1話 僕と彼女の剣の出会い
開いていただいてありがとうございます!
よければ、読んでいってくださいね。
眠い〜。
早朝の武術練習場に足を運びながら僕は”ふああ~”と大きなアクビをした。
早朝の冷えた気持ちいい空気は、僕の目を覚ますには十分な爽快感を与えてくれる。
それなのに眠いのは別の理由のせい…僕の”やる気のなさ”のせいだ。
目的地である練習場に到着すると、意外なことに既に誰かが来て朝練をしていた。
一人の少女が熱心に剣術の練習をしている。
「スカーレットじゃん…」
赤毛の美少女…スカーレットが、熱心に剣術の鍛錬をしている。
その動きは躍動感あふれるダイナミックなもので、僕はしばらく目を奪われた…。
彼女は実力のあるものが集められるAクラスでもトップの成績だと噂で聴いた。
Cクラスの僕とは接点がないので彼女の本名までは知らないが、みんなが”スカーレット”と呼ぶのは聞いたことがあった。
たぶんあの美しい赤毛からくるあだ名だろう。
「あ!おはよう!クロト君じゃない!」
「…おはよう。」
彼女が僕の名前を覚えているとは思わなかったので、ちょっとびっくりした。
もっとも、A、B、Cの各クラスは10人しかいないので合計30人。
覚えられない数ではないだろう、実際3クラス合同で行う授業もある、知る機会ならいくらでもあったはずだ。
入学して半年が過ぎてもクラスメートの名前を半分も覚えていない僕の方がズボラなのだろうけどね。
「早いのね!どうしたの?」
「ん…ブレア先生に目を付けられてね…しばらくは、毎朝大剣で素振りするようにってさ。」
「あ〜それはご愁傷様。」
ブレア先生は剣術の先生で、生徒に特訓をすることを生きがいにしているところがある。
”君のため”とかいいながら無茶な特訓を生徒に押し付けてくることが多々あるのだ。
いい先生なのだが…正直うっとおしい。
「よっこらせっと。」
練習用の両手剣を構え、僕は素振りを開始した。
僕が練習を始めたのでスカーレットは、彼女の練習に戻る…かと思いきや…
「…22…おまえさ…23…みるなよ …24…」
「うん!気にしないで〜!」
全然会話になっていない気がする…。
すぐ近くで見られるのは、正直恥ずかしい。
しかも剣術の実力では大きな差のある異性…美少女ならよけいに、だ。
まあ、ノルマの素振り1000回はかなり時間がかかるので無視することにした。
僕の持つ大剣は、言うまでもなく重い。
ひたすら重たい…。
そのせいで、だんだんと汗をかいてきた。
朝の空気の冷たさが心地よく感じ…られるか!手が痛て〜!
100回を超えるころになって、スカーレットが声をかけて来た。
「ちょっといい?」
「108…ふ~、…なに?」
「クロ君て…ホント…センスないね~!」
「おまえな〜!スペシャルほっとけ!」
可愛い顔してひどいことをいう!
人間ってのは、本当のことを言われるとマジで腹が立つんだぜ!
しかも、勝手に僕の名前を省略してるし…。
「ゴメンなさい…怒らないで。」
ここで強気に出てこないと…こっちが悪いことした気になるじゃないか!
しかも、下から目線で謝られると…弱い。
ここは無視!
無視して素振りだ!
「クスクス、いじるのはこのくらいでいいかな?
じゃ!そのまま素振りしててね!」
今なんて言いいやがった!
クソ~これだから美少女は嫌なんだ‼
僕の内心の葛藤を知ってか知らずか…彼女は腰を落として僕に手を延ばして来た…僕の腰を”くいっ”と押す。
素振りの邪魔にならない程度に…素振りのタイミングに合わせて…押してきた。
「なんだよ…113…やり難い…114」
「いいからいいから〜♡」
そのまま素振りを続けていると。
…ブン…ブン…ブン…フッ…
あれ?
音が違う!、っていうか手の感触が!
「今よかったね〜。」
「おい!おまえ今のなに!今すっげー気持ちよかった!」
「その気持ちわかるよ〜!クロ君は上半身はバランスいいけど下半身がね…要するにヘッピリ腰なのよ!
腰をいれて〜体と剣のタイミングが合えば~今みたいに〜いい振り出来るよ〜でしょ?」
「…あ、うん。」
さすが学年トップクラスの実力の持ち主‼
教え方も一流なのかー!
差がありすぎだー!
嬉しいけどー!
さっきの感触を味わいたいがため、さらに素振りを続ける。
イキナリ上手く出来るわけではないが段々と…20回に1回くらい気持ちいい素振りが出来た。
気が付くと嬉しくなって夢中で素振りを続けていた、こんなことは今までなかった。
「999…1000!…ゼーゼー!あと一回…あの感じ…ゼーゼー!あと一回…」
「ふふふ、ハイになったね〜?もう戻れないでしょ?」
「ゼーゼー、何がだ…よ。」
「ふふふ、教えない~!
うん、決めた‼
明日からも手伝ってあげるわ!」
コイツ…こんな性格なのか?
…でも、今まで素振りなんて”やりたい”と思ったことは一度もなかった。
今は…やりたい。
「いいでしょ?」
「うん、いいよ。えーっと、あのさ、その…ありがとう。」
「どういたしまして!そうそう、これからは名前で読んでよね!おまえって言われるのやだな〜!」
「ああ悪い。えっと…スカーレットさんの…名前ってなんだっけ?」
「…それが本名だけどナニカ?」
物凄い迫力のある笑顔で彼女にそう言われて…。
僕は土下座して謝りました、ハイ。
お読みいただき感謝感謝です。
2人を中心に書きたいので登場人物は少ない予定です。
ブレア先生は出てくるかな〜?
たぶん勝手に出てくると思います(笑)
ちなみに女性ですよ。




