死なせない
ガウゥゥウンッ!!
(瑞霊が右手を振り下ろす)
ッ...!!
(四郎が両腕を前へ交差し防御する...だが)
ドシャァア....!!
(四郎の体が削れることはなかった)
お..お前...!!
(そう、楓夏が前へ出て攻撃を肩代わりしていた)
ックソ...!!
(楓夏を抱えて後ろへ跳ぶ)
フフフ...なぜでしょうかね、
体が勝手に動いてしまいました...
(両腕が削り取られ、血を流しながら)
....不甲斐ねぇ...!!
(四郎が前へ出る)
女の子に庇わせるなんてなァッ...!!
クレイジー・ダイヤモンドッ!!
(背後霊を前へ出し、ラッシュを仕掛ける)
そんな手に引っ掛かると思っt..
(一瞬にして瑞霊の眼前へ四郎が迫る)
ッ...!!
ドララララララッ!!!
(無数の拳一つ一つが瑞霊の体を抉り続ける)
ララララララララァッ!!!
(殴りきると堪らず瑞霊が壁へ激しく打ち付けられる)
ガァァアッ!!!
(原型を留めておらず、ドロドロの状態で倒れこむ)
ハァ...ハァ...!!
(四郎がいつも以上に息を切らす)
おかしいな...いくら激昂してたとして..呼吸が....?
(呼吸が早くなり、酸素が巡らなくなって行く)
き..効いてきたようですね.....
この地下は...気付かれない程度に筋弛緩剤を
ガスとして噴出し続けている.....
フシュゥゥゥ....
(四郎達が意識して耳を澄ますと、
確かにガスが噴出されている音が聞こえてくる)
クソっ...!!
(四郎が口元を押さえるが、時既に遅し)
グバァァ...!!
(弛緩剤の過剰摂取の効果が著しく現れていく)
不味い....!
(妖怪である楓夏は呼吸が必要ないが、四郎は勝手が違う)
弛緩剤の過剰作用で大きく驚異なのは三つ...!
猛烈な吐き気・意識障害・呼吸困難...!!
さぁ..!
トドメですッ!!
(デロデロになった瑞霊が原型を戻しながら迫ってくる)
.......俺が
(意識が混濁している四郎が呟く)
生徒達と同じくらいの女の子に...任せ切れるか.....!!
(倒れる瞬間に踏みとどまる)
.....四郎さん
(楓夏が目を見開く)
表裏一体.....!!
(背後霊が四郎へ取り込まれる)
......殺す
(四郎が原型を取り戻した瑞霊へ走り出す)
何をするかと思えばッ!!
生身の貴方に何ができるというのですかッ!!
(瑞霊が触手を指し向ける)
**ハルヤのところでは**
しまったな....完全に迷子だ
(ハルヤが頭を抱える)
こうなったら壁をブチ抜くしか
やめなさい、
(誰かがハルヤの頭をコツンと叩く)
イッテ、って..母さん..!
(ハルヤが飛鳥を見上げる)
千尋と一緒に行ったんじゃなかったのか?
あぁ、それはねぇ..
*事情を説明する*
で、私も貴方同様に迷子になって、
千尋の行方はわからなくなったってわけ
(飛鳥が笑いながら)
血は争えねぇな
(苦笑い)
とりあえず、爆音のした入り口付近に行ってみよう、母さん
(すぐに真剣な顔になる)
えぇ、そうね
(窓を見る)
じゃあ行きましょうか
.....そっち窓だけど
(飛鳥がハルヤを抱える)
行こっか♪
(陽気に笑いながら)
......だと思ってた
**衣玖達のところでは**
zzzZZzz.....
(疲れ切った衣玖がグウグウと寝息を立てている)
全く..アンナすげぇことしといて、子供みたいだな...
(ポケットから何かを出す)
神楽さん..それは?
ん?
あぁ、ただの餡饅だよ
最近衣玖に激推しされてな
(芳醇な餡饅の匂いが巡る)
ま..まま....
(突如衣玖の口が開く)
.....ん?
(神楽と千尋が同時に)
饅頭ぅぅううッ!!!
(衣玖が飛び上がって餡饅へ飛びつく)
どわぁぁあっ!!??
(餡饅を空中へ落とす)
バクっ!
(衣玖が床へ落ちる前に口でキャッチする)
ハムハム....
......え?
**場面が四郎へ戻る**
ドゴォオッ!!
(四郎の体では想像できないような威力の殴打が瑞霊を襲う)
ガフッ!?
( 予期していなかった威力に驚愕する)
ドラララララララララ!!!
(拳が消えて見えるほどの高速な打撃の雨が楓夏降り注ぐ)
ラララララララララララララララララララ!!!
(とっくに気力が尽きているのに関わらず殴り続ける)
アガガガガガガガガァァア!!!
(瑞霊が体中を液状にして、
逃れようとするが何故か動くことができない)
そうか...血..!!
(楓夏があることに気付く)
私の血痕を直して固め、逃げれないようにしている....!!
ラララララララララァァッ!!!
(数百発殴りまくった後に、
気絶するように四郎が倒れこむ)
カヒュゥ...カヒュゥ...
(自家呼吸が困難になっている中で激しい運動を
したせいで重篤な酸欠の症状を引き起こしている)
ガ...ガガ....ガァ....
(核が傷付き、再生が上手くできていない)
....クソっ
「四郎さんは気絶していて...私は
アイツの能力のせいで両腕が再生できない....!!」
アイツが再生するのは見守っているしかできないのか....!?
(楓夏が何もできていない中、順調に瑞霊の核が復元していく)
貴様ら...殴殺してくれる......!!
(瑞霊の体がどんどんと殴られる前の姿へ変形していく)
カヒュウ...カヒュウ...
(四郎は呼吸をすることでさえ精一杯で、
楓夏は両腕の治療におよそ数時間掛かる)
どうすれば.....!!!
part15 END
part15閲覧頂き恐縮のキワミィ
あと四話以内に完結するかも




