男の浪漫
すみません!更新遅くなりました!はい!
『おう。どうした面白いもんでもあったか。』
俺たちがリザリーとカインの試合というにはあまりにも一方的な打ち合いを見ていると、カインがこちらの視線に気づいて手を止め話しかけてくる。
『いや。面白いものというか、可愛い者ならありました。ご馳走様です。』
自分との打ち合いを急にやめられた、リザリーは肩で息をしながら、頬を膨らましている。自分が遊ばれて不満なのはわかるが、ここらで一旦やめておいた方が良いとも思ってしまう。時間の無駄である。俺にとっては眼福ではあるが。
このまま、なぁなぁで終わりにするのが良い。リザリーにもそれとなく視線で訴えるが、リザリーはそれを見て唇をへの字にしムッとした表情を見せると、木剣を振りかぶる。
『隙あり!!』
『おっと。』
最後の一撃と、おそらく懇親の力をこめて繰り出したであろうリザリーの剣は、無常にもカインによけられてしまう。
『何で避けるのよ!』
『そりゃあ避けないと痛いからだろうが・・・。』
完璧に不意をついたはずなのにと、納得のいかない様子ではあるが、振り下ろす前に声を出してしまっては、不意も何もあったものではない。それに気づかず悔しそうにしている姿も新鮮で中々胸に来るものがある。従って特に俺から指摘することはない。
『あのなぁ。不意をつく前に叫んだら意味ねぇだろうが。今から不意打ちしますって態々教えふいうちがあるか。』
『くっ、確かに。一理あるわね。』
『一理どころか百理はあるだろ。』
俺が敢えて口にしなかったことを、態々指摘して教えてやるあたり、カインも中々面倒見が良い。もっとも、それによって悔しがっている様子が見れなくなってしまったので、個人的には少々がっかりなところではある。
『ところでそっちはどうだったんだよ。』
『それは聞かないでくれ。』
どうやら彼らは自分たちのことに夢中だったらしく、ロイに打ち合いの結果はどうだったのかと興味深げに聞いている。ロイがなんとも神妙な顔で言いよどんでいるので、俺も中々言い出しづらい。
『まぁ今後のお楽しみってことで。』
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『皆さん終了しましたね。では此方に集まってください。お待ちかね結果発表です。』
フォルス先生の言葉に従い、俺たちは結果を聞こうと先生の前に集合する。先生の手には1枚も紙が握られていて、どうやらそこに今回の結果が記録されているらしい。なぜかもう片方の手に木剣を握っているのが気になるが。これから本格的に指導が始まるのだろうと自分を納得させる。
『では今から呼ばれた方は此方の線の外側に移動してください。』
先生がそういって木剣を軽く一振りして見せると、皆が立っている横で大きく砂誇りが舞い上がった。
・・・すごい。見事な直線が描かれている。いやこれは直線というか。
先生!直線が行き過ぎてちょっとした崖になってます。
『・・・すみません。少し気合が入りすぎましたね。』
どう見ても軽く振っただけに見えたのだが。これはすごい。つい先程腕が立つようには見えないなんて考えた自分が恥ずかしくなるくらいにすごい。先生の腕はもう疑う余地もなく凄腕である。いや今はそんなことより。
『フォルス先生!この授業では、私にも今の技を教えていただけるのでしょうか!』
そうこの質問のほうが大事である。何しろあれだ。剣を振ったら土煙が舞って地面がえぐれる。なんという必殺技!まさにこれは必殺技である!
『え?これはそんな大層な。・・・いや、そうですね。ではこのたびの授業で成績上位の方に伝授することにしましょうか。』
なるほど唯の凡愚には教えられないと。いいだろう。燃えてきた。燃えてくるよ!
『わかりました。先生の御眼鏡にかなうよう精一杯頑張ります!』
『なにか引っかかる言い方ですが、がんばてください。では読み上げますね。』
・・・カインさん、リリィさん。・・・
『・・・以上です。呼ばれなかった方でも、上達したら途中で、移っていただくので、これにめげずに励んでください。』
よし。とりあえず第1関門は無事に突破することができたみたいで、後はこの中で結果を残すだけである。今から伝授されるその時が非常に楽しみだ。今のうちによい名前を考えておいたほうがよいだろう。そうだろう。俺が伝授される(予定)の技につける名前を考えていると、先に線を越えていたカインが話しかけてくる。
『お、お前もこっち側か、って名前呼ばれてたし改めて言うことでもねぇか。しかしってことはロイのやろう負けたのか!』
『圧勝です。圧勝。まぁ貴族のボンボンには負けません。』
『お前だって箱入りのお嬢様だろうが。ロイだって弱くはなかったはずだけどな。今後のお楽しみってこのことだったのか。』
カインの言葉にドヤ顔を返す。
『・・・へぇ。これは確かに楽しみだな。いやいっちょ今から相手してもらおうか。』
それは随分と好戦的なことで。いやしかし、ここでカインを叩ければ、一気に必殺技への道も縮まるのではなかろうか。それに、さっき見た限りだと中々腕が立つ様ではあったし、ロイとの試合よりも自分の立ち位置がはっきりとするかもしれない。
『ほほぅ、望むと『ハイ。では今日はとりあえずここまでにしておきましょう。皆さんお疲れ様でした。』』
今まさに返すところだった、快諾の言葉は無常にも、フォルス先生の授業終了の言葉に阻まれてしまった。
『けふんっ。ま、まぁ今後のお楽しみということで。』
『・・・そうだな。』




