私と彼と第一試合
ありがとうございます!
あっという間に2ヶ月が過ぎた。
今日は魔術大会当日、張り切っていくわ!
魔術に関して言えば、クロ君との朝練も成果が現れて来ている。
クロ君は炎の魔術が得意で実に多彩な攻撃方法を持っていた。
私は、今まで特別な魔法攻撃方法とかを考えたり、炎とか水とかの”特性”を付与した魔法とかは使ってこなかった。
呪文が使えないのでは無く、実践で使うことがなかったの。
それだけ剣技に自信があったからだけど…。
しかし、こうも魔術を絡めた闘い方の実力差を示されると覚えざるおえなかったわ。
魔術大会の方式も剣術大会と同じトーナメント戦。
違うのはセミ・ファイナルからフィールド特性変化、つまり地形が変化するの。
そして、またシードだったけど、また先生にお願いをして位置をずらしてもらった。
…クロ君と決勝まで当たらないところに。
クロ君!わかっていると思うけど…決勝戦で覚悟しなさいよ!
一回戦のクロ君の闘いはあっけなく終わった。
エナジーブリッドを連続的に打ち出しながら距離を詰め、接近戦で一気にカタをつけようとした相手選手。
それに対してクロ君はファイヤースクリーンでブリットを防いで相手と距離を取る…と思わせてスクリーンで絡め取っていたブリットをまとめて相手に全部返した。
被弾して怯んだ相手選手の後方へ回り込んで、その首筋に魔法のかかった手刀を叩き込みジ・エンド。
その瞬間、クロ君の実力を知らないみんなが、あんぐりと口を開けて驚いていたのには笑えたわ。
相手選手…モブ…なんとか君だっけ?
可哀想にね。
そして私の出番!
私の相手は同じAクラスの女の子キャロルちゃん。
魔法の実力は結構高い、ゴリアス君とも互角以上に闘っちゃう好戦的な女の子。
私とも、とても仲がいい。
でも試合会場でこちらを見つめる彼女の目にオトモダチ的な雰囲気はない、ましてや勝つコトを諦めている雰囲気は微塵もない。
「始め!」
「ウォータースプラッシュ!」
「⁉レジスト・サンダー!エナジーブレード!」
ウォータースプラッシュは水を撒き散らす魔法で攻撃力はないが、サンダー系の魔法効果を上げる働きがある。
対策としてレジストしておくのはセオリーだ。
私はスピードは落とさず、一気に詰め寄り剣を一閃!キャロルちゃんはギリギリで転がってよけた。
「コールド・エアー!!」
凍てつく冷風をかわしながら、相手を分析する。
コールド・エアーは氷属性と風属性を付与した魔法で結構難易度が高い!
魔力も相当使うハズ…魔力切れを怖れずに攻めて来ている⁈
私を倒すためにまさに全力で!
嬉しい!
まだ、試合は4つ残っているのにね!
コッチも出し惜しみは不利ね!
なら!
「きゃ⁉」
私的にも可愛い声を出してしまったと思う。
尻餅をついてしまって、イッターイの!
会場をみると、床が凍っている。
これが狙いだったのね!
「セイ!」
「クッ!」
危ない!
キャロルちゃんは氷のスケート靴を滑らせて、氷槍で攻撃して来た。
エナジーブリットを放って牽制すると、距離を取られる。
キャロルちゃんがこんなにスケートうまかったなんて!
後で教えてもらおう!
それにしてもかなり不利ね、氷のせいで足が踏ん張れないから剣術が生かせない。
コッチが攻撃しないと、近づいて来て槍で距離を取りながら攻撃してくる。
(ちょっと頭の回るやつなら、スカーレットの強み…”剣術”…を相手は潰してくるハズだ。)
以前、クロ君に言われたコトがある…まさにその通りになった。
だから、対処方法も考えてあるわよ!
小声で呪文を唱えてから立ち上がり、
またもや槍を構えて接近してくるキャロルちゃんを待つ…まだ、…まだ…まだ、今!
「きゃ⁉」
私は攻撃の構えをみせた…そして、足を滑らして体制を崩したようにみせた。
キャロルちゃんはここぞとばかりにやりを突き出して来た!
でもそれは演技!
そして勝機!
「【滑】!」
突き出して来た槍の上を滑らせるように剣を振る。
「きゃあ!!」
場外のかなり遠くまで吹き飛ぶキャロルちゃん…ゴメンね。
「ストップ!試合終了だ、救護班!急げ!」
湯気が立たない程度にゆっくりと、ウォームの魔法で足場の氷を溶かしておいたのよね。
うん!私相手の場合、防具無しなら一撃でKOだと思ってもらいたいわ。
チラリとCクラスの方を見ると…クロ君が、ぱん、ぱん、と余裕たっぷりな拍手をしていた…ムカ!
今に見てなさい!クロ君もこうしてあげるんだから!
剣術では他の生徒より圧倒的に強いスカーレットですが、魔術については頭一つ出ている程度です。




