崩れる斑(むらさき)
テメェを見ると虫唾が走るんだよォッ!!
(ハルヤが楓夏をボコボコに殴る)
ハルヤ...さん......
(楓夏の目には憎しみも怒りも、悲しみも浮かんでいない)
なんだよその目はッ!!
殴り返してこねぇのか!!
(血まみれになった拳を握りしめる)
誤って許される事では無いのは理解していますが、
相馬さんの件については詫びさせてください...
(昔のような凶暴な面影が消えている)
チッ.....!
「こんなんじゃ...殴るにも殴れねぇ....!!」
.........
(無言でハルヤを見つめている)
もういい...!
(ハルヤが妖怪化を解く)
....四郎先生たちを運んでくれたのは、感謝しとく..
(顔に手をつけながらトボトボと病室へ戻っていく)
はぁ、楓夏..大丈夫か?
(ずっと見守っていた神楽が楓夏へ手を伸ばす)
ありがとうございます、神楽さん
(頬を拭いながら立ち上がる)
今まで食らったどんな拳よりも...重く痛かった......
....過去がお前を縛り付けているのかもな
いつかは報われるさ..
(神楽が鼻を鳴らす)
そうかも...しれませんね
(神楽と別れ、ドラッグストアへ向かう)
**千尋のところでは**
あれ...?
なんだか入り口が騒がしいような..?
(嫌な予感がし、入口へ歩を進める)
*見覚えのある紫髪の女子青年の人物が
誰かと拳と剣を交えていた*
ドガガガガッ!!
痛ったいですねぇ...!!
(そう、永江衣玖だ)
.......!!
(相手は紅葉の髪飾りをつけた名前はたしか....)
秋 静葉.....!!
(死人を操る瑞霊の有力な死人の一人だ)
サリャアッ!!
(衣玖が鋭い手刀での突きを放つ)
遅い....!
(静葉の圧倒的な筋力で突いてきた指を切り捨てる)
ドパッ!
(指を再生しながら)
早いですねぇ...!!
(顔には汗が浮かんでいる)
ハァッ!!
(静葉のカウンターの突きは驚くほど
正確に衣玖の胸の中心を狙う)
生真面目さが滲み出てますよッ!!
(正確すぎるせいか、軌道を読まれる)
ドゴォッ!!
(衣玖が激しく震脚を踏む)
穿掌ッ!!
(掌底が静葉の腹部へ叩き込まれる)
シュゥゥゥ.....
(静葉の腹部から煙が上がる)
間に手を入れられましたか....!
(再び太極拳の構えを取る)
武器では分が悪いですか.....!
(静葉がナイフを捨て、徒手空拳で応戦する)
ドガガガッ!!
(拳と拳がぶつかり、肉が潰れる音が響く)
デヤァァアッ!!
(衣玖が肩を静葉の胸板へ押し込み、鉄山靠を放つ)
べキィッ!!
(静葉の胸板が激しく陥没する)
カハッ!!
(そのまま吹き飛び、壁へめり込む)
はぁ..はぁ..どうですか....!
(荒い息を吐き出し、新鮮な空気を取り込む)
い..衣玖さん!!
(千尋が声をはりあげる)
千尋!?何故出てきた!
急いで逃げるんだ!!
そうじゃ無いです!!
後ろッ!!
(衣玖の背後を指差す)
はッ....!?
(背後から何者かがナイフを持って突っ込んでくる)
ドシャアッ!!
(ブドウの髪飾りを着けた死人....穣子だ)
ガッ..フッ...!?
(衣玖の右脇腹へナイフを突き刺される)
お前...はッ...!!
(そう、穣子は衣玖の親友である魔理沙を殺害した張本人だ)
アハハハッ!!
貫通しましたねぇッ!!
(笑いながらナイフを離して後ろへ下がる)
貴様.....!!
よくもぬけぬけとォッ!!
(地面を割る勢いで飛び出す)
シャッ!
(しかし、後方へ吹き飛んでいた静葉が飛び込んでくる)
クソッ...!!
バァァアアンッ!!!
(ナイフを抜いてから妖怪化を発動し、傷を塞ぐ)
千尋さん!急いで逃げてください!!
(穣子と静葉の元へ飛び込む)
ハルヤさんたちに..知らせなきゃ..!!
(病室へ向かい走って行く)
**ハルヤ達のところでは**
なんだか下騒がしくないか...?
(胸騒ぎを覚えたのか、折れた刀を鞘から抜こうとする)
待て恵、お前まだ四郎先生に
治療してもらってないだろ、自分見に行ってくる
(ハルヤを追うように飛鳥も着いて行く)
恵ちゃん、ちょっと待っててね♪
(ウィンクをして出ていく)
**神楽たちのところでは**
なぁ楓夏、なんか変な音聞こえないか?
(神楽が立ち上がる)
えぇ、金属音とか鈍い音が聞こえますね...
(楓夏が陽蓮之壱葉を召喚する)
恐らく入り口ですっ!
(走り出す)
**衣玖のところでは**
ラァッ!!
(千尋を守りながら静葉と穣子を相手している)
遅いですよッ!!
(静葉が前腕の筋肉をフル稼働させ、
意図も容易く衣玖の右肘を切り落とす)
ガァッ!!
(衣玖がたまらず仰反る)
隙あり...!!
(穣子が千尋へ向かってナイフをばら撒く)
きゃあっ!!
(千尋が両手を交差し、急所を守るが、
右肩と左右前腕へナイフが貫通する)
千尋ォッ!!
(千尋の元へ走り出す)
くっそ...不甲斐ないばっかりに..!!
(衣玖が切り落とされた右前腕を再生させる)
よそ見してんじゃ無いですよッ!!
(静葉と穣子がナイフを片手に走ってくる)
かかってきなさいッ!!
(衣玖が床を踏み締めると、青黒い翼が背を突き破る)
バサァッ!!
(翼を振るうと、突風が巻き起こる)
スシャアッ!!
(突風に乗せて瓦礫や落ちていた
ナイフが静葉と穣子へ襲いかかる
ドシャシャァッ!!
(破片やナイフが次々と静葉と穣子に突き刺さる)
ガハァッ!?
(破片の一部が静葉の右目へめり込む)
ッシ....!!
(そのまま衣玖が懐から何かをだす)
シュバッ....!
(導火線のついた赤い棒....力だ)
消し飛びなさいッ!!
(衣玖は少し前、楓夏から情報を得ていた)
*数刻前*
ところで永江衣玖...あのツギハギ死人共を
生き返れなくする方法をご存知ですか?
(楓夏が陽気な顔で語る)
確か接合すれば再び動き出すんですよね?
そんな方法があるんですか?
(餡饅を頬張りながら)
えぇ、例えばこれとか
(懐からダイナマイトをだす)
っちょ!何出してんですか!?
(衣玖が後ずさる)
安心しなさい、火はつけてません
(ダイナマイトを衣玖へ投げ渡す)
こういう爆発物とかで物理的に接合しきれない
レベルにまでバラバラにすれば、きっと蘇れないでしょう。
な、なるほど..確かに理論上はそうですね!
(ダイナマイトを懐へ仕舞う)
*そして現在へ*
バラバラになりなさいッ!!
(直後、衣玖が千尋へ駆け寄り、千尋の前へ翼で壁を作る)
ドゴォォォォォォオオンッ!!!!
(耳を劈くほどの爆音が響く)
どうですか....!?
(千尋を守っていた翼を解く)
(ダイナマイトを転がした位置に確かに
粉々となった爆死体を発見する)
凄惨ですね....
(衣玖の側へ千尋が寄る)
.......?
「一人..足りない.....?」
ドゴォッ...!!
(天井から何かが落ちてくる)
痛ったいですねぇ....!!
(驚異的な脚力と筋力で天井へ退避してた静葉だ)
バケモンかよ....!!
(衣玖が本音を吐露する)
千尋さん、後ろへ下がって...!
(後ろへ目をやる)
....千尋さん?
あ..衣玖..さん.....!!
(静葉がいつのまにか千尋の背後へ移動していた)
なっ...!?
テメェ...!!
(衣玖が怒りをあらわにする)
動くな....!
一歩でも動けばコイツの頸動脈を掻っ切る....!!
(静葉がスカートからナイフを抜く)
part13 END
part13閲覧頂き恐縮のキワミィ
多分次回は敵味方どっちかの主要キャラ死ぬよ




