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悪役に恋して  作者: 冷凍みかん
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後ろからの呼び声

スミマセン平日を超えて、昨日本当は投稿するつもりだったのですが、1日遅れてしまいました。

俺とリザリーはまだ食事中のロロちゃんに背を向け食堂を抜けると、1-1組の教室へと向かう。授業は基本選択制とは言うが、そこはやはりまだ15歳、前世なら高校生である。話に聞いていていた大学キャンパス生活とは異なり、朝にはクラスが一度集まりホームルームを行うらしい。その一方でその日に自分が受ける予定の授業が終われば勝手に帰って良いとのことだから、良くわからないものである。


貴族が多く在籍している割には、少々飾り気がないが歴史の感じられる廊下を歩いていると、横に並んで歩いていた少女から声がかけられる。


『ねぇ。結局貴女は今日、何を受けるのかしら?』

『今日は、取り敢えず午前中は国の歴史や政治とか座学を受けて、んー午前最後は魔法基礎かな。必修みたいだし。』


正直言うともっと実技的な科目を取りたかったが、こちとら屋敷に籠りがちでたまに出ても自領の街中、どこに出しても恥ずかしい世間知らずである。流石に屋敷に来てくれていた講師の人から最低限のことは聞いてはいるものの、余り詳しくは学んできていなかった。これを機に世の中を知っておいた方が良いだろう。



『あら意外ね。貴女は座学とか嫌いだと思っていたわ。』


『うっ、まぁ確かに嫌いだけど、嫌いな物の中にも価値のある物があるものなのだよ。わかるかね君。』


『言い方は腹が立つけど、成程案外真面目な所では真面目なのね。』


失礼な。一体全体彼女は俺にどんな印象を持っていたというのか。まだ話すようになってから2日しか経っていないというのに、ろくでなしのレッテルを張られているような気がする。こう見えて意外と読書家な一面もあるというのに誠に遺憾である。もっとも物語しかまともに読んだ記憶がないが。



『失礼な。私ほど地に足つけているやつもいないのに。ちなみにそっちは何を受けるつもりなの?』


『私は文学と美術、その後は貴女と同じで魔法基礎学ね。』


『そっちはイメージ通りというか何というか。じゃあ必修までは別々かー。』



話ながら歩いていると、1-1の教室の前までたどり着いてしまった。中には俺達と同じように、朝食を食べ終えたクラスメイト達がすでに何人か席に座っている。その中に見知ったばかりの顔を見つけた。



『ベル君じゃん。おはよー。』


『え、あ、はい。おはようございます。』


挨拶を返してくれた少年の顔を覗き込む。どうやら昨日別れた後は何事もなかった様で、少年の年の割には幼く見える顔は、見た所無傷である。裏で腹でも殴られていたのであれば話は別だが。


『あの、…顔が近いんですけど。』


『あぁごめんごめん。だって昨日あんなことがあった後だし、あの後は大丈夫だった?ちゃんと家に帰れた?』


『あ。その節は本当助かりました。その後は特に何事もなく平和に過ごすことが出来ました。』


『帰れてなかったら今ここにはいないわよ。早く席に座りましょう。』



ベル君にその後の話の確認をすると、素気なく昨日座った席へと向かうリザリーを追いかける。席について彼女の表情を確認すると、ほっとしたのか小さく息を吐き、口角が少し上がっている。


『ベル君、何もなかったてさ、良かったね。』


『な!別に知らないわよそんなこと!』



―――――――――――――


暫くすると始業の鐘が鳴り、教室にフォルス先生が入ってくる。


『えー。では今日から本格的に学園生活が始まります。それぞれの授業の教室に遅れぬよう支度をして移動を始めてください。』


短いホームルームが終わると、それぞれが目的の教室に向けて歩き出す。俺もそれに合わせて、紙とペンを持つ。まず最初に受けるのはこの国の歴史の授業である。座学で眠らないように気合いを入れて移動を始める。


『じゃあ、また後でねリザリー。』


『えぇ。また後で。』



広い本校舎の中、目当ての教室へ向けて迷わないよう慎重に歩を進めていると、同じ授業を受けるのであろう、生徒たちの一団を見つけてそれに付いていく。予想はズバリ当たっていたようで、昨日貰った案内に書いてあった教室へとたどり着くことが出来た。適当に空いている席を探していると、またもや見知った少年の後ろ姿が見えた。どうやら今から始まる授業に向けて集中しているらしく、姿勢を正して真っ直ぐ前方の黒板に注意を向けている。


『またベル君だ。奇遇だね、この授業受けるの?』


『ひっ!あ、リリィさん。驚かせないでくださいよ!』


ごめんごめんと謝り、おそらく俺と違いスタスタと歩いてきたのだろう。既に授業を受ける準備を終えている、ベル君の横の席に腰を落とす。



『あ、横で受けるんですね。』


『だって他に知り合いもいないですし。』


ベル君に答えながら俺も授業を受けるべく支度を始める。


『そういう事なら、俺もここで受けるぜ。』


『ひっ!『うっっひぃっ!!』』


後ろから急にかけられた声にベル君と一緒におどいてしまう。俺の方が驚いているとかそんなことは断じてない。


『…そんな驚くなよ。さっきあんたもそいつにやったことじゃねぇか。』


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