ブルマの思い出
連載中の作品にブルマを登場させたら何やら反響があったので、自分の思い出を語ってみることにしました。
確か小学一年生の時です。体育の後、私は同級生の女の子に聞きました。
「女子のズボン、あれなんか変わっとるけど、どなんなっとん?」
当時は男だ女だという考えも特にありませんでしたから、別に変な事を聞いているというつもりもありません。単に疑問を口にしただけでした。
「ズボン? ああ、ブルマのこと? こなんなっとんで」
彼女はそう言って自分の体操服袋から紺色の物を取り出すと私に手渡しました。
穿かれていないそれはゴムが縮んだ状態なのでモコっとした丸っこい布の塊りのようになっていて、私にはそれが衣服なのだとはとても思えませんでした。口が三つある巾着袋のようです。
うろ覚えですが、触った感触は今で言うフリースをもう少し固くしたような感じだったと思います。どういう生地だったのかは今でもよく分かりません。
一番大きい口に手を掛けてちょっと伸ばしてみるとパンツと同じような形になりました。
「あー、こなんなっとんかー」
「そやで」
「なんか暑そうやなあ」
男子は白い短パンでしたので、私はそういう感想を持ちました。
「うん、ぬくいで」
「ああ、あんがと」
「んーん」
私が返したブルマを彼女はまた体操服袋に仕舞いこみました。彼女が誰だったのか、今となっては顔も名前も覚えていません。
ただ、暑がりだった私にとってブルマは「女子が穿いとるなんかモコモコした暑そうな物」として記憶され、私はブルマそのものに対する興味を失いました。
◇
ブルマとそこから伸びる脚という組み合わせの破壊力に私が気付くのは、もっとずっと後のことです。
S様、こんな感じだったのです。
しかし、何を書いとるのかね、私は(笑)。