9話 私と彼の決勝戦
ありがとうございます!
今回で区切りとなります…。
サイド:クロト
順調に試合はこなされて後は決勝戦…僕とスカーレットの試合を残すのみとなった。
これが剣術大会であったらなぁ、とかそんなコトを考えていると誰かが横に来た。
姿は見えない…が。
「理事長、何ですか?」
「これを見破るとは流石だな…。
一言いいたくてね。決勝戦では手を抜くつもりかい?」
「まさか!失礼だよ…そんなコトしたらスカーレットは決して許してくれないだろうね。」
「うむ、その通りだと思う。それにしても、君がこの学園の“生徒”を本気でやる気になってくれて正直嬉しい。」
「僕は生まれ変わったと思ってます…スカーレットのおかげで。
今回は過去の戦闘スタイルですけど、来年は…来年の僕は”剣士”です。」
そう言って僕は席をたった…決勝戦の舞台に向けて。
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サイド:スカーレット
「おお!」
「スカーレット様最高です!」
「我が人生に一変の悔いなし!」
私が試合会場に上がると、場内のボルテージが一気に上がった。
いつもの私はチョット目立ちたがり屋なので見られることは気にならない。
でも今日はチョットだけ恥ずかしかった。
この試合の私の服装は”ある目的”のため、ビキニブラとホットパンツだったから。
相手のクロ君は少し目のやり場に困っているようだ…ウブね〜。
因みにクロ君の服装は学園指定のネイビーグリーンの戦闘服だ。
「双方、魔力回復薬を飲んで。」
この試合期間中、先生の提供してくれる薬以外での魔力回復はルール違反で失格となる。
審判からドリンクの瓶を受け取って飲み、からになった瓶を返す。
正直助かった!
これでアレを全力で行える。
決勝戦のフィールド特性は”砂場”で、これも私に有利に働く…クロ君の強さの秘訣は独特の足捌きにあると私は見抜いている。
それが阻害されるだろう。
「では、決勝戦を行う…始め!」
「炎の巨神よ!契約により我に力を!」
<<契約受理焰剣士>>
我が一族に伝わる契約魔術、”焰剣士”を発動する!
今のワタシの身体に触れたらヤケドするわよ!
このための耐火繊維の服なの、普通の服じゃ燃え尽きちゃうのよね!
「こんなのアリかよ!僕を燃やす気か⁉」
「萌えちゃえ!」
「字が間違ってる!ええい、エナジークロウ!」
毎日朝練でボコボコしてくれたお礼よ!
私は炎の剣を振り回し、クロ君に迫る!
クロ君は大爪を生み出し私の剣を受けた、でも勢いで押し込む!
(今は有利!でも立ち直られたら負ける!)
クロ君は私より、魔術の種類も、威力も、使い方も上手い!
この勢いで一気に決めないと負ける!
それ程の気持ちを込めて!
この一撃!
この一撃!
剣の一振り一振りに魂を込めて振り続ける。
「炎蛇よ!縛り上げろ!」
「えい!今の私には効かないわよ!」
クロ君は火炎系を得意とするけど、今の私に火系はほぼ無効。
クロ君の操る炎の蛇が私を縛り上げた、でも、一気に引きちぎる!
魔術操作のために一瞬、動きの遅くなったクロ君に剣を叩きつける!
「【旋】!」
クロ君は、私の横一文字の剣をかわすため、ヒラリッ、と後方に飛んだ。
(え?)
もうライン際まで押し込んでいたのだ、下がれば当然場外になる。
確かに減点はされるけど、自分の体制を立て直す時間を稼げる…だけど。
クロ君…逃げるの?
次の瞬間、自分が迂闊だったことを悟った。
「ファイヤーボール×2!」
足元に火球を産み出して、それらに両足で着地する…当然爆ぜる。
クロ君は爆風で上昇し…
「ひゃう⁉」
「場外!待て!中央へ!」
しまった!
消し飛んだと思った炎蛇がまだ、足に絡みついていてそのシッポをクロ君が握っていたのだ。
クロ君の上昇した勢いで、私は足を取られて転んだ上に引っ張られて場外へ!
逆に得点を引かれてしまった。
「支給品の靴が焦げた…オシャカだ〜。」
むっか~!余裕ぶっこくなクロ助〜!
中央に戻って、思いっきり睨むと…クロ君は笑っていた。
「じゃあ、僕もそろそろ全力でいくよ!」
そんなコト…させない!
「始め!」
「やあ!」
「風よ!」
速攻あるのみ!
待っててはやられる!っと剣を一閃したが空振り!
何かをされる前に攻撃をかけたかったが、クロ君は風で砂を巻き上げて姿を隠した。
一瞬姿を見失う。
「召喚!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!火蜥蜴!」
クロ君は私から少し離れた位置で、召喚魔法を行っていた。
火蜥蜴は炎の最下位モンスターで炎を吐く攻撃ができる…でも今の私には効かない。
それがわからないクロ君ではないハズだ。
しかもこんなにいっぱい…火蜥蜴なら召喚魔法の消費はごく少量で済むから問題は無いのだろうけど?
そしたら火蜥蜴がクロ君にドンドン飛び付いた!
シッポで自分の体を固定する…スペシャルやな予感!
「セイ!」
「ガッ!」
クロ君が信じられないスピードで爪を突き出して来た!
今のは何とか剣で受けれたけど…もうあんな遠くにいる!…何なのあれ?
あの動きはキャロルちゃんのスケートに似ているけどもっとずっと早いし、しかもチョット浮いてる?
ただ、動くたびに”ゴー”ってうるさい!
「これぞ火蜥蜴ブースターパック!
スカーレット!
このジェット加速攻撃を受けきれるか!」
「このぉ!」
早い上に読めない動きで近づいて来て爪で攻撃して来た。
何とかよけて剣を一閃したが、かわされた!
全然当たる気がしない…。
ハッ!ヤバイ!
心の身体も受け身に回ってる!
ダメ!
でも…。
最強の切り札を切った攻撃…ダメ。
クロ君の長所を最大限削り取る作戦…ダメ!
あれだけ!一生懸命に用意してきたのに!
全て崩れた…気持ちを立て直せない!
さらにこの攻撃は炎無効も効果がない…対策が見当たらない。
でも、でもよ、負けたくない!
き、気合!気合で押しかえすのよ!
しかし、そんな強引な攻めは相手の思う壷だった。
「エナジーナックル・ジェットパンチ!」
・・・・・
はっ!…ここは?
「…こえてますか?スカーレット選手!立たないと負けにしますよ!」
倒れている?…起きなくちゃ…起き上がろう…起きて!…私!
意識は少しずつ戻ってハッキリしてきたが…。
身体はいうことを聞いてくれなかった…
私は、今日のことを一生忘れない。
どうでしたでしょうか?
スポ根の対象がスカーレットになってしまったのは女子選手の活躍があったからかもしれません…。
まだこの作品の続きをまだ書きたい気もあるのですが、オリンピックも終わったのでコレで終わりにしようかと思います…。
皆様、読んでいただいてありがとうございました。
本当に感謝感謝です。




