プロローグ
嬉しいことがあったらすぐに顔に出てしまう人。
嘘をついたらすぐに顔に出てしまう人。
恥ずかしくなったらすぐに顔に出てしまう人。
その逆もしばしばいる。
それがわたし。わたしは感情を表に出すことが出来ないのだ。
常に無表情なのだ。
ポーカーフェイス――
いやただのポーカーフェイスではない……言うならば、超ポーカーフェイスである。
すいません……話が反れてしまいました。
『ポーカーフェイス』とかっこよく言えばそうだが、簡単いうとそれは考えているか分からないということだ。
ポーカーフェイス……それは果たして褒め言葉なのだろうか……?
言われてもわたしは正直嬉しくない。
まったく嬉しくない。
そんな子が幸せを幸せと表現することが出来るだろうか……。
自分が幸せだと思っても常に無表情――。
幸せだと皆に分かってもらうことが出来ないだろう。
大好きな人が不愉快になってしまうかもしれない。
……でもわたしはある日を境に表情を手に入れた。
その代償にわたしは……幽霊に取り付かれてしまった。
これまた大変うるさい幽霊なのだ。
これは無表情の妄想女と元気な幽霊のデコボコでかつ関係の物語である。