5話 僕と彼女と決勝戦
ありがとうございます‼
さあ本日最後の試合だ。
スカーレットとゴリアスの2人が試合会場に登る。
僕はCクラスの席で2人の試合…決勝戦が始まるのを待っていた。
僕?
僕はゴリアスに[0:100]で負けたよ。
何もできなかった、というより何もさせてもらえなかった。
付け入る隙なんて全くなかったね。
まあ、今の実力相当…当然なんだけどさ。
試合が始まる前の独特の静けさが会場を支配する。
不敵な笑みを浮かべながら自然体で構えるスカーレット。
厳つい顔で緊張感のある雰囲気を醸し出しているゴリアス。
AクラスNo.1とNo.2なのに…対象的な2人だと思った。
「始め!」
開始の合図と共に試合会場の空気が変わった…スカーレットが変えたのだ。
ここでも、ビンビンに気合を感じる!
キン!
剣先を合わせたあと、両手持ちの大剣を構えたスカーレットが一歩踏み出す…ゴリアスが一歩引く。
スカーレットがまた一歩踏み出す…ゴリアスがまた一歩引く。
まだ始まって間のないのに、ゴリアスが気持ちで押されているのがみて取れる。
その後、ライン際まで押し込まれたゴリアスが、回り込みながらフェイントをかける様子を見せて体をピクッ、ピクッっと震わす。
その動きにスカーレットは全く動じない…山のようだ。
ギン!ガン‼
僕にはいつ打ち込んだのかわからないほど鋭いゴリアスの攻撃がスカーレットに弾かれ、スカーレットが反撃した一撃はゴリアスの盾に阻まれた。
しかし、ゴリアスは勢いを殺せなかったようで、体勢を崩した。
慌てて、ゴリアスは距離を取った。
”ハゥ…”
僕には…何故かスカーレットのため息が聴こえたような気がした。
そして…
ガコン!ゴキン!ゴッ‼
…ドサ。
ほんの一瞬で…ゴリアスの剣と盾が弾き飛ばされて…ゴリアス自身は場外まで飛ばされた…。
「場外!いや担架だ!早く!」
会場を囲んでいた皆が…声も無くスカーレットを見つめていた。
あのゴリアスを…。
僕が全く歯が立たなかった相手を…。
始まって30秒もたってない…圧倒的な強さ。
このとき…静かな会場に”ポツン”と立つスカーレットが…僕には悲しそうに見えた。
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試合後…スカーレットはAクラスのクラスメートに囲まれていたので近づけなかった。
明日の朝練のときにでも声をかけよう。
それよりもまず、話したい人がいる。
その人に会いに職員室に向かったがいなかったので探したら…試合会場にいた。
ブレア先生は後片付けをしていた。
「ブレア先生…」
「む?クロト君、何か用か?」
防護魔法の呪具をしまっていたブレア先生に声をかけた…。
「僕、Aクラスにいけませんかか?」
「…今のままでは無理だな。
今回の剣術大会で君はCクラスの中では最高の結果を出した。
だから、恐らくBクラスに上がることは出来るだろう。
しかし、その上となると…。
いきなり何故かな?
君の口から上を狙う言葉が聞けるとは…。」
「スカーレットに追いつきたい…というか近づきたいんです。
無理は承知です。」
僕はウソをついた。
近づきたいんじゃない…その程度ではダメなんだ。
「ふむ、そういうことなら私としても全力で応援してやりたい。
…応援してやりたいのは山々だが、せめて年度末のアレに優勝するくらいの実績がないと。」
「アレ…魔術大会ですか。
勝てば…いいんですね?」
「…いいだろう。
私が保証しよう…優勝すればAクラスにいれてやる。」
ブレア先生のところからCクラスに帰る途中、スカーレットをチラリと見かけた。
スカーレットはクラスメートと笑い合ってっていた。
でも、やはり。
僕は決心した。
次の学年で…僕は行く。
Aクラスに…必ず。
今回で話が一区切りしました。
本当は今回、ゴリアスにクロトが負ける話のつもりでしたがやめました。
五輪サッカー日韓戦で負けるのをみて、負ける話しを書きたく無くなってしまいました。
次は、魔術開会系の話です。
構想にしばらくを時間ください。




