシャル・インテリジェンスの欠陥品。


「デブリくらいなによ! 叔父のユウイチを呼んで! 宇宙ステーションの係長よ!」


 エイコはおかんむりだ。地球で有名なアイドルは専用ゲートを通り、ラウンジへ入った。


『ユウイチってガンニョム課の窓際係長?』

「窓際って何よ〜」

『ソチよ、ソチはソッチじゃない』

「バカにしてるの!? この2頭身!」




――ユウイチはウイスキーのボトルを片手に砲座に入る。ユウイチはボトルのキャップを閉めた。砲座は重力発生装置の影響を受けない。つまり無重力だ。


「360度モニター、オン。……見〜付けた」

「係長、目視出来るんですか?」


 平社員の田中だ。2ヶ月前に宇宙ステーションに配属された新米。


「冗談だよ。レーザーガンのセーフティは?」

「解除されてます。……距離10を切りました!」

「デカイな。昔のスパイ衛星の残骸か」


 ユウイチは座席に着き、シートベルトをして、トリガーを片手で握る。


「酒臭っ! 係長、また飲みましたね? 勤務中ですよ」

「いいから、モニターを見てろ。…………目視で確認。今度こそ見〜付けた」


 ユウイチは照準をデブリに合わせて、バキュン! バキュン! ドカーン! ――。


『デブリ消失! デブリ消失!』


「流石は係長! 酔っ払いでも正確だ」

「射線軸に船がなくてよかった。じゃあ、係長室に戻るから、後よろしく」


 ユウイチはシートベルトを外して砲座から出る。


「係長! 報告書は!?」

「田中に任せる」

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