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4話 僕と彼女と第二試合

開いて頂き感謝感激です。

読んで行ってくれるとありがたいです。

「【旋】!」

「ぐほっ!」


スカーレットの大剣が弧を描く…相手の横腹に吸い込まれるようにして一撃が叩き込まれ、盛大にふっとんでいく…ハンパねぇ。


「ひゃっ、[100:0]、よって勝者スカーレット選手!」


同じAクラスの相手なのに…全く寄せ付けない圧倒的な強さ!

流石スカーレットといったところか。

危なく一回戦を突破したスカーレットにお疲れ様、と声をかけると笑いながら”あと四つ”と答えてきた。

四つ…か。



剣術大会は学年ごとに行われるので、僕達の参加しているトーナメントにはA、B、Cクラス合計30名がエントリーしている。

トーナメントの山の数…つまり競技する人数は2.4.8.16.32と二の乗数で増えていく。

個人の試合数は最大で5回になるので、スカーレットが優勝するにはあと”4回勝つ”必要があることをいっているのだ。

ちなみに30名だとトーナメント的に1回戦では2名が足りないことになる。

そのため2名がシード選手になっている。

そのうちの一人がAクラスのNo.1のスカーレットだ…正確には”だった”というべきか。

スカーレットはトーナメント表をみて、”これじゃ〜つまらない!”といって変更を先生に要請し許可されたのだ。

スカーレットのシード位置からだと強敵に当たるのは準準々決勝からとなっていて…普通はラッキーなんだけどさ…それが”つまらない”らしい。

ゴネて、決勝までに全てAクラス選手と当たりそうな位置のBクラス選手と位置を変えたてもらってよろこんでいた…病気だよネ。



そして今…会場では、スカーレットと入れ替わった選手が僕の目の前に立っている。

つまり2回戦でスカーレットと当たるハズだった選手は僕だったのだ。

もしかしたら、僕のためなのかもと思ってスカーレットに聞いたら、


「クロ君じゃつまらないもんね〜、でしょ?」


だそうだ…本人に同意を求めるなって!



「始め!」


開始の号令のあと、キンッと剣先を合わせて”挨拶”をしてからお互いに距離を取る。

僕の2回戦の相手選手はBクラスのラキという名の選手で、片手剣と丸盾を装備している。

先程、剣先を合わせた感覚ではシッカリとした重さの剣を使用しているようだ…これなら折れないだろう。


今回は、こちらからいかせてもらおう!


「ヤァ!」

「ハッ!」

「セイ!」


初めの攻撃はガキン!と盾で防がれた。

ラキ選手はお返し!とばかりに横薙ぎの一撃を繰り出してきたので、かわして二撃目をくりだす。

またもや盾で防がれたので、一度距離を取る。

そうすると、相手は盾をかざしながら突っ込んできた。剣のリーチ差からより接近した方が有利と判断したのだろう。

ガキン!

予想どおり近距離で振るってきた相手の攻撃に【対】の振りで合わせる!


だん!っとお互いに距離を取る。

こいつ…


キン!カン!ガン!


マジ‼

こいつと僕の実力がガチッてる!


ガン!ダム!ザク!ドム!


ラキ選手は、攻撃と防御をどちらも卒なくこなす万能タイプの闘い方だ。

一撃の威力は僕の方が強いが手数で負けてる。

僕は一進一退の攻防を繰り広げる”今”の展開に心が踊った。


「場外!中央へ!」


ハアハア、体制を崩されて押し出された。

点数は[65:68]か、ちょい負けてる。

もっとも、僕は勝負にはこだわりがない。

剣が振れれば勝っても負けてもどっちでもいい…今この瞬間を楽しむだけ!


「始め!」

「やぁ‼」


再開の合図と共に、またもやラキ選手は、僕の懐に飛び込んできた。今度はそのまま盾でチャージをして来る!

それを剣のつばで抑える…手応えが軽い?

僕にはその軽さと剣の構えから相手の意図が読めた…下だ!

ジャンプをした瞬間、先程まで僕の足があった空間をラキ選手の剣が通り過ぎる…間一髪ってやつだ!

僕はジャンプした身体の反動と落下する勢いを借りて大剣を振り下ろす!


ガガン‼


ラキ選手は体制を崩していた、にもかかわらずシッカリ盾で防がれた!上手い!

僕は追撃を恐れて急いで距離を取る。

そしてラキ選手は…あれ?


盾を上にかざして防御した姿勢のまま動かないラキ選手に審判が駆け寄る。


「衛生班、すぐ来て!」


審判が衛生班を呼ぶと、直ぐに治癒術の先生が駆けつけた。会場脇にいた審判委員長のブレア先生もラキ選手のところへ向かう。

大丈夫か?と思っているとラキ選手が担架で運ばれて行った。

そして、会場中央にブレア先生だけ残った。


「審判委員長のブレアだ…今の試合について説明をする。

選手にかけている防護魔法は100ポイントの攻撃を吸収出来る。

しかし、知っている者もいると思うが一度の攻撃を、全て吸収出来るわけではないのだ。

今、得点はご覧の通り[65:38]になっているので防護魔法で30ポイント程を吸収したわけだが、クロト選手の攻撃は50ポイント以上の攻撃力だったと私には見えた。

盾とヘルメットで威力が弱まったかもしれないが貫通した攻撃力がラキ選手の頭を揺さぶったと思われる。

ラキ選手はドクターストップ。よって、試合は[65:0]でクロト選手の勝ちとする。

以上だ。」


勝ったみたいだ…疲れがどっと出て身体が重くなった。

そのために、ゆっくりと会場を降りる僕のところにスカーレットが来た。


「お疲れ様〜どうだった?」

「なんとか勝ちを拾ったよ。ギリギリだ!」

「あそこで”【貫】の振り”をするとは、さすが私の弟子ね!」

「【貫】…ああそういえば、そうか。」


【貫】は衝撃を浸透させる振り方だっけ…教えてはもらってたけどイマイチ感覚がつかめなかった振りだ。

…あれで出来たのか?。


「最もここまで来れたのは、【対】や【連】のような防御系の振り方をみっちり覚えさせた私のおかげよね?」

「はいはい、スカーレット様々デスヨ。」

「その言い方、激ムカつく〜!」


ははは、スカーレットの怒った顔を結構気に入っているといったら絶対に怒られるだろうな。

そんなことを思ってスカーレットの顔を見つめていたら、彼女は急に真剣な顔になった。


「いい!次の試合は気をつけなさい〜。ゴリアスは剣術だけならAクラスNo.2よ!」



やれやれ、次で終わりだな。



この次の話で主人公の意識が変わります。

どんな意識かは期待していてください。

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